エジプト料理概要
主食はパンで、メインのおかずは肉です。肉で最もよく食べられているのがチキン、次がウシ、他にヒツジ、ヤギ、ウサギなども食べます。
ブタはイスラム教徒が多数派なので食べません。ただキリスト教徒もいるため、カイロなどでは豚肉を売るところもあるとのこと。(ラクダ肉も売られていますが、それほどポピュラーではありません)。
野菜は煮込んで食べるのが一般的で、ベースはトマト、ニンニク、タマネギです。煮込む野菜はジャガイモ、インゲン、ズッキーニ、オクラなど。ナスは揚げて、塩などをつけて食べることが多いです。
このように野菜ごとに料理法がほぼ決まっていて、これ以外の方法で料理することは、ほぼ皆無。エジプト人たちは食にとても保守的なのです。ほぼ毎日食卓に並ぶのが、モロヘイヤスープです。
主食:パン

田舎のエジプト庶民の典型的な食事。右のトマト入り野菜サラダから時計回りに、イーシュ・シャムシー(田舎の手作りパン)、自家製チーズ、豆の煮込み、レモンの漬物、卵焼き、イーシュ・バラディ(一般的なエジプトのパン)。
最も一般的なパンはイーシュ(イーシュ・バラディー)。全粒粉の茶色いパンです。エジプト人は朝昼晩イーシュを食べます。イーシュをスプーン代わりにして、おかずをつかんで食べます。
イーシュは中が空洞のため、そこにおかずをはさんでサンドイッチにして食べることも多いです。

エジプトでパンといえばイーシュ・バラディー。路上でむきだしのまま売られていることが多い。
田舎ではイーシュ・バラディーに加え、自家製のパン「イーシュ・シャムシー(太陽パン)」も食べます。丸い形に整えたパン生地(イーストも含む)を1~2時間日向にさらして膨らませ、オーブンで焼きます。
米はどちらかというと副食に近く、シャーレイヤという細く短い麺を入れて炊き込んで食べます。少量の米を食用油で炒め、焦げ目がついたら米と水を加え、炊き込みます。
米
エジプトでは白いご飯をたべることは稀で、たいていバターライスです。
少量の米を食用油で炒め、焦げ目がついたら米と水を加え、炊き込みます。上の写真のようにシャーレイヤ(小さな麺)を入れることも多いです。
食卓にご飯がある場合も、必ずパンを食べます。ごはんはどちらかというと「おかず」の位置づけです。これは他の中東の国々でも同じです。
代表的なエジプト料理
モロヘイヤスープ
エジプト庶民に最も愛されている料理の1つがモロヘイヤスープ。
出汁(だし)はチキンが多く、ウサギやハトを使うこともあります。(最もおいしいのはウサギだそう)。
モロヘイヤスープはごはんにかけて食べると美味しいです。
フール

エジプトの典型的な朝食。画面中央がフール。右はガルギールという野菜。
ソラマメの煮込み。エジプトで最もポピュラーな庶民食で、日本でいう納豆のような存在に近いです。家庭で作ることもありますが、とても時間がかかるため買ってくるのが一般的。塩やトウガラシ、クミンなで味付けして食べます。
ターメイヤ
ソラマメのコロッケです。長時間水に浸してからつぶしたソラマメに、香草などを入れて、つなぎに卵やパン粉を加えて揚げます。こちらも朝食に食べることが多いです。家庭によっては素材だけ買ってきて、自分の家で揚げることもあります。
コシャリ
エジプトの庶民食ナンバーワン。米とパスタを皿に盛った上にレンズマメと揚げタマネギをのせ、トマトソースをかけて食べるものです。好みで酢やトウガラシ、ニンニクソースなどを加え、混ぜながら食べます。
(詳しいコシャリの作り方→コシャリ:エジプトのソールフードの作り方)
マフシー
野菜の中に料理した米を詰めた料理。野菜はズッキーニ、ナス、ピーマン、キャベツ、が使われます。ブドウの葉で包むこともあります。作るのに手間がかかるため、どちらかといえば特別な時の料理です。
(詳しい作り方は→エジプトマダム直伝マフシの作り方)
サラダ:サラダバラディ
最も一般的なサラダ。キュウリ、トマト、ルッコラを刻んで塩であえ、レモンをかけます。
そのほかのエジプト料理
それほど一般的ではないものの、エジプト特有の料理をご紹介します。
ハマム・マフシー
ハトの中に、料理した米を詰めたもの。
焼き魚
肉ほど一般的ではありませんが、焼き魚も食べます。トマトやピーマンなどの野菜とスパイを詰め、グリルにします。家庭で料理するよりは、買ってくる方が多いかもしれません。
レバーフライ
ウシのレバーと脳味噌のフライ。脳味噌は豆腐に近く、無味なので食べやすいです。
モンバール(ソーセージ)
ヒツジやウシの腸の中に、ハーブやスパイスと料理した米を詰めたもの。手間がかかる料理なので、エジプトではもっぱら買ってくることが多いようです。
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