イスラムとフェミニズムは共存する?対立する?
イスラムは男女不平等よね、男女差別よねーフェミニストの方には、そう映るかもしれません。
たしかに。イスラムとフェミニズムは相容れないものです。
それはイスラムが女性差別というよりは、根本的にフェミニズムと男女観が違うからです。
イスラムの男女観とは?
イスラムは「男女は違う」を前提にしています。なので、欧米などの「男女の差異をなるべくなくそう」というフェミニズムの観点から、そもそも出発点から違っていることになります。
イスラムでは「男女が違う」ことからスタートし、その上で平等であることを目指します。
イスラム的「男女平等」とは?
男女は平等だが「同じ」ではない。その違いを考慮した上での平等が、イスラムの「男女平等」です。
(参考:イスラムでは女性は差別されている?イスラムが考える「男女平等」)
女性は生理があり、出産することもある。男性にはそれがない。生物学的な違いは厳然と存在します。
「違いを認めるのは本当の意味の平等じゃない」という意見もあるかもしれません。
しかし男女の(生物学的な)違いは明らかです。オリンピックの競技は男女別々に行われますし、男性の世界記録と女性のそれも分けられています。男女は肉体的な条件が違うからです。
それはあくまで身体能力の差であり、どちらが上か下かを意味するわけではないということです。
「男女は全く同じ」はムリ
このように生物学的に男女が違うため、何もかも同じにすることは(特に女性に)無理があります。
女性は生理・出産がある。男性の方が力が強い(もちろん個人差はありますが)。だから男性と全く同じ働きを求められるのは、女性にとって酷です。
生理中も男性と肩を並べて夜遅くまで働いたり、妊娠・出産中も休まず働くのは辛いことです。
オリンピックでもし男女が一緒に競うことになったら?それが本当の意味で平等と言えるのか?私には疑問に思います。
女性のみ免除されていること
男女の違いから、女性にだけ免除されていることがイスラムにはあります。
まず生理中の礼拝です。生理が終わり、できる状態になったら、その埋め合わせします。(日本の会社に生理休暇があるようなものでしょうか)。
生活費は基本的に男性の負担です。女性は出産があり、その間は思うように働けません。だから生活費は男性の義務とした。
これは女性が労働を禁止しているわけではなく、稼いでも、家にお金を入れる義務はなく、入れても入れなくても自由です。
(参考:イスラム教の結婚、実は男性はラクじゃない)
男女の違いに応じて、無理のないように生きようというのがイスラムの考えです。
【参考図書】
20年間にわたり取材したイスラム女性たちのリアルな日常を紹介。モロッコ、チュニジア、エジプト、イラン、パキスタン、モルディブ‥‥。歌あり踊りありデートあり。「抑圧」などメディアによって作られたイメージと違う、生き生きした女性たちの実像を紹介します。