2021-10-01

『イスラム流 幸せな生き方』(光文社)

イスラム流幸せな生き方 カバー

『イスラム流 幸せな生き方』
【出版社】光文社
【定価】 本体1500円+税
【初版年月】 2018年5月17日
【ISBN】 4334950248

内容

「イスラム」と聞くと、「テロ」「暴力的」「お酒が飲めない禁欲的な宗教」などとイメージしませんか?

イスラムでは女性は宝物とされ、貧者救済が最優先され、夫婦の性を奨励する俗っぽい面もあります。

20年以上イスラム世界の家庭を泊まり歩き、その体験をもとに書いたのがこの本です。

長年通ってきたのはイスラムの人々の温かさに魅せられたからです。

長く現地の暮らしを見ている私の目には、向こうの人々の方が日本人より幸福に見えることもあります。

イスラム教徒は世界で増え続けており、2050年には世界の3人に1人がイスラム教徒になると言われている。

何かそこまで人々をひきつけるのか?

イスラムはどんな宗教なのか?

それを中学生でもわかるように、やさしく書きました。

イスラム圏で自殺が少ない理由、

いつも黒い服を着てスカーフをかぶっている女性たちが、実は日本人女性以上に幸福度が高いこと、

一夫多妻は不倫よりも女性にメリットがあること、

男女隔離で結婚率が高まること、

結婚前の男女交際が自由でないからこそ幸せな結婚生活が送れる・妊娠率が高まること

‥‥暮らさなければわからないイスラムの本当の姿。

イスラム流幸せな生き方

 

【目次】

第1章 イスラムの人の頭の中

1ー1 みんな来世を信じている

ダイエット本よりコーランを読みたい人々
「美酒」と「処女」・官能の天国
怖いのは警察より神
人間は弱いもの

1ー2 イスラムは「生きるルールブック」

生活の中心がイスラム
神の言葉コーラン
ムスリムが日々行うこと
第2の聖典「ハディース」
法律よりイスラムが上
国や民族を超えるつながり

第2章 イスラムは厳しくない

2ー1 宗教に苦行はない

悪い行いは良い行いで挽回
義務には様々な「抜け道」が
礼拝は最良のエクササイズ
ルールがあるから生きるのが楽になる

2ー2 禁欲とは正反対の宗教

豚肉がなくても困らない
金儲けは善
夫婦はセックスするほど天国に近くなる
夫は妻を悦ばせる義務がある
初夜のベッドを花で飾る
節度と快楽の関係

2ー3 ラマダンはお祭

コーランが下された神聖な月
断食するのに太るわけ
キスや愛撫なら許される
ラマダン中の旅行はひかえた方が良い?

2ー4聖者信仰

神に「お願いごと」をしてはいけない?
欲望うずまく聖者廟
モスクと聖者廟の違い

第3章 弱い者へのいたわり

3ー1 貧しい人に施しせよ

ある日の衝撃
貧しい人への徹底したやさしさ
主婦も物乞い?
「助けてくれ」と言える社会

3ー2 女性は宝石

イスラムはレディーファースト
生活費は夫の負担
男は家にお金を入れるだけ
美しさは大切な人にだけ見せる
「見られる女」から「見る女」へ
一夫多妻は女性の救世主?
少女は自転車に乗れない?

3ー3 男女隔離は弱い男を守るため

なぜカフェには男ばかりなのか?
男は女の性的魅力に弱い生き物
銭湯なんて信じられない!
男女隔離で女性が活躍

3ー4 旅人を助けよ

常識はずれの親切の数々
イスラムでは旅人も「弱き者」
他人との垣根が低い
大皿ドーンを囲むシェアの精神
外国人女性は「姫」になれる
ムスリムが持つやさしさ

第4章 家族のきずな

4ー1 結婚は人生の半分

結婚イコールセックス
対になることの安らぎと温もり

4ー2 愛が先か結婚が先か?

これを逃すと後がない
男の処女願望は永遠か?
「処女」と「童貞」で困らない?

4ー3 結婚は契約

契約書に「週◯回肉を買って帰る」
女性は誰もがプチ・プロダンサー

4ー4 親子のつながり

母親の足元に天国がある
家族が喜びの源泉

第5章 イスラムと日本

5-1 私とイスラムとの出会い

大学を休学し、インドネシア放浪へ
一人なの?よかったら家においで
「会社やめちゃいなよ」の一言
お金に困ったら、いつでも連絡くれ
世界一周旅行を中断、エジプトに暮らす
暮らしの中心に宗教が
女一人で砂漠に暮らす遊牧民サイーダ
「神」と「祈り」を中心に回る暮らし
あの子の死は神様が決めた

5-2 イスラム世界から日本を見る

なぜイスラム圏は自殺が少ないのか?
イスラムは男女差別、日本は男女平等?
女性がかかえる生きづらさ
なぜ結婚しない人が増えたのか?
人が人らしく生きるために

イスラム流幸せな生き方

 

【はじめに】

かれこれ20年以上イスラム圏の家々を泊まり歩いてきた。
それが、写真家・旅作家である私の仕事だ。
2003年から一人で砂漠で遊牧生活を送る女性と暮らし、『女ノマド、一人砂漠生きる』を書いた。過去に2度エジプトに暮らし、年3回はイスラム圏へ足をのばす。その体験を書いたのが旅エッセイ『女ひとり、イスラム旅』。またエジプトの少年家族と暮らし、写真絵本「エジプトアフマド毎日がもりだくさん」も上梓した。

「一緒に暮らせば、深く知ることができる」というのは表向きの理由で、純粋に興味があるからだ。どんな家に住んでいるのか、何を食べているのか、どんな部屋に寝ているのか‥‥純粋に興味があるからだ。
‥‥と、こういう話をすると、十中八、九こう聞かれる。
「どうやって現地の人と知り合うのか?」、「事前にアポをとって行くのか?」
たいていは現地で偶然知り合って、だ。
「危なくないんですか?」と驚かれるが、ムスリムの人々は、部外者を温かく迎え入れる心優しい人たちばかり。その包み込むような温かさが恋しくなり、ついついまた通ってしまう。
インドで荷物を盗まれ、イタリアでスリにあい、アメリカで真夜中に迷子になり‥‥かなり危なっかしい私だが、イスラム圏では一度も危険な目にあったことがない。

気の毒なのは、こんな相手と結婚してしまった夫である。
「奥さん、何やってるの?」と聞かれて、「時どき中東とか行って、写真‥」と言い出すと、相手からはすぐさま「えっ!戦場カメラマンですか?」という反応がかえってくる。
「大丈夫ですか?」
「拉致されたりしないですよね」
と心配してくれる人もいるが、中には
「捕まっても自己責任ですよね」
と怖い顔でにらみつける人もいるらしい。

むりもない。テレビや新聞などは戦争やテロのニュースばかり。ふだんの暮らしはほとんど報道されない。
特に最近は過激派組織「イスラム国」(IS)によるテロが世界各地で起き、日本人が人質となっている。「イスラーム=拉致」となるのは、しかたがないことかもしれない。
テレビに映るのはきまって黒い布で顔を隠した女性、ヒゲ面で鉄砲を手にした男たち。時にはカアバ神殿の周りを何万人もの人がグルグル回っているシーンを見せられ、神殿の中が空っぽと聞かされたりすると、「まったくイスラムはわけがわからナイ」となるやもしれぬ。
そんなイスラムのイメージは「テロばかりしている暴力的な宗教」「女の人が黒い布で顔を隠し、家から出ない」「お酒が飲めない厳しい宗教」‥‥といったところではなかろうか?

実際にはイスラムは女性を大切にし、貧しい人、お年寄りなど弱者にとてもやさしい。「旅人を助けよ」というコーランの教えもある。性欲、金銭欲、物欲、食欲‥‥人間のあらゆる欲望に寛大だ。
これまで100家族以上と暮らし、ムスリムとして生きる人たちの暮らしぶりを間近に見てきて、そう実感している。

2050年には世界の3人に1人がムスリムになると予想されている。
どうして、そんなに増えているのか?
「テロばかりしている暴力的な宗教」なら、これほど信者が増え続けるわけがない。

このさいだから、ちょっとイスラムのことを知っておきたい。
そんな人のために、本を書くことにした。
イスラムはどんな宗教なのか? をとことんわかりやすく書いた本だ。現地での体験を含めながら、肩のこらない入門書をめざした。

ビール片手に一杯やりながら、「そういえば、イスラムって酒がダメなんだよな。何が楽しくて生きてるんだろう?」なんて思いながら読んでいただけたら、これ以上嬉しいことはありません。

<メディア掲載>

イスラム流幸せな行き方 信濃毎日新聞紹介記事

「信濃毎日新聞」(9月29日)

 

『イスラム流 幸せな生き方』
【出版社】光文社
【定価】 本体1500円+税
【初版年月】 2018年5月17日
【ISBN】 4334950248

 

 

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