モスクとは?世界の美しいモスクの数々

ケロアン ・グランドモスク

チュニジアの古都ケロアンにあるグランドモスク。チュニジア内外から巡礼客が訪れる。

モスク(イスラム教の礼拝所)はどんな場所?

中には何があるのか? 

異教徒でも見学できる?

国によってモスクのデザインなどに違いがあるのか?

そんな疑問にわかりやすくお答えします。

この記事を書いている私は、これまで20年以上イスラム圏を旅し、数えきれないくらいイスラム圏各国に足を伸ばしてきました。

女ひとり、イスラム旅イランの家めし、いただきます!』など旅の本を書いています。

この記事では、モスクの詳細から世界の美しいモスクの数々まで写真入りで紹介します。

異教徒でも見学できる?

異教徒であっても見学は可能です。(モロッコはのぞく)

イスラム圏のモスク。左上から時計回りにアブダビ、エジプト、イラン、シリア。

異教徒でも見学することができます。

モスク内部のインテリアは?

オマーンのモスク

オマーン・サラーラのモスク。中にはミフラーブ(写真後方)というメッカの方向を示す壁のくぼみがあるだけ。

基本的に何もありません。メッカの方向を示す「ミフラーブ」というくぼみがあるだけです。

イスラム教徒はメッカの方向に向かって礼拝する決まりがあるからです。

教会にあるような椅子や聖母マリアの像もありません。イスラム教では偶像崇拝が禁止されているからです。

人々はモスクの中で、メッカの方向を向いて礼拝します。

ちなみにモスクはアラビア語で「マスジド」といいます。これは「ひれ伏すところ」という意味です。

礼拝中、神をあがめるために床にふれ伏す動作をするからです。

またモスクに入って驚くのは、昼寝したり、食事したりしている人がいることです。

床には絨毯が敷き詰められ、人々はその上に座ってコーランを詠んだり、ナツメヤシを食べたり、昼寝をしたりと思い思いに過ごしています。

イスラムでは瞑想や友人と語らうことなども人間生活における重要なこととされているからです。

モスクの中にあるもの①「ミフラーブ」

メッカの方向を示す、壁をくりぬいたアーチ型のくぼみです。

メッカの方向は「キブラ」と言い、その方向の壁を「キブラ壁」といいます。

つまりキブラ壁にミフラーブがあります。

モスクの中だけでなく家の中でも外でも、人々はキブラに向かって礼拝します。

イスラム圏のホテルでは、部屋の天井などにキブラの方向を示す矢印などが書いてあります。

モスクの中にあるもの②「ミンバル(説教壇)

 

モスクのミフラーブ

モスクの中で、ミフラーブのくぼみの前で礼拝する男性。ミフラーブの右手にあるのがミンバルという説教台。

金曜日の集団礼拝の時に、「イマーム(導師)」と呼ばれる人が壇上にのぼり、話をする演説台です。

(金曜日の昼の礼拝はもっとも重要なものとされ、男性信者はモスクに集まって礼拝する決まりがあります)

説教の内容は、コーランの朗読やイスラムの教えなどについてです。

礼拝の導師「イマーム」とは?

集団礼拝を先導する人のことです。またイマームはイスラムについて詳しい人を意味する場合もあります。

金曜日の集団礼拝は、イマームの呼びかけに従って行います。

イマームは礼拝の先導をするだけで、聖職者ではありません

イスラムには僧侶や牧師のような聖職者はいません。

神の前で、全ての人が平等だと考えられているからです。

礼拝場所は男女別

これは礼拝中に男性が女性の姿を見て、礼拝に集中できなくなるのを防ぐためと言われています。

男性が前で、女性がカーテンに仕切られた後ろのスペースだったり、1階が男性、2階が女性だったりします。

どちらも男性からは女性は見えません。

また男性同士、女性同士、それぞれ一列に並んで礼拝します。

信者は皆平等」というイスラムの精神にのっとっています。

モスクの尖塔ミナレットとは?

ウマイヤドモスク(ダマスカス)

ダマスカスにあるウマイヤドモスク。夜はライトアップされる。右にある尖塔がミナレット。

1日5回の礼拝の時間を人々に知らせるため、呼びかけをする塔です。

この呼びかけを「アザーン」、呼びかけを行う人を「ムアッジン」といいます。

上のモスクはトルコ様式で建てらています。トルコのモスクの尖塔は、エンピツ型をしているのが特徴です。

かつては、ムアッジンがミナレットの上にのぼり、肉声で礼拝の呼びかけをしていました。今は録音されたものを拡声器で流しています。

アザーンとは?

礼拝の時刻になると、モスクのミナレットから、アザーンが流れます。

ひと昔前は肉声でしたが、最近は録音したものを拡声機で流すことが多くなっています。

文言はアラビア語で、次のような内容です。

「アッラーは偉大なり」(4回)

「私はアッラーの他に神なしと証言する」(2回)

「私はムハンマドがアッラーの使徒なりと証言する」(2回)

「いざや礼拝に来れ」((2回)

「いざや成功のために来たれ」(2回)

「アッラーは偉大なり」(2回)

「アッラーの他に神なし(1回)

モスクは人々の憩いの場

モスクに入って驚くのは、中で昼寝したり食事したりしている人がいることです。

礼拝する人もいますが、談笑する家族づれ、勉強している学生などもいて、静かでなごやかな雰囲気。

というのも、モスクは神聖な場所ではないからです。単に礼拝する場所、「入れ物」にすぎません。

聖域とされるのは、メッカ、メディナ、エルサレムの3大聖地のモスクだけです。

モスク見学の際の注意

とはいっても、モスクはイスラム教徒の人びとにとって特別な場所であることは確かです。

モスクの入口では、必ず靴を脱いで入ります。

女性は(外国人であっても)スカーフで髪を隠さなければいけません。

また礼拝時間帯は見学を遠慮すべきでしょう。

世界の美しいモスク

これまでに訪れた世界の美しいモスクの数々をご紹介します。

シェイク・ザイード・グランドモスク:UAE(アラブ首長国連邦)

アブダビのモスク
UAE(アラブ首長国連邦)の初代の大統領シェイク・ザイードの命によって建設されました。

彼は2004年に他界してしまい、モスクの完成を見ることはありませんでした。

ジャムキャラーン・モスク:イラン

ジャムキャラーンモスク

ジャムキャラーンモスク

イランの国教シーア派の聖地ゴムにあります。

ゴムは首都テヘランから南に約120キロ。

ジャムキャラーンモスクはイラン人にとって最も大切なモスクの一つです。連日大勢のイラン人参拝客が訪れます。

イランのモスクは青いタイルに特徴がありますが、緑色のタイルの美しさが印象的です。

イブントールーン・モスク:エジプト

イブン・トゥールーン・モスク

イブン・トゥールーン・モスクの回廊

アラブ世界・イスラム世界の中心であるエジプトのカイロには、数多くのモスクがあります。

その中で最もおすすめなのが、「イブン=トゥールーン・モスク」です。

華やかさはないものの、渋い美しさがあります。

ハッサン2世モスク:モロッコ


カサブランカにある「ハッサン2世モスク」はモロッコ最大のモスク。

大西洋をのぞむように建てられています。 

モロッコ全土から芸術家や職人1000人を動員して、8年かけてつくられました。

チュニジア:グランドモスク 

ケロアン ・グランドモスク

チュニジアの古都ケロアンにあるグランドモスク。チュニジア内外から巡礼客が訪れる。

ケロアン は北西アフリカの「イスラム発祥の地」とされ、サウジアラビアのメッカ、メディナに次ぐイスラムの聖地。

旧市街にあるグランドモスクは、マグレブ(北西アフリカ)で最初に建てられたモスクです。

シリア:ウマイヤドモスク

ウマイヤドモスク(ダマスカス)

ダマスカスにあるウマイヤドモスク。夜はライトアップされる

世界遺産に登録されている首都ダマスカスのウマイヤドモスク。

夕方からライトアップされ、人々の憩いの場となっていました。

今はどうなっているでしょうか?

ほかにもまだまだ 美しいモスクがありますが、とても紹介しきれません。

イスラム圏を旅する楽しみの一つは、まちがいなく美しいモスクの数々を訪れることです。

イスラム世界のモスクに興味のある方には、こちらの本がおすすめです。

●「世界の美しいモスク

 

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