【まとめ】イスラム女性と幸せー真に「女性にやさしい」イスラムから私たちが学べること。

「イスラムは女性差別の宗教」。そう思っている方は多いのはないでしょういか。

これまで20年以上イスラム圏を取材したきた経験から言えることは、イスラムは「女性差別」ではなく「女性優遇」の制度だということです。

もちろん地域によっては女子が学校に行くのが困難だったり、かつてのサウジアラビアのように女性が車を運転できない国もあります。

しかしそれは地域の習慣などによるものであり、「イスラムに起因するもの」ではありません。
この辺りが日本ではとても誤解されています。

彼女たちを見ていると、むしろ日本の女性より幸福なのでは?と思います。

女性をいたわるのが社会のルール

イスラムでは「女性は守るべきもの」と考えられており、そのため実はイスラム社会はレディーファーストが徹底しています

行列は女性優先。駅や映画館の切符売り場で長い行列ができていても、女性は男性の前にずんずん割り込めます。

男性たちは絶対に文句を言いません。それが女性の当然の権利だから。

これは外国人でも同じ。旅先では私もこの恩恵にあずかっています。

女性の中には、列の先頭の方に並んでいる男性に横からお金を渡し、切符を買ってもらう人もいます。もちろん2人は赤の他人です。

現地男性はそういうのに慣れていますので、突然見知らぬ女性にお金を渡されても、彼女が欲していることがわかります。

パキスタンなどでは、バスのチケット売り場に「LADIES」の窓口があります。女性専用の窓口。女性はそこに並んでも良いし、男女共通の窓口でも買うことができます。

対して男性専用の窓口はありません。

バスや電車の中では、男性はほぼ例外なく女性に席を譲ります。だからイスラム圏を旅行していると、何かと「楽だな」と思うことは多いです。

「女性は宝石」

でもイスラム女性はヒジャーブ(スカーフ)で髪を隠さなければならない。それって抑圧ではないの?

多くの人がそう思うのではないでしょうか?

なぜスカーフをかぶるのか?

向こうでは髪は美の象徴。美しい部分は大切な人にだけ見せるものであり、見ず知らずの男性に気安く見せるものではないからです。

(参考:「女性は宝石。イスラム女性が髪や肌を隠す「本当の」理由_

イスラム教徒の女性たちはこう思ります。

「紙で包んであるアメとそうでないアメがあったら、人はどっちを食べる? 包んである方でしょう。むき出しのアメはハエがたかっているかもしれない。スカーフもそれと同じ。女性の髪が美しい・高貴なものだから包む。包むからますます価値が上がり、尊ばれることになるのよ」

女性は美しいものだという「自己肯定感」、そして「その美しさは自分を本当に愛し、大切にしてくれる人にだけ見せるという気高さ」が根底にあります。

つまり「自分を安売りしない」ということ。

自分の美しさは見ず知らずの異性に気安く見せるものではない。大切な人ときちんと夫婦として結ばれてからにする

「いつでもどうぞ」ではありません。

そういう考えだから、今でも「結婚まで処女」というイスラム女性が今も大半なのです。

結婚する時離婚の慰謝料を決めておく

女性保護がイスラムの基本なので、結婚において女性は優遇されています。
(参考:「イスラムは「女性蔑視」?実は男にこそ厳しい社会」)

家計は男の役目」とはっきりコーランに明記してあります。

さらに離婚した場合に男性が女性に払う慰謝料も、あらかじめ結婚前に決めておくのです。

これは離婚後に女性が生活に困らないようにするため。

日本では離婚した女性がほとんど慰謝料をもらえないといいます。

また働く女性の場合、家計を夫と折半という方も多いでしょう。さらに家事や育児も負担している女性も少なくないはずです。

夫は妻を悦ばせるべき

そしていざ夫婦となったら、愛する相手に思う存分喜んでもらいたい。女性たちはそう思っています。

エジプトの新婚夫婦を結婚式直後に訪問した時のこと。なんと新婦が赤いスリップ姿で私を出迎えたのです。

『驚きの表情を隠せない私の様子を見て取ったのか、彼女は涼しい顔をしていった。
「エジプトの女性は、家ではいつもこういう格好で過ごすのよ」
 そう言って妖艶な笑みをうかべる。
「ここは私の家よ。夫と二人だけ。他に誰が見ているって言うの?」
 深紅のスリップは、彼女のムハンマドさんへのウェイディングサプライズだった。エジプトでは、初夜に新婦がきまってサプライズを用意するという。彼女達には、新婚初夜に強い思い入れがあるのだ。
 ここでは、結婚前に性的関係を持つことはタブー。処女で嫁ぐエジプトの女性たちにとって、結婚式の夜は人生で初めて男性とベッドをともにする日。だからロマンチックで思い出残るものにしたい、と強く願うらしい。
 彼女が音楽をかけてベリーダンスを踊り、ご主人がたった一人の観客になる。こんな初夜の過ごし方は、しばしば耳にする。
 そして多くの女性は、ご主人のためにウェディングサプライズを用意する。ライラさんの場合、それが初夜の翌朝に着替えた深紅のスリップだった。
「初夜があけて、彼女を見たら、ビックリしたよ。真っ赤なスリップに着替えてるんだ!」
 ムハンマドさんは、すっかり鼻の下を伸ばしている。』

(『女ひとり、イスラム旅』)

「ベッドの中で、男性は自分だけが楽しむのではなく、妻も悦ばさねばならない」とイスラムでは勧めています。

 『彼が欲求を満たしたら、彼女の欲求が満たされるまで彼女を待っていなさい。彼女が遅れたら、彼女の欲望を掻き立てなさい。彼女を放っておくのは悪である。二人が一致ず、夫が先に達してしまうと、お互いが嫌になる。一致することが彼女の喜びである。男性は彼女ではなく、自分に関わっていなさい。彼女は恥ずかしいからである』
 イスラム史上、最も偉大な思想家とされる「ガザーリー」(1058~1111年)は、こう述べている。

イスラム流幸せな生き方』

イスラムでは婚外交渉禁止ですから、「妻に満足しないから外に相手を見つけよう」などと思っても、日本のように簡単にはいきません。

また外では肌や髪を隠した女性ばかり。

公共の場でも男女隔離が基本ですから、簡単には異性と接触できない。

夫にとって、妻が唯一の女性。妻にとっては夫が唯一の男性。

夫婦としかセックスできないからこそ、相手を悦ばせようとします。

イスラムでは夫婦の性は奨励されています。街中で下着ショップを前に仲良く見入っている中年夫婦などもよく見かけます。

下着ショップのショーウィンドーを見入るエジプトの夫婦

「日本よりよっぽど洗練されてるわ」。これを見た私の知人女性は言いました。

日本ではフリーセックスのわりに、性のことを口に出すのは後ろめたさを感じる社会です。

女性には性欲がないかのようにor性欲を口に出すのは「はしたない」みたいに思われている。

その点イスラムの方がよっぽど人間的で健康的ではないでしょうか。

そして女性は女性として大切にされ、「女性性」を存分に楽しんでいると私は思います。

 

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