服装は品格が9割。女性が髪を隠すのは女性差別?イスラム男女の服装ルールをわかりやすく解説します。

イスラム女性の服装ルール

エジプトのカイロで仲良く歩くカップル。イスラム女性というと真っ黒な服装をイメージしがちだが、黒以外の服装の女性の方が実際には多い。

イスラム女性はヒジャブやニカブなどの布で髪やボディラインを隠しています。

その理由について「女性は宝石 イスラム教の女性が肌や髪を隠す理由」に書きました。

それを読んだ方から「女性だけが不便を強いられるのはおかしい」とコメントをいただきました。

イスラム教の女性は、美しい部分を隠すこと、ボディラインを強調しないのが、宗教上の服装ルールです。

理由は主に男性に不必要な性的刺激を与えないためです。

これが痴漢やセクハラなど性犯罪のリスクを下げることにもつながります。

それについてのご意見です。

「ニカブ等の着用は女性差別の象徴だと考えていた私には盲点な内容でした。

なるほど、自分自身を守り内面を磨くという意志の表れでもあるのですね。素晴らしいと感じました。(途中略)

ただ、男は本能を抑えられない野蛮な生き物であるという前提の元で話が進んでおりますが、ならばなぜ女性側が不便を強いられなければならないのでしょう。

それなら痴漢やセクハラをした男を死刑に処すなり厳罰化したり、外科的処置を施し性欲を無くさせるべきではないでしょうか?

やはりこの記事を読んだあとでもイスラム教は差別的な忌むべきカルトだと言わざるをえません。」

これらの疑問にお答えします。

この記事を書いている私は、イスラム入門書である『イスラム流幸せな生き方』など多数の本を出版しています。

女性が髪を隠すことで、女性だけが不便を強いられているのか?

それよりもセクハラや痴漢の男性を厳罰化すべきではないのか?

そんな疑問について、わかりやすく解説します。

女性だけが不便を強いられているのか?

イスラム教男性の服装ルール

サウジアラビアの男性は日常的にトーブという白いワンピースを着用している。

イスラム教というと女性の服装ばかりが話題にのぼりますが、男性にも服装規定があります。

「おへそから膝まで隠す」です。

男女で隠すべき部分が違いますが、これは身体の構造が違うからです。

 

水着ゾーンで考えてみると分かりやすいと思います。

女性だけが髪を隠すのは男女差別?

(出典:とにかく明るい性教育

水着ゾーンは「他人に見せても触らせてもいけない、自分だけの大切な場所」。セクシャルな部分です。

このように男女で違います。なぜなら体の構造が違うからです。

これを見て「女子だけが胸を隠すのは女性差別だ!」とはならないでしょう。

イスラム女性の場合、肌や髪も隠します。これらがセクシャルゾーンとされるからです。これは日本との宗教的・文化的違いです。

たしかに髪や肌を隠さない日本人から見れば「やらされている感」があります。

しかし本人にとっては生まれてからの習慣ともいえる自然なことで、「不自由」という感覚はありません。

 

また中東やアラブは慎みや羞恥心を尊ぶ文化です。

男性が隠さなければいけないのは「へそから膝まで」と書きましたが、実際には多くの男性は日常的に肌を隠しています。

肌を見せるのは、男性であってもあまり好ましくない行為なのです。

公衆浴場では、同性同士であっても陰部は見せません。下着をつけて入ります。

ですから半ズボンで町を歩いている男性は、日本よりずっと少ないです。

アラブ男性の民族衣装は、長袖でくるぶしまでのロングのワンピースです。それが社会的にも良識ある服装なのです。

 

これは高級ホテルやレストランのドレスコードを例にとればわかりやすいですね。

そういった場所に短パンやタンクトップで入る人はまずいません。

それと同じでことです。

男女とも「きちんと感」が大事なのです。

 

また気候の関係もあります。中東の日差しは強烈です。

肌を見せない服装は、厳しい自然から肌を守る意味もあるのです。

 

つまり隠す部位で男女の違いはあれど、基本的に男女とも肌の露出は好ましいとされていません。

だから女性だけが不便を強いられている、というわけでもないのです。

現地の状況やイスラム教になじみがない方は、女性が髪を隠している事実だけを見て、つい「女性差別」「女性が不自由を強いられている」と発想しがちなのですが、そうでもないことは「女性は宝石‥」で書いたとおりです。

 

「それはわかるけど、でもおしゃれできなくてかわいそう」

「時にはミニスカートを履いて町を歩いたり、ボディコンシャスな服を楽しみたいと思わないのかしら?」

‥と思われますよね。

これはイスラム女性とて同じです。

おしゃれは大好きです。が、それを楽しむのは夫の前だけです。

(何度も書きますが)美しさは自分を大切にしてくれる人だけに見せるのです。

なぜなら女性の美しさは尊いものだからです。(←「女性は宝石 イスラム教の女性が肌や髪を隠す理由」)

自分の美肌やボディラインを不特定多数の男性に見せて楽しむ、という発想はありません。

それはみっともない、はしたない、女性としての品格を落とす行為です。

これは文化の違いといえばそれまでですが、この「女性としての品格」は日本にも共通する部分があるのではないでしょうか。

たとえば女性が初めて結婚相手の男性の両親に挨拶に伺う時を想像してみてください。

タンクトップにミニスカートという格好で行きますか?

少なくとも膝下丈で、派手すぎない色のワンピースという格好を選ぶのではないでしょうか。

イスラム女性の服装を同列に語ることはできませんが、根底にある「品格や慎みを重んじる」「相手をリスペクトする」発想は同じです。

男は野蛮な生き物?

イスラム教男性

という表現は使っていませんが、「男性は女性の性的魅力に弱い生き物」と書くと、「野蛮」と受け取る方もいるかもしれませんね。

男女の性衝動の違いについては、私は専門家でないので確かなことは言えませんが、やはり男性は攻める性だと思います。

「若い時は、とにかくやりたいだけだった」という男性の意見は、よく聞きます。

私の夫も、中学生の時はデパートのチラシにのっている女性パジャマの写真を見るだけで興奮したそうです。

女子が男性パジャマの写真を見て興奮することは、まずないでしょう。

ですから男性の方がより異性の肉体的魅力にひかれやすい、という点はあると思います。

もちろん女性が筋肉隆々な男性の肉体にときめく、ということも時にはあるでしょう。

しかしその衝動が抑えきれずに、満員電車の中で男性に触れたり、というのはありえません。

痴漢もレイプも被害者は女性です。

そこから考えれば、「攻めるのは男→女」は自然の摂理といって間違いはないと思います。

日本の場合、こういうことを語ると男女差別と言われかねない雰囲気がありますが、

男女の違いを受け入れることが、男女ともに居心地良い社会をつくる上で、すべての出発点になると思います。

そういう意味では、女性が節度ある服装をすることは、嫌な思いをしない1つの手段ではあります。

性犯罪を犯した男性に厳罰を処すべき?

イスラム教の男性女性の服装ルール

エジプトのカイロタワーでデートを楽しむカップル。女性の服装やヒジャブは黒だけではない。写真のように明るい色を好む女性は多い。

それも確かに一理あります。

ただ、こういうケースはどうでしょうか?

仮にレイプにあって処女を失った女性がいるとします。

相手の男性を罰するのは必要ですが、罰したところで一度失った処女は返ってきません。

処女を失うまでではなくとも、性的被害を受けた女性は、たとえ相手が罰せられたところで、心の傷は残ります。

だからそのような事態が起こる前に、その原因につながるものを極力排除してしまおうというのがイスラムの発想なのです。

そのためイスラム圏では肉親以外の男女が接触しないよう、男女隔離が社会ルールです。

乗り物や学校、結婚式も男女が分けられています。不特定多数の男女の接触をなるべく避けるためです。

こういうのは、私たちには一見奇異で、かつ不自由に映ります。

婚外交渉は厳しく禁じられていますから、性欲を満たすのは、基本夫婦だけです。

これも不倫も婚前交渉もOKな日本人から見れば不自由です。

しかしそのぶんパートナーに目が向くようになり、変な誘惑に惑わされない分、平穏な家庭生活が送れるとも言えます。

 

イスラム女性の服装について興味がある方の参考になったら嬉しいです。