日本の未婚化・晩婚化の原因をイスラム社会と対比して考えてみる。

イスラムの結婚式

バングラデシュの結婚式で、中央の新婦を囲むファミリー。

晩婚化・結婚難などと称されて久しい日本。

これはなにも日本だけではなく、エジプトやサウジアラビアなどアラブ圏でも結婚できない男女は増えています。

しかしそれでも、日本ほど「結婚できない悩み」は深刻ではありません。

それには様々な要因があります。

宗教、社会習慣、人間関係‥‥。

日本で結婚しない・できない人が増えている要因を、イスラム社会との対比で考えてみます。

 

結婚への強制力のある・なし

イスラム圏の状況は、ひと昔前の日本のようなものでしょう。
「いい歳になったら結婚すべし」というプレッシャーが、かつての日本にもありました。

ただ日本の場合、この強制力は主に社会習慣から生じるものでしたが、イスラムの場合、宗教で結婚を勧めている点が違います。

そして強制力という意味では、後者の方がはるかに強い。神の命令だからです。

聖典コーランに「結婚すべき」と明記されています。

『おまえたちのうちの独身者、またおまえたちの男女奴隷のうち善良な者は結婚させよ』(24章32節)

命令にそむくと、死後の天国行きが遠のいてしまいますから、強制力は非常に強い。

結婚は信仰の半分」というハディース(預言者ムハンマドの言行録)もあります。

つまり結婚は半ばイスラム教徒の義務なのです。

しかも、なるべく早い結婚が良いとされているため、そこそこの年齢に達した男女は、なるべく早く結婚したがります。

いい年して独身でいる人は、単にお金がないからです。

ほのぼのとした結婚観 vs「人生の墓場」

男女が体を温め合い、安らぎと愛情をあたえあう。これがコーランに書かれた結婚観です。

『お前たちのために、お前たちの体の一部から妻を創り出し、安んじて馴染める相手となし、二人の間には愛と情を置き給うたとは。
考えぶかい人間なら、これこそ有難い神兆よとさとるであろう』(30章21節)

もちろん、愛と情にあふれた夫婦ばかりではないでしょう。

しかし社会全体に「結婚は良いもの」という考え方が満ちあふれている。

日本では「結婚は墓場」などと言われたりしますが、こういう言葉は考えつきもしません。

おせっかいな人がいる・いない

宗教で結婚を奨励しているため、独身者を見ると周囲がほっておきません。

独身時代、私はエジプトの遊牧民のもとへ足繁く通っていました。

その頃、周囲の遊牧民たちは「なぜ結婚しないのか」と、まあうるさかったこと。

頼みもしないのに、独身のエジプト人男性を紹介してくれたり、ということもありました。

外国人に対してですらこうですから、現地人同士ならなおさら。

だから黙っていても結婚できてしまう、ということもあります。

独身者にやさしい・やさしくない

こういうわけで、イスラム圏では結婚前提に社会が成り立っています。

独身者は非常に肩身が狭い。日本のように「独身を謳歌する」などという考え方はありません。

独身者用のアパートなども非常に限られています。便利な惣菜屋もありません。

サンドイッチ屋などはあるものの、毎日3食サンドイッチばかり食べているわけにはいきません。

日本は独身者には便利な社会です。

コンビニもスーパーのお弁当やお惣菜も充実しているし、安く家庭の味が楽しめます。

性欲さえも、手軽に満たせてしまいます。だとしたら、結婚する意味はあるでしょうか?

出会いが多いゆえの結婚難 

イスラム社会では自由恋愛が禁止されていますし、学校なども男女別。出会いは限られています。

それが逆に結婚へのドライブになっているという点も見逃せません。

ふだん異性と接するチャンスがかぎれていることもあり、たまたま知り合って良い感じになると、一気にポーっとなってしまいます。

「この人と結婚しないと、もう相手が現れないかもしれない」

そして一気に結婚へと進むのです。

周りに異性があふれている状態では、そうはなりにくい。

「他にもっと良い相手がいるかも」

「今結婚しなくったって、いつでも相手が現れる」

などと、だれもが根拠なく思っている。(かつての私もそう)。

このために逆に結婚が遠のいてしまいます。

選択肢が多いということは、一見自由なようでいて実は不幸なことかもしれません。

結婚せずにセックスできる・できない

日本は性風俗店も充実していますから、お金さえ払えば性欲も満たすことができる。

イスラム社会ではなかなかこうはいきません。

婚外性交渉を厳しく禁じていますから、男性はやりたければ結婚するしかない。 

結婚して晴れて自由にセックスできるとなれば、もう夢のよう。

もちろん結婚に際して男性の経済的負担が重いのは、日本と同じかそれ以上です。

男性は結婚に際して家を用意しなければならないし、結婚式の費用も基本すべて男性持ち。

結婚後の生活費もすべて男性の負担です。

それでも「結婚したくない」と考える男はめったにいません。

結婚まで「できない」からです。

日本のように結婚前に何でもやりたい放題だと、結婚へのありがたみ、あこがれは遠ざかり、ついには「墓場」みたいに言われてしまったりする。

日本の晩婚化は、日本が豊か&便利&自由になった結果かもしれません。

だからといって過去には戻れませんが。

さいごに

なんだか暗い結末になってしまいましたが、結婚は良いものですよ。

少しでもその気がある方は、ぜひがんばって婚活してください。

結婚を考えている人のご参考になれば幸いです。

 

【関連記事】

イスラムの幸せな「性」「結婚」から日本人が学べること

【永久保存版】イスラムの結婚ルールとは?

 

 

★イスラムの結婚については、こちらの本に詳しく書かれています。ぜひご参考ください。

イスラム流幸せな生き方』
なぜ世界でイスラム教徒が増え続けているのか?その魅力を中学生でもわかるように易しく書いた本。この一冊でイスラムのイメージが変わります。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA