2019-08-30

モスクとは?*その内部にあるもの

イブン・トゥールーン・モスク

エジプト・カイロの旧市街にあるイブン・トゥールーン・モスク。モスクの尖塔(ミナレット)の上から眺めるモスク。中央は信者が礼拝前の浄めを行う水場。

モスクとは?

モスクはイスラム礼拝を行う場所で、アラビア語で「マスジド」といいます。(マスジドの意味は「ひれ伏すところ」)。礼拝中、神をあがめるため床にふれ伏す動作をするからです。

モスクは単に礼拝の場所・「入れ物」であり、神聖な場所ではありません。聖域とされるのは、メッカ、メディナ、エルサレムの3大聖地のモスクだけです。

モスクの中は基本的に何もありません。聖地メッカの方向を示す「ミフラーブ」というくぼみがあるだけです。イスラム教徒はメッカの方向に向かって礼拝する決まりがあるからです。

教会にあるような椅子や聖母マリアの像もありません。イスラムでは偶像崇拝が禁止されているからです。(*イスラムで禁止されていること

モスクの中にあるもの①「ミフラーブ」

ミフラーブとは、メッカの方向を示す、壁をくりぬいたアーチ型のくぼみです。

メッカの方向は「キブラ」と言い、その方向の壁を「キブラ壁」といいます。キブラ壁にミフラーブがあります。

信者はいかなる場所でも、キブラに向かって礼拝します

モスクの中にあるもの②「ミンバル(説教壇)」

ミンバルとは、金曜日の集団礼拝の時に「イマーム(導師)」が話をする演説台です。(金曜日の昼の礼拝はもっとも重要なものとされ、男性信者はモスクに集まって礼拝する決まりがあります)

説教の内容は、コーランの朗読やイスラムの教えなどについてです。

礼拝場所は男女別

モスクは男女で礼拝スペースが分けられています。これは礼拝中に男性が女性の姿を見て、礼拝に集中できなくなるのを防ぐためと言われています。

男性が前で、女性がカーテンに仕切られた後ろだったり、1階が男性・2階が女性だったりします。どちらも男性からは女性は見えません。

礼拝の導師「イマーム」とは?

金曜日の集団礼拝は、イマームの呼びかけに従って行います。イマームとは、集団礼拝を先導する人のことです。(イスラムについて詳しい人を意味する場合もあります。)

イマームは礼拝の先導をするだけで、聖職者ではありません。イスラムには僧侶や牧師のような聖職者はいません。神の前で、全ての人が平等だと考えられているからです。(*→イスラムは平等主義・ 聖職者がいない

礼拝時は、皆が一列に並んで礼拝しますが、これも「信者は皆平等」というイスラムの精神の表れです。

(他にウラマーと呼ばれる人もいて、これはイスラム法学者、神学者、コーラン解釈の専門家、ハディース学者などです。→ウラマーとイマーム

ミナレット(モスクの尖塔)とは?

ウマイヤドモスク(ダマスカス)

ダマスカスにあるウマイヤドモスク。夜はライトアップされる。右にある尖塔がミナレット。

礼拝の時間になると、それを知らせる呼びかけ(「アザーン」(下で説明))がモスクから流れます。アザーンを流す塔がミナレットです。呼びかける人を「ムアッジン」といいます。

かつてはムアッジンがミナレットにのぼり、肉声で礼拝の呼びかけをしていました。今はほとんどのモスクで、録音されたものを拡声器で流しています。

アザーンとは?

アザーンの文言は、アラビア語で、次のような内容です。

アッラーは偉大なり」(4回)
「私はアッラーの他に神なしと証言する」(2回)
「私はムハンマドアッラー使徒なりと証言する」(2回)
「いざや礼拝に来れ」((2回)
「いざや成功のために来たれ」(2回)
アッラーは偉大なり」(2回)
アッラーの他に神なし(1回)

モスクは憩いの場

モスクに入って驚くのは、昼寝したり、食事したりしている人がいることです。床には絨毯が敷き詰められ、人々はその上に座ってコーランを詠んだり、ナツメヤシを食べたりと思い思いに過ごしています。

イスラムでは瞑想や友人と語らうことも、人間生活における重要なこととされているからです。

モスク見学の注意

神聖な場所ではないものの、モスクは信者にとって特別な場所です。入口では必ず靴を脱いで入ります。

女性は(外国人であっても)スカーフで髪を隠さなければいけません。礼拝時間帯は見学を遠慮すべきです。(礼拝時間中は中に入れないモスクもあります)。

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