【永久保存版】イスラムの結婚ルールとは?

イスラム教徒と結婚してイスラム教に入信する日本人(特に女性)も増えています。

日本の結婚とイスラムの結婚。

これはかなり違うものです。

イスラム教徒の結婚について、「これだけは知っておきたい」事柄を取り上げます。

結婚は「信仰の半分」

イスラム教徒にとって結婚はとても重要なものです。

聖典コーランに「結婚すべき」と明記されているからです。

『おまえたちのうちの独身者、またおまえたちの男女奴隷のうち善良な者は結婚させよ』

(24章32節)

つまり結婚は神の命令です。

「独身を謳歌する」などという考え方はありません。

結婚年齢に達した男女、経済的に許される男性は、なるべく早く結婚したがります。

結婚は「契約」

その非常に大切な結婚を、イスラムでは「契約関係」として扱います。

契約書を作成するのです。

日本のように役所に届け出ればおしまい、ではありません。

この契約書を作成する儀式は、「結婚契約式」などと呼ばれ、婚姻公証人が立ち会って行われます。

そこに新郎新婦、新婦の父親か男性親族、2人の証人(たいてい男性)が参加します。

インドネシアの結婚式

インドネシアの結婚式で契約書にサインする花嫁。

契約書には結婚についての色々な条件を書き込みます。

男女の年齢、夫の名前と両親の名前、仕事、妻の名前(夫がすでに結婚している場合)などになります。

興味深いのは「夫の妻の名前」を記す欄があることです。

イスラムでは、男性は4人の妻を持つことが認められています。

以前は「妻の名前」の項目はありませんでした。そのため「独身と思っていた相手に実はよそに妻子がいて」という話が珍しくなかったそうです。

契約書に「夫が2番目の妻をめとらないように」といった条件を書き込むこともあります。

(ただ条件等は両家の話し合いで決まるため、花嫁側の希望が全て通るとは限りません)

そして「マフル(マハル、婚資)」の金額も記します。

結婚時に「離婚の慰謝料」を決める

イスラムの結婚では、新郎が新婦に「マフル」を払うのがきまりです。

これには前払い後払いがあります。

「前払い」は結納金のようなものです。

夫側から妻に贈るもので、結婚後は妻の個人財産になります。

「後払い」は夫からの離婚、夫が死別した際などに妻に払うお金のことです。

慰謝料や補償金の意味があります。

女性が離婚後に生活に困らないようにとの配慮からです。

そして「後払い」の方が前払いよりずっと高く設定されます(国によって違いがあります)。

後に書きますが、イスラム法では夫が「離婚する」と3回言えば離婚が成立します。

そのため、夫にたやすく離婚させないよう、後払い分を高額にしておくわけです。

「結婚する前から離婚のことを決めておくなんて縁起でもない」

日本人ならそう思いがちです。

しかし男女の愛ほどアテにならないものはないのも事実です。

実際、日本では離婚後に養育費や慰謝料を受け取れない女性が少なくありません。

イスラムでは大事なことだからこそ、うやむやにしないのです。

 

このマフルの額は親同士がとり決めます。

本人同士はたいてい「結婚だ!」などと心が浮かれているからです。

結婚資金は誰が用意する?

イスラムの結婚式

パキスタンの結婚式

まず結婚式の費用。これは男性側・女性側双方が支出するケースが多いです。

イスラム圏ではしばしば何日にも渡って結婚式が行われます。

1日目は新郎の家でのパーティ、2日目は新婦の家でのパーティといった具合に。

そのため、新郎宅でのパーティでは新郎側が、新婦宅でのパーティでは新婦側が費用を負担します。

新居は通常、男性が用意します。

アパートを借りることもありますが、持ち家が条件となっている国や地域もあり、そうなると男性側の負担はかなりのものになります。

家財道具は男女双方で揃えます。
(ヨルダンなどでは、男性が全て用意)

日本では「生活しながらお金ができたら少しずつ物をそろえていこう」という夫婦も少なくありませんが、イスラム圏では皆無です。

結婚前に全て揃っていなければなりません。

 

そこで娘の両親は、娘の最初の生理がきた時から、嫁入り道具を用意し始めます。

そして結婚式が間近に迫ると、1つの部屋がまるまる「娘の持参品の部屋」になります。

イスラムの結婚式

チュニジアの結婚式で、花嫁の自宅に用意された持参品

これらを結婚式の前後に、新郎が用意した新居に運び込みます。

妻の持参品や結婚前から持っていた財産は、結婚しても妻の個人財産とされ、離婚したら彼女が実家に持ち帰ります。

エジプトなどでは、妻が用意した家財道具について「妻の所有物」という証明のために持参品目録を作ることもあります。

夫婦のどちらか一方が内緒で持参品を売り飛ばした場合、目録を警察に見せて取り返すことができます。

なんとも物質主義的ですね。

これも情に流されない「契約」関係だからでしょう。

結婚後の生活費は「夫の負担」

結婚したら夫が家計を担う義務があります。

『アッラーはもともと男と(女)の間には優劣をおつけになったのだし、また(生活に必要な)金は男がだすのだから、この点で男のほうが女の上に立つべきもの』(第4章34節)

「男のほうが上」とあるのは、これは肉体的な優劣を指しています。

男性の方が体力があるのだから、「男が稼げ」と神が命令しているのです。

「男性は女性の一段上にある。」とあるのは、あくまでも男性に負わされた責任の重さを表す章句なのである。

イスラームが説くのは性差別ではなく、性区別。すなわち役割分担の大切さにほかならない。

(「イスラームと女性」)

もちろんイスラムでは女性が働くことを禁止していません。

奥さんの方が収入が多くても、家計を負担するのは夫です。

参考:<イスラム女性は幸せ?(4)> 生活費は夫の負担・離婚時の慰謝料も決める

離婚はできる?

離婚は単なる「契約の解消」。日本のように「バツイチ」などといった暗いイメージはありません。

とはいうものの、離婚は避けた方が良いものであるのはイスラムでも同じ。

コーランでは積極的に和解をすすめています。

『できるだけ仲良く添いとげることが第一。

汝らの方では嫌いな相手でも、もしかしたらアッラーが立派にしておやりになった者かも知れないから』

(4章19節)

 『二人の間にひびが入りそうな心配のある時は、男の一族から調停人を一人、それから女の一族からも調停人を喚んで来るがよい、もし両人に仲直りしたいという気持ちがあるならば。

アッラーが二人の仲をうまく合わせて下さるであろうぞ』

(4章35節)

離婚の権利は男性だけにあります。

男性が「離婚する」と3回言えば成立します。

夫だけにこういう権利が認められているのは不平等だという意見があります。

しかし実際には夫婦喧嘩などで怒りにまかせて「離婚だ!」と言ってしまい、冷静になってから後悔するという男はたくさんいるようです。

男性から離婚を言い出した場合、前述した「後払いのマフル」を払わなければなりません

女性が離婚したい場合は、明らかな条件が必要になります。

夫の性的不能、妻子を養わない、長期不在か行方不明などです。

マフル惜しさに離婚をしぶる男もいます。

それに業を煮やし、女性がどうしても離婚したいという場合、マフルを放棄することになります。

 

イスラム教徒の方との結婚を考えている方のお役に立てたら幸いです。

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★「イスラームと女性
日本に暮らすイスラム教徒の日本人が、どのようにイスラムを実践しているかを詳しく紹介しています。

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