牛丼屋に「裏メニュー」があるのを最近になって知りました。
たとえば牛丼にかける汁を多めにしたり(これを「汁だく」というそう)できるそうです。
さらに汁をたっぷりかけてもらるのは、「汁だくだく」と言うとか。
牛丼店に見るジェンダー
驚いたことに、「汁だけの丼」を頼むのもアリなのだそう。なんと肉なし。白いご飯に汁だけかけて食べる。
これでは何のために牛丼屋に来たのかわからない気もしますが、あの肉汁がよっぽどウマいのでしょう。
夫は一度、目の前でそれを頼む人を見たことがあるそう。
「男の人?」と聞くと、
「あったりまえじゃん、牛丼屋で女の人なんて見たことないよ」
私は生まれてこのかた牛丼店に一度も入ったことがありません。
そういう女性は、けっこういるのではないでしょうか?
べつに「女は入っていけない」という決まりはありませんが、なんとなく入りづらいものです。
イスラムの男女隔離は特殊なのか?
そう思うと、日本の公共の場にも、意識していないがジェンダー格差は確かに存在すると思います。アラブ中東ほどではないにしても。
中東アラブ世界では、伝統的なカフェは「マクハ」や「カフワ」などと呼ばれ、そこには男性しかいません。
「男性限定」という決まりはありませんが、女性がそういう場所に入るのは「はしたない」とされるのです。
考えてみれば、日本にも似たような状況はあります。
女性が「入りづらい店」は、あるし「めったに女性が入らない店」もある。
牛丼店もそうですし、立ち食いそば屋などもそうでしょう。
どんな社会にも、ジェンダーバイアスは存在するでしょう。男女は違うものだから当たり前です。
ただ日本とイスラム社会の違いは、イスラムでは「男女が違うもの」を正面から認めるのに対し、日本では知らないふりをすること。
イスラムの男女隔離の理由
イスラム社会では学校や結婚式は男女別です。
カフェや食堂も女性・家族用のスペースがあり、女性グループや家族はそこで飲食するのが普通となっています。
なぜ男女を隔離するのでしょう?
「男女は互いに惹かれ合うもの」と考えるからです。特に男性は女性の誘惑に惑わされやすい。
一緒にしておくと、問題が起こるかもしれない。痴漢とかです。
男女間の距離を置いておいた方が社会の平穏が保たれるだろうと考えるのです。
男女の間には秘密がある方がいい
日本の牛丼屋は、女性客を取り込もうとメニューに工夫をこらしたりしているようですが、そもそも女性一人でぶらっと気軽に牛丼屋に入れる社会が良い社会なのでしょうか?
「女性のみが入りやすい店」があり、「男性のみが入りやすい店」があるのが自然な気がするし、楽しくないでしょうか?
わかりすぎる、見えすぎてしまうのは、つまらないものです。
男女間に適度な距離があって、秘密めいたものが存在する方がワクワクする。
そんなふうに考えますが、いかがでしょうか?