イスラム社会では結婚前の男女付き合いはご法度。男女が合うのは結婚が前提です。
男女の交わりは夫婦だけに限定されています。
日本のように「付き合っても結婚するかわからない」というのは、イスラム教徒の人々にとっては理解しがたいことです。
女性は外出時に肌を見せません。
だから「イスラムは禁欲的」と思われているかもしれません。
果たしてそうでしょうか?
各種の予測によれば、イスラム人口は増え続けていて、2050年には世界の3人に1人はイスラム教徒になるそうです。
禁欲ばかりで、子どもがどんどん増えるでしょうか?
目次
イスラムは性に寛容
「結婚したら大いにセックスを楽しめ」。
これがイスラムの教えです。
夫婦間のセックスは人生最大の喜び。信仰の一部とまでされています。
実はイスラムは「禁欲とは正反対」なのです。
「禁欲を尊んだ初期キリスト教の父祖たちとちがって、(預言者)ムハンマドはセックスが人生最大の喜びのひとつで、結婚は男女を不審心な交から守ってくれると考えた。
そこで、彼は信者に結婚をすすめた。
彼はこう宣言した。そこで、イスラム社会では、禁欲はないことになった。」(「愛はなぜ終わるのか」)
子作り目的でなく、性欲を満たすためのセックスも肯定されています。
「自己の配偶者との交わりもサダカ(善行)である。
教友達は「アッラーのみ使いよ、誰かがただ性欲を満たすために行っても報酬はあるのですか」といった。
み使いは「もしそれが不法に行われたとすれば、その者は(精神的な)重荷を負った、とは考えないのか。
同様に、もしそれが正当に行われたとすれば彼には当然報酬がある」と申された。」
(「サヒーフ ムスリム」133~134ページ。(「サヒーフムスリム」とは、イスラム教の預言者ムハンマドの言行録の一つで、信者の行動の手本になるもの。)
宗教が「性」について扱う。日本人にはなじみのない考え方ですが、これがイスラムの最大の特徴です。
女性の性欲を認める
イスラムでは女性にも性欲があることを認め、それを満たすことを奨励しています。
「預言者ムハンマドの時代、ある男性イスラム教徒は昼も夜も礼拝や断食などに明け暮れていて、妻をほったらかしにしていました。
妻から不平を聞いた預言者ムハンマドは男性に「あなたは妻の相手をする義務がある」と述べました」
(「イスラム世界の人生相談」)
女性の性欲について、あってないフリする日本とはだいぶ違います。
「キリスト教も、明治以降の日本も、女性が快楽を得ることに対して抑圧的な態度をとったことを思うと、イスラムの性観念のほうが、はるかに男女の平等性を担保していることになる。」
(「イスラム-癒やしの知恵」165ページ)
セクシー下着は必須アイテム
イスラム圏の町中では、セクシー下着ショップをよく見かけます。
まるで、ポルノショップ!
ピンクのシースルーのベビードール、フリルレースの真っ赤なパンティなどを身につけたマネキンが、ショーウィンドーに平然と陳列されている。
日本人なら正視するのがはばかられるようなものが、堂々と売られている。
向こうでは全く普通なことなのです。
この下着は主に結婚した女性のもの。
夫婦のセックスは神がすすめるところ。
その夫婦の夜を盛り上げるのに欠かせないのがセクシー下着。
だから宗教的には全くノープロブレム。むしろ大いに奨励されるべきものなのです。
初夜のベッドに花
以上見てきたように、イスラムでは、性について「恥ずかしい」とか「汚らわしい」といった考えはありません。
日本は婚前交渉は自由、性風俗産業が盛ん。
日本は、一見「性にオープン」ですが、その一方で「性=汚らわしいもの」というネガティブな考えがあるのも事実。
イスラム圏にはこういう感覚はなく、(夫婦の)性は素敵な素晴らしいもの、という認識があります。
アラブの結婚式の初夜では、新郎新婦のベッドを花やキャンデーでかざり立てます。
インドネシアやマレーシアなどアジアのイスラム圏でも、同じように寝室を「おひろめ」するそうです。
「2人の夜を楽しんでね」という周囲の温かなまなざしが感じられます。
日本だったら、ちょっと恥ずかしくて、こんなことできませんね。
寝室自慢
「お披露目」は結婚式の時だけではありません。
ふだんでもイスラム圏の家にお呼ばれすると、美しく飾り立てられた寝室を自慢げに見せられます。
ベッドが花柄のベッドカバーで美しく飾り立てられていたり。
ベッドの上に人形がいくつも置かれていたり。。。
日本では他人に自分の寝室を見せるなんて、考えられません。
そして、それを他人に見せることに躊躇はありません。
なぜなら寝室は家の中でも一段と「力」が入っている場所だからです。
★イスラムの「性」や「結婚」について『イスラム流幸せな生き方』で詳しく紹介しました。ぜひお手にとっていただけると嬉しいです。
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