世界一周した人に「どこの国が一番よかった?」と聞くと、「イラン」と答える人が多い。
私も同感です(世界一周はしていませんが)。
イランほど良い国はない!人が温かく親切な国はない。
その思いが昂じて「イランの家めしいただきます!」という本を書きました。
「行ってみたいけど、なんか怖そう」
「大丈夫かしら?」
そんな不安がある方、ぜひ以下を読んでみてください。
目次
イランはどんな国?
イランの場所
イランの場所はこちらです。
おおまかに言うと、パキスタンとトルコの間です。面積は日本の4倍あります。
「度を超えた」ホスピタリティ
とにかくイラン人はおせっかいで、温かい。たとえば、こんな感じ。
夜10時にホテルを探して外を歩いていたら、「こんな時間に何してるんだ?よかったら家に来なさい」と見ず知らずの人が声をかけてくれる!
私が女性だからではなく、男性であってもイラン人の家に泊まらせてもらったという話はよく聞きます。
イラン人の親切は日本人の想像を超えています。
イラン人が愛するのがピクニック。そこでランチにお呼ばれしました↓
多様な民族、文化
国土の広いイランは民族も多様。イランの大半を占めるペルシャ人、クルド人、トルコ系の民族、アラブ人、遊牧民のロル族などで、話している言語も違います。
つまり一つの国にいながら、色々な民族・文化を楽しめる国なのです。
イラン女性は抑圧されている?
イラン女性は実に明るく人なつこく、好奇心旺盛な人が多いです。外国人を見ると、必ず「いっしょに写真撮らせて」となります。
他のイスラム圏では現地女性はそれほど外国人男性にオープンではないのですが、イラン女性はその点違っています。
女性も1人で外を歩いていますし、社会で活躍している女性はたくさんいます。
イラン女性は抑圧されているというイメージを抱かれがちですが、全く違います。
想像以上に豊かな国
長年経済制裁を受けてきたから、人々はさぞかし困窮生活を送っているように思われそうですが、そんなことはありません。
イランの家庭に招かれて驚くのは、その広さです。庶民の暮らしぶりは日本以上に豊かです。
ストーブを一晩中付けっ放しにして寝ることは、当たり前。「灯油がもったいない」という感覚はないようです。やはり産油国は違います。
ある家庭にお世話になっていた時、そこの奥さんが鍋を火にかけたまま仕事に出かけて行ったのには驚きました。
朝から夕方まで留守なのに、ガスは付けっ放し!
これは日本のように地震が少ないからこそ、可能なのでしょう。
(「料理は長時間煮込むほど美味しくなる」とイラン人は思っているようです)。
イランの治安は?
イランで女性一人旅はできる?
私はこれまでイランの隅々まで行きました。シーラーズやイスファハーンなどの観光地はもちろん、トルクメニスタン国境近くの町、旅行者が滅多に行かないクルディスタン州の小さな村。
地図にも載っていないような山奥の村‥‥。
その間、一度も身の危険を感じたことはありません。
治安に関しては、普通に旅するなら「全く問題ない」と断言できます。たとえ女性一人でも。
私はこれまですべて一人旅です。
以前は外国人女性が1人でホテルに泊まれないという話もあったようですが、今は大丈夫です。
ただ隣国のパキスタンやイラクとの国境付近に行くのは避けた方が良いでしょう。
そして行く前には、事前に十分な情報収集を。
イランの女性一人旅で気をつけること
しかしいくら安全といっても、もちろん気をつけるべきことはあります
特に女性の場合。真夜中に1人で人気のない路地を歩くとか。これをしたら、いくら治安の良いイランでも、何もないとは保証できません。
また普通の外国人が行かない場所へは、一人ではなく現地の友人と一緒に行く方がよいでしょう。
イランの一人旅の旅行者はまだまだ少数派。時にはスパイなどと勘違いされる恐れもあります。
実際私は、クルドコイという町で通りの風景を撮っていたら私服警察に捕まったことがあります。
服装については、イスラム教の国ですから女性は肌を出しません。
ミニスカートやタンクトップなどはもってのほか。長袖長ズボン、長袖にスカートといった服装が良いでしょう。
イラン旅行の基本情報
代表的な観光地
①イスファハーン
「イランの真珠」・「世界の半分」と言われたイランを代表する町。
②シーラーズ
イラン南部の古都。古くからの文学の中心地で、世界的に詩人ハーフェズなどを輩出しています。数々の美しい庭園でも知られ、近郊のペルセポリスという世界遺産の観光拠点となっています。
③ヤズド
砂漠の中のオアシス都市。イラン古代の宗教ゾロアスター教の中心地。
旅のベストシーズン
シーラーズやイスファハーン、ヤズドなどの観光地を訪れるのなら10月〜4月くらいがおすすめ。
国土の多くが砂漠地域のため、5月から10月はかなり暑いです。
しかし国土の広いイラン。各地で気候は違います。
「5月から10月はかなり暑い」と書きましたが、タブリーズなどの北西部は、5〜7月くらいが快適な気候です。11月くらいから雪が降るでしょう。
逆に南部のペルシャ湾岸近くは、11月〜3月が過ごしやすくおすすめです。
そういう意味では、一年中ベストシーズンとも言えます。
宗教
イスラム教シーア派。シーア派については、→スンニー派とシーア派の違いをわかりやすく解説
ビザの取り方
今は空港でアライバルビザ(到着時に現地の空港などで取れるビザ)が取れます。
ただ海外の情勢は変わりやすいもの。
安心なのは日本のイラン大使館でビザを取っていくことです。
また現地の旅行代理店にビザの手続きを頼むことも可能。
私は過去こちらを通して何回かビザを取りました。
→イラントラベルセンター
日本人のスタッフがいます。
日本からの飛行機
日本からの直行便はなく、トルコやUAEのドバイ、カタールなどの経由便となります。
日本〜カタールは約9時間。カタール〜首都テヘランまで約2時間。
服装
男女とも、肌を見せない服装をすることが最低限のマナーです。イランの女性はチャドル (一枚布を体に巻いたもの)を着ている人もいますが、外国人に着用義務はありません。
現地の若い女性は、ジーパンにお尻が隠れるくらいのコートを着ている人も多いです。
女性がモスクに入る時はチャドルが必要ですが、これは入口で貸してもらえます(イラン人女性も借りている人が多い)。
一方で女性はスカーフで髪を隠す必要あり、これは外国人女性も同様です。
男性も短パンなどは絶対に避けた方が良いです。イスラム圏では男性も肌を出すことはマナー違反です。
→<イラン> 【イラン女性一人旅の服装】女チャドル・スカーフは必要?
言葉
ペルシャ語です。都市部や若い人の間では英語が話せる人もいます。
イランでは今英語教育が盛んなので、今後はさらに英語が通じやすくなるでしょう。
言葉が話せなくても、スマホのグーグル翻訳という手もあります。
→イランで英語は通じる?現地の人とのコミュニケーションはどうする?
お金・クレジットカード
通貨はイランリヤル。1リヤル=約0.0026円。1円=約388リヤル
日本円からイランリアルへの両替はできません。USドルかユーロのご用意を。
ATMでのキャッシングも使えないため、現金を多めに持っていきましょう。
物価
日本に比べるととても安いです。ホテルは一泊3千円もあれば快適な宿に泊まれます。外食は200円くらい〜が目安です。
ホテル
・ホテルは予約なしでも泊まれます。私は予約なしで泊まった方が多いです。イランのホテルはいつも空いています。イラン人は旅行でホテルに泊まらないことが多い。親戚や友人の家に泊まるからです。
・初めての町でどうやってホテルを見つける?
バスターミナルなどに着いたら、そこで待機しているタクシー運転手に「ホテルに連れて行って」と言えばいいのです。運転手が英語が話せなくとも、「ホテル」くらいはわかります。
・滞在しているホテルのフロントに頼んで、次に行く町のホテルを予約してもらうこともできます。私はテヘランで滞在していたホテルのフロントで、次の予定地ゴムのホテルを予約してもらいました。
・イランのホテルは値下げ交渉が可能です。基本的にすごく空いていて、「買い手市場」だからです。イランのホテルのチェックイン時には、元値の半額から交渉スタートです。
移動
町と町の移動はバスが主。イランのバスはとても快適です。また早く移動するには乗合タクシー(定員4人集まれば出発するタクシー)という手もあります。
市内移動はバスかタクシー。都市部では女性タクシー運転手も見かけます。
→イランの 町中でのタクシーの拾い方&女性タクシー運転手について
空港から町までの移動
テヘランのイマームホメイニ空港から市内へは、ほぼタクシーしかありません。
タクシーは定額制です。タクシー受付カウンターで料金を支払います。
病院
病院は料金前払いです。
私はイランに向かう飛行機の機内で機内食にあたり、食中毒状態になってしまったのです。空港について早々、病院へ直行。
点滴を受けること3時間、なんとか少し回復しました。
その時はたまたまテヘランに知人がいたので、彼に良い病院を聞いて診察を受けましたが、事前に病院の情報を仕入れておいた方がいいかもしれません。
食べ物
・主食はパン
イラン人の主食はパンです。
毎日、最寄のパン屋で、焼きたてのパンを買います。
料理ではケバブ、アーブグーシュトという肉と豆の煮込み、ハーブを使ったサラダなどがよく食べられています。
休日
休日は金曜と祝日です。
写真はOK?
イランを始めイスラム諸国は写真が撮りにくいというイメージがありますが、イラン人(特に女性)は写真が大好き。
外国人と見ると、「一緒に写真を撮っていいですか?」と次々に声がかかります。
ただもちろん、写真に抵抗を示す女性もいますから、これはあくまで状況次第です。
トイレ
日本の和式が一般的。お尻は水道の蛇口からのびるシャワーホースの水で洗います。
ホテルなどでは洋式トイレもあります。
トイレットペーパーはないことが多いので、ティッシュを持参して行くと便利です。
WiFi環境
ホテルでは一般的にWiFiが使えるものの、日本に比べればスピードは早くありません。
ページ1つ開くのに1分以上かかったこともあります。
ただ場所によりけりで、都市部ならそれほどストレスを感じることはないでしょう。
最後に
住んでみれば嫌な面も色々見えてくるかもしれませんが、旅人として数回イランを訪れた私は良い思い出しかありません。
怖いんじゃない?と思って行かないのは、完全な機会損失です。
イランに行く前に読みたい本
●『イランの家めし、いただきます』
女ひとり20日間、イランの家庭を泊まり歩いた“出会い”と“食”の旅行記。イラン人のリアルな暮らしぶりを知ることができます。
●『例えばイランという国―8人のイランの人々との出会い 』
テヘラン、イスファハン、ヤズドなどイランの代表的な観光地で出会ったイラン人とのふれあいを書いた旅行記。イラン人のひととなり、文化や日常生活を知る格好の書。
●『イラン人は面白すぎる!』
イラン人の芸人によるイランの生活、宗教、政治などの紹介。わかりやすく、かつクスと笑えるツボが満載。