サウジアラビア女性は車が運転できないことをどう思っているのか?

サウジアラビアでは女性の車の運転が禁止されています(2018年6月に解禁)。

これに対して「女性差別だ」と、欧米や日本で「鬼の首をとったように」批判されます。

差別と言われれば差別です。運転したいと思っているサウジ女性にとっては、はなはだ不自由なことは確か。

良いか悪いかと聞かれれば「良くない」ことに違いありません。

当のサウジ女性たちはどう思っている?

一方で、不自由と思っていない女性もいるのも事実です。夫やお父さんが運転してくれたり、おかかえ運転手がいたりして移動には困らない方々もたくさんいます。

自分で運転するよりドライバーが運転してくれるほうが楽じゃない」という意見もある。

サウジアラビア女性

自宅でボクシングジムを開いているサウジアラビア女性(「ナショナルジオグラフィック日本版(2016年2月号)

ナショナルジオグラフィック日本版(2016年2月号)で、サウジアラビアの女性をとりあげています。

女性ジャーナリストが、友人のサウジ女性の夫の車に乗っていた時、その友人がこんなことを言いました。

「何、この渋滞!』とヌーフは言った。「あ、ごめんなさい。私がイライラすることなんてないのにね。私は助手席に座って携帯電話でおしゃべりしているばいいし、駐車場だって探さなくていいんだから

 

車の運転はできないものの、女性の一人歩きはごく普通に行われているようです。

サウジ在住の友人によれば、女性たちはモールで買い物したり、外を一人で自由に歩いたりしているそう。

女性だけのショッピングモールがあったりもする。

イスラムの女性隔離は不便か?

サウジ以外のイスラム圏の国々では、女性が車を運転することは禁止されていませんが、男女隔離は日本より徹底されています。

レストランや乗り物は、男女のスペースが分けられています。

アラブの国の中で最も西洋化が進んでいるとされるチュニジアでも、庶民的な町中のカフェには女性は入れません。

(誤解されがちなことですが、これはイスラムから起因するのではなく習慣です。)

カフェの前を通るのも嫌がる女性もいます。男性からジロジロ見られるからです。

では現地の女性たちは、カフェに入れないことを不便と思っているのでしょうか?

他に楽しいことがたくさんあるから、たいした問題ではないようです。

逆に家は女性の場。近所の奥さんが井戸端会議にやってくるから、ご主人は居心地が悪くてカフェに逃げる、そういう現実もあるようです。

イランでは、バスや電車では男女別々ですが、「痴漢に遭うことが減って助かる」という女性もいます。

幸・不幸の決定権は自分

結局、幸・不幸は、その人の主観です。

他人から見て不幸そうに思えても、本人がそう感じていなければ、「不幸」ではありません。

私は砂漠で暮らす遊牧民女性の取材をしています。彼女は毎日パンと紅茶だけの食事で、はたから見ればさぞかしつらそうです。

が、彼女は砂漠を自由に歩き回る暮らしに幸福を感じています。町に住みたいとは決して思っていません。

 

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他国の習慣や他人の暮らしについて「良くない」「不幸だ」と批判するのは簡単です。

当の本人がどう思っているかという想像力が大事なのだと思うし、これは外の人間には意外にわからないものです。

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