2020-05-09

世界のムスリマ・ファッション最前線

チュニジアの女性 チュニス

ムスリム女性(イスラム教徒の女性)は、スカーフで髪を隠し、身体のラインを隠しています。

ではおしゃれと無縁なのか? 

そんなことはありません。世界で最もおしゃれなのがイスラム女性たちと言ってもいいくらい。

肌を見せず、体の線を目立たせない服装の基本さえ守っていれば、どんな格好をするのも自由です。

世界のイスラム女性たちの服装&ファッションを、イスラム人口が多い国からご紹介します。

 

この記事を書いている私は、20年以上イスラム社会で女性達と生活をともにし、『イスラム流幸せな生き方』などイスラム教をテーマとする本を多数出版しています。

 

イスラム教徒が多い国は?

世界各国のイスラム人口

出典:Pew Research Center

世界で最もイスラム教徒が多いのはインドネシア。以下、2位インド、3位パキスタン、4位バングラデシュ、5位ナイジェリア 、6位エジプト、7位イラン、8位トルコ、9位アルジェリア 、10位イラクとなっています。

1位から順に、各国(ナイジェリア 、アルジェリア 、イラクをのぞく)の女性の服装を紹介しましょう。

 

各国のイスラム女性の服装

 

①インドネシア

イスラム女性のファッション インドネシア女性

 

今世界のイスラムファッションをリードするのはインドネシアの女性です。

はインドネシア人女性が好んで身につける色。

国内にはイスラム・ファッションブランド、ムスリマ(イスラム女性)向けのファッション雑誌が多数あり、それらが連携して「世界のイスラムファッションをリード」するべく活動しています。

イスラム関連のファッションショーも毎年行われています。

インドネシアには1万8000の島がありますから、もちろん島や民族によって服装は様ざま。

ただイランのチャドルのような黒い長衣を着た女性は、ほとんど見かけません。(これは信仰心の度合いとは無関係です)

 

②インド

イスラム女性のファッション インドのイスラム女性

 

世界で2番目にイスラム人口が多いインド。2050年には世界で最もイスラム人口が多い国になると予測されています(上の調査)。

インド女性の服装はサリーがよく知られていますが、ムスリム女性は、上の写真のようなニカブ(目だけ出して顔を隠す布)とアバヤが少なくありません。

(イスラムでは女性に「顔をかくせ」という決まりはありません。参考:イスラム教女性の服装ルール完全版

逆にお隣のパキスタンの方が、髪を隠さない女性がいたり、服装に関してはラフに感じます。

インドでイスラム教徒が多いのはケララ州などですが、写真は南東部の大都市チェンナイの女性です。

③パキスタン

イスラム女性のファッション パキスタン女性

 

南部の都市カラチのビーチで会った女性たち。

パキスタンの女性が身につけるのは、写真の「シャルワーズ・カミーズ」という民族衣装。

これは丈の長いワンピースとゆったりとした形のズボンです。

スカーフは被っている人と、いない人がいます。

大都市に住む高学歴の女性は、かぶらない傾向が強いです。

パキスタンはイスラム色が強い方の国ですが、女性の服装は意外にゆるやかです。

ただ北部のギルギットなど保守的な町では、ブルカなどで顔を隠した女性も多く見かけます。

パキスタンは南北に長く広い国土を持つ国なので、民族や宗派も多様です。

 

④バングラデシュ

イスラム女性のファッション パキスタン女性

 

バングラデシュの女性も「シャルワーズ・カミーズ姿」がほとんどです。

パキスタンとの違いは、バングラデシュの女性は半袖が多い。

パキスタンに比べてイスラム色がゆるいためもあるでしょう。

⑥エジプト

エジプト人カップル
エジプト女性のスカーフは、インドネシア女性と並ぶくらい鮮やかです。

ヒジャブ(スカーフ)の巻きかたも人によって様々。工夫を凝らしているのがわかります。

 

⑦イラン

 

イスラム教の女性 イスラム女性

イランといえばチャドルを思い浮かべますが、若い人は丈の長いワンピースやコートを好んで着ます。

ただしモスクや聖者廟など宗教施設に入る時は、チャドルを身につけるのが決まりです。

(詳細:イランを旅する女性の服装は?【チャドルは不要】)

 

⑧トルコ

イスラム女性のファッション トルコ女性

若い女性はイランと似ていて、丈の長いコートやシャツ&ジーパンという服装が多いです。

(↑上の女性のピンクのサンダルが可愛い)

セルフィーが大好きという点も共通しています。

トルコはアタチュルクの時代に近代化を押し進め、都市部を中心にかなり西洋化していますが、髪を隠した女性を多く見かけます。

これはもちろん地域などによって違いがあるものの、トルコ=西洋的というイメージからすると意外に感じます。

イランとトルコの女性のスカーフ

2国のスカーフついて、興味深い点があります。スカーフの被り方です。

イラン女性はスカーフを後ろに後退させ、髪の毛を大胆に出している女性がかなりいます。

その点トルコの女性はしっかり髪を隠しています。

イランではスカーフは義務です。トルコは、そうではありません。

もしかしたら、義務かそうでないかによって、スカーフをかぶる姿勢に違いが出ているのかもしれません。

 

さいごに:黒づくめはごく一部

イスラム女性というとブルカやニカブで顔を隠した姿をイメージする方も多いと思いますが、実際には、ごく一部。

大多数はカラフルな色や柄の服を着て、思い思いのお洒落を楽しんでいます。

真っ黒な服を着るべしという決まりもありません。

肌や体の線を見せないという制約はありますが、それがかえって女性らしい慎みや清楚さにつながっていると言えるでしょう。

 

イスラム女性の服装について知りたい方の参考になれば嬉しいです。

 

【関連記事】さらに知りたい方は、こちらをどうぞ。

イスラム教女性の服装ルール完全版【Q&A】

ブルカ、ニカブ、アバヤって何?なぜ髪や肌を隠すの?イスラム教徒女性の服装の基本ルールをわかりやすくご紹介。

【参考図書】

【写真集】「イスラーム ヴェールの向こう」

イスラム女性たちのリアルな日常を紹介。モロッコ、チュニジア、エジプト、イラン、パキスタン、モルディブ‥‥。歌あり踊りありデートあり。「抑圧」などメディアによって作られたイメージと違う、生き生きした女性たちの実像を紹介します。

★【『イスラム流幸せな生き方』】

イスラム女性の服装について、こちらの本で詳しく解説しています。

★『インドネシアのムスリムファッション

インドネシアの女性たちのファッション、ヒジャーブの変化を20年以上にわたる女性たちとの濃密な付き合いの中から綴った渾身の書。

 

 

 

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