イスラムの性を理解するポイント①結婚の内と外
イスラム教の性についてのポイントは2つ。「二面性」「肯定的」です。これらについて詳しく説明します。
①性の二面性ー結婚の「内・外」で大きく違う
「婚外」と「婚内」。この2つで、性に対する態度が大きく異なります。
「婚外」の性交渉は厳禁です。姦通は重大な罪。
そのため社会は男女隔離が基本です。これは間違いを起こさないため。
ところが結婚内の性交渉は積極的に奨励されている(→イスラムのセックスや性生活のルール)。
夫婦の夜を盛り上げるための女性下着が、町中のショーウィンドーに堂々とつるされ、夫婦仲良くショッピング。
結婚式では初夜のベッドを花で飾り立てる。非常におおらかであけっぴろげ。日本人の私でもびっくりです。
このように「結婚」を境に状況が180度変わる。これが「イスラムの性」の特徴です。
結婚を境に態度が変わる理由ー家族を重視するため
なぜ結婚を境に態度が一変するのか?「家族」に価値を置いているからです。
そのためイスラムでは結婚を推奨しています。だから年頃になれば周囲から「結婚しろ」とうるさく言われます。
私がエジプトに住んでいた頃、頼みもしないのに縁談をセッティングされてしまったことも!
婚外の関係が禁止されるのは、結婚をダメージを与える行為だからです。
なぜ家族を重視?
なぜ家族を重視し、結婚を推奨するのか?
子孫繁栄のためです。そして信者の幸せを考えてのことでしょう。
人間は弱いものであり、互いに男女が一緒になって足りない部分を補いながら暮らしてこそ幸せだ、これがイスラムの結婚観です。
性交渉も夫婦間に限れば、様々なトラブルが防げます。
「婚外子」など子供に対する差別を生んだりもしません。
②イスラムは性に肯定的
イスラム教の性についてのポイントの2つ目は、それがとても「肯定的」だということ。
これまで見てきたとおり、夫婦の営みを積極的に奨励しています。
性に対してやましいという気持ちもなく罪悪視もしない。快楽としての性を認めています。
コーランに次ぐ聖典ハディースには「性欲を満たすために結婚せよ」と述べています。
「アブドッラー・ビン・マスウード(ムハンマドの教友)は伝えている。
アッラーのみつかいはわたしたちに「若者たちよ、あなたたちの中で妻を養える者は、結婚しなさい。そうすれば、あなたたちの目がよくない方にむくのが制され、不道義に走ることもなくなります。しかし、それができない者は、断食をしなさい。断食は性欲を抑える手段になります」といわれた。(サヒーフ・ムスリム」2巻436)
日本で知られているのは「婚外の性」のことだけなので、「イスラムは性に対して厳しく禁欲的」とイメージされがちです。
しかし実際は性を肯定し、大いに奨励している。ただしそれにはルールがある、それだけのこと。
ただしルールが
ただし楽しむためにはルールがあります。「結婚内」で、ということ。野放図にやるな、だれかれかまわず手を出すな、ということです。
父親がわからない子が生まれたら、人の幸せや社会秩序がダメージを受けるから。
人間は弱いもの、というのがイスラムの人間観。特に男性は性的欲望に弱いとする。そこで一定のルールを設けたのです。
女性に髪を隠せと命じたのもそのため。きれいな女性を見たりヌード写真を見れば、健康な男性なら誰でも興奮するもの。そこから痴漢などトラブルにつながりがち。だから女性はヒジャブやチャドルで美しい部分を隠せと命じたのです。肌をあらわにするのは愛する男性の前だけで十分。それがイスラムの考え方。
実際女性たちは家の中では過激ともいえるほどおしゃれです。自分を愛してくれる旦那様の間だけで楽しむもの。不特定多数の男性の目を楽しませるものではないというのが彼らの考え方です。
さいごに
何事も楽しむにはルールが必要です。野球にもサッカーにもルールがある。それなくしてプレイできません。
性行為も同じ。幸せな性生活を送るにはルールが必要。なぜなら人間は弱いものだから。
イスラムの「性規範」は子孫繁栄を視野に入れた「非常にわかりやすい」ルールです。
婚外の交渉を禁止すれば、夫婦内で励むしかない。婚前交渉を禁止すれば、若い男女は早く結婚したくなる。しかも夫婦の交わりを善行とした。イスラム世界でどんどん人口が増えるのも、なるほどとうなづけるというものです。