【小学生向け】イスラムとは?どんな教え?を簡単にわかりやすく解説
イスラムはどんな宗教?小学生にもわかるように説明してもらえませんか?そんな疑問にわかりやすく答えます。
宗教って何?
まずは「宗教とは何?」から簡単にご説明します。
日本人は誰もが宗教を持っているわけではありませんから、「どうして宗教を信じるの?」と疑問に思いますね。
生きていれば、つらいことがたくさんあります。そんなとき、寄りかかれる場所が宗教です。私たちも困ったときに「どうか神さま、助けてください」と無意識に思います。
大変なことがあっても、「いつも神さまが見ていてくれるから、良い行いをしていれば、そのうち楽しいことがある」と信じれば、つらいことにも耐えられます。
大好きだったおばあちゃんが亡くなりました。「今ごろ、きっと天国で好きなお団子食べてるよ」。そう思えるのが宗教です。
中には「宗教なんていらない」という強い人もいます。でも強い人ばかりではない。むしろ弱い人の方が大多数ではないないでしょうか。
強い人も、時どき弱くなることがあります。そんな人のために宗教があると考えてみたらわかりやすいと思います。
イスラムとは?
「イスラム」とは、アラビア語で「神にすべてをゆだねる」という意味です。
イスラム教の神さまは、この世界をつくり、すべてを支配する「唯一で絶対的な存在」。
イスラム教徒の人々は皆、この神様を信じています。
その神様の言葉が「コーラン」とよばれる書物に書かれています。
イスラムが生まれた場所は?
イスラムは今のアラビア半島のマッカ(メッカ)という町で生まれました。7世紀にマッカに暮らしていたムハンマドという男性が、ある日神からの啓示を受けたのが始まりです。
その神の啓示は何年にもわたって下され、後に「コーラン」としてまとめられました。
ムハンマドは神の言葉を預かった人なので、「預言者」と呼ばれます。
イスラムの教えとは?
コーランは「生きるガイドブック」。してはいけないこと、しなければならないことなどが、神さまの命令としてコーランに書かれています。
「豚肉を食べてはいけない」、「1日5回礼拝をすること」などは日本でもよく知られていますね。
他にも「ラマダン月に1ヶ月間、断食をすること」、「女の人は美しい部分を隠すこと」などがあります。
命令というと、厳しそうな感じがします。でも神さまはあまり無茶なことは言いません。
その命令には「親にやさしくしろ」「人を殺すな」「貧しい人にお金をわけよ」など、日本の道徳に似たものもあります。
イスラムは良く生きるための方法を教えているのです。
そして生きているときに神さまが喜ぶことをたくさんすれば、死んだ後に天国へ行って幸せに過ごせます。
反対に悪いことをたくさんしたら、地獄に行き、ずっと苦しむことになります。
1日5回お祈りすること
1日5回サウジアラビアのメッカの方向に向かってお祈りします。
仕事中であってもお祈りの時刻がくれば、中断して行います。その時間はお店が閉まります。
イスラムの休日である金曜日には、男の人たちが近所のモスクに集まってお祈りします。
これらはコーランに書かれている神さまの命令です。
なぜ豚を食べてはいけないのか?
コーランには「豚を食べてはいけない」と書いてあります。
理由は、コーランができた当時、豚は寄生虫がつきやすいと考えられていたからでしょう。
しかし神さまが豚を禁じた本当の理由はわかりません。
それでもイスラム教徒は「食べるな」とされたので食べません。
私たちはつい「なぜ豚を禁止したのだろう?」と理由を考えてしまいます。
けれどもイスラム教徒は、「神さまがそう言うなら信じよう」と考えるのです。
ラマダン月に断食をすること
ラマダン月(イスラム暦第9月)の1ヶ月間、日中はごはんを食べません。
まだ外が真っ暗なときに家族そろってお祈りし、ごはんを食べ、あとは日が暮れるまで断食です。
そしていつもよりお祈りをたくさんします。
この断食は、老人、子供、病人、妊婦など体の弱い人はやらなくて良いことになっています。
日中食べないのは、たしかにつらいことです。
しかし夜になると状況は一転し、みんな親戚・友人宅を訪れて、にぎやかにすごします。
女の人は美しい部分をかくすこと
コーランには、「女性は美しいところを家族以外の男の人に見せないように」と書かれています。
そしてイスラム教の国々では、男の人と女の人の空間は分けられています。
「男の人と女の人はちがう」が、イスラム教の考え方。そして男の人が女の人の美しい部分を見て、気に入って近づいてきたら困ります。だから隠します。
日本の電車でも、時には痴漢をする男の人がいます。女の人が困らないよう、男女の空間を分けて、女の人はベールをかぶります。
さいごに
コーランは食べ物や生活様式、服装などを定めた生活上のルールブックです
コーランができたのは千年以上も前ですが、今も信者の人たちはそのルールを大切にしています。
世界には日本人とは違った考え方を持つ人たちがたくさんいます。
そういった人たちに出会っても、「違うからおかしい」ではなく、「こういう人たちもいるんだな」と思ってくれたらいいなと思います。
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