イスラムでは婚前交渉はご法度。お互い未経験で結婚するのが普通です。
結婚して体の相性が合わなかったらどうするのか? 不満を抱えたまま生きていくのか? 初めて同士で上手くいくのか?
日本人なら、当然そんな疑問がわいてきます。
当のイスラム教徒たちはどう思っているのか?
イスラム教徒と結婚した友人知人に聞いてみました。
合わせてイスラムの結婚観についても詳しく解説します。
目次
未経験で結婚してどうだった?
お互い未経験で結婚して、相性の不一致で困らないのか?
そんな結婚は幸せなのか?
こちらがその意見です。
・ジャナートさん(改宗名)【30代女性・バングラデシュ男性と結婚して9年】
「性の不一致」は、経験がないと言えない事だと思う。2人、3人と色々な人と経験しているからこそ、合う・合わないって話が出てくるのでは。
処女で結婚するのって、いいと思う。初めて異性と寝て緊張したりドキドキしたりするその価値が、2人目、3人目といくと薄れてきてしまうという、という感じかな。」
・ヤスミンさん【30代女性・チュニジア男性と結婚して2年】
「イスラム教徒は結婚してから知る喜びを大切にするの。最近、同棲を経て結婚した人に聞いたら、結婚しても実感なくてちょっと、でした (^^;;
私は同棲をせずに結婚したので 「結婚しました! \(^o^)/」 でした。」
・ファウジさん【50代男性・インドネシア女性と結婚して25年】
「ぼくは逆に常見さんに聞きたいです。夫婦の「幸せ」にとって「性の相性」は、そんなに大事なものでしょうか?
ある一部の人には大きな要素だというのも十分に理解できます。情報が増えれば増えるほど自分にないものを欲しがるようになる…この国でも状況はそんなに違わないと思います。
相性といっても人の好みも年とともに変わるし、相性がいいと思っていても、他の人が現れたら良いと思っていた相性も色あせて見えてしまうし。」
(それぞれの名前はイスラムに改宗した後の名前です。改宗者はイスラム名と元々の名前の2つを持つことになります。この点についてはスペースがないので、このへんで)
ロマンチックな初夜
そんな未経験同士で結婚するイスラム教徒たちの初夜はどんな感じでしょうか?
一言でいえば「ロマンチック以外なにものでもない」です。
私が見聞したケースをご紹介します。
まずチュニジア。
ここでは1週間にわたって結婚式が行われることが少なくありません。
その最後の日が、クライマックスとも言うべき床入りの夜。
この日、新郎が用意した家に新郎新婦が移動します。(それまでは男女別々の宴が行われます)
この床入りの夜、新居のベッドルームのベッドがキャンデーのハートマークで飾り付けされました。
日本人の目から見たら、ちょっと気恥ずかしい気もしますが、イスラムでは性に対して「やましい、後ろめたい」という考えがありません。
次はエジプトです。
観光業を営むアフマドさんは、結婚式の翌日から1週間ホテルのスイートルームを借り切りました。
新妻と2人だけで濃密な時間を過ごすためです。
「ホテルで過ごすだけなんて退屈」というのは、日本人それは結婚前に散々やり尽くした日本人が考えることなのです。
そしてモロッコ。
友人のお母さんに聞いた、一昔前の村の結婚では、初夜の後夫婦は1週間、新居で2人きりで過ごすそうです。
その間、妻はいっさい外出しない。料理もしない。食事は家族か夫が運んできてくれる。
ひたすらベッドの上で夫と過ごすのだそう。
イスラムの結婚観とは?
ここまで読んできた方はおわかりのように、イスラムでは結婚では「夫婦の性」が中心にあります。
実際、コーランでも夫婦生活を積極的に奨励しています。
(参考:イスラムのセックスや性生活ーそのルールは?体位に決まりはある?禁止事項は?)
そんなイスラムの幸せな「結婚観」をコーランをもとにご説明します。
肌を重ね合ってこそ夫婦
イスラムの結婚生活の中心は「性生活」です。
コーランには、こう書かれています。
『彼女らはあなたがたの衣であり、あなた方は彼女らの衣である』(2章187節)
夫婦は「お互いを温め合う衣のようなもの」だというのです。
肉感的な内容をとても詩的に表現しています。
つまり夫婦とは単なる共同生活者ではありません。体を重ね合ってこそ夫婦なのです。
どちらかがやりたくてどちらかが拒み続ければ、離婚の正当な理由となります。
2人の間の愛と安らぎ
さらに、その結婚は愛と情がベースにあります。
『お前たちのために、お前たちの体の一部から妻を創り出し、安んじて馴染める相手となし、二人の間には愛と情を置き給うたとは。
考えぶかい人間なら、これこそ有難い神兆よとさとるであろう』
(30章21節)
男女が体を重ねて温めあい、安らぎと愛情をあたえあう。これがイスラムの考える結婚です。
さらにこうも言っています。
「妻はあなたがたの耕地である。だから意のままに耕地に赴け」(2章223節)
これは体位は自由という意味です。
イスラム社会には「結婚は良いもの」という価値観が満ちあふれています。
「結婚は墓場」などという言葉は、思いつきもしません。
イスラムの幸せな「性」と「結婚」から日本人が学べること
イスラムの結婚は「夫婦の交わり」ということにピタリと焦点が合わさっている。
もちろん生活の安定や世間体のために結婚する人はいます。
しかしそれでも結婚の本質は肉体の交わり、肌を重ね合うこととによる愛情の交換です。
婚外の性交渉を厳しく禁じたのも、「性」を大切なものと考えるからです。
こうしてみると、イスラム教徒の人口が世界で増え続けている理由わかります。
性や結婚に肯定的で、男女がつがうことに価値を見出す社会では、当然結婚・出産する人が増え、人口が増えます。
かたや日本はフリーセックスでありながら、「性」を語る時にどこか後ろめたさがつきまといます。
結婚しなくても、自由にセックスできる。だったら、あえて結婚する必要はないではないか。そう思う人も、少なくないのではないでしょうか。
結婚への憧れがうすれてしまった日本で、晩婚化・少子化が進むのは当然と思われます。
日本人がかかえる性の悩みー未婚の母、セックスレス、性病、これらは「性」を軽んじてきたことと無縁ではないでしょう。
もちろん今の日本で結婚前のセックスをいっさい禁止、というのは現実的ではありません。
でもどこかで、「性を大切にする気持ち」を忘れないでいたいと思います。
これからの男女交際、結婚を考える上で、ご参考にしていただければ幸いです。
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【『イスラム流幸せな生き方』】
イスラムの性や結婚については、こちらに詳しく記載しています。ぜひご一読ください。
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