2018-08-29

イスラム世界から見た日本社会の素晴らしさ

モロッコ ティズニット

モロッコの女性たち。女性たちが着ているのはジェラバという民族衣装。

イスラム世界から見た「日本社会の素晴らしさ」について書きます。

一人になれる

日本の良さは、なんといっても一人になれることです。イスラム社会では、なかなかそうはいきません。

道で出会うと、しばしば地元の人に呼び止められ、「どこから?日本?家によってお茶飲んでけ」となります。

イランのバスターミナルでバスを待っていた時のこと。隣に座っていた若い女性が、携帯電話で誰かと話をしていました。そして突然、携帯を私に手渡したのです。

電話に出てみると、相手は男性でした。「私は彼女の兄です。妹が何かあなたが困っているんじゃないかと心配しています。彼女は英語が話せません。そこで私に代わりに聞いて欲しいと言っているんです」

こういう具合に、ただぼうっと考え事をしていたくても、なかなかそれができません。

イスラム圏の人は人好き、とても寂しがり屋です。いつも誰かと一緒でいないと寂しくてしかたがない。昨今携帯電話が爆発的に普及したおかげで、始終誰かと携帯で話しをしています。

そこで一人でいる外国人を見ると、とっさに「寂しいに違いない」と思ってしまうらしいのです。

「まだ結婚しないの?」と言われない

イスラムでは結婚は宗教における推奨行為。年頃になれば、ほとんどの人が結婚します。お気楽に独身を貫くのは、なかなか難しいです。

年頃になると周囲がほっておきません。「なぜ結婚しないの?」「誰か良い相手紹介してあげるわ」‥。

エジプトに暮らしていた時、頼みもしないのに、勝手に相手を連れてこられたこともあります。

独身女性の一人暮らしも無理です。周囲から間違いなく「売春婦で男を連れ込むのではないか?」と思われます。

日本では女性が一人でカフェに入って、ぼうっとすることもできますし、吸いたいならタバコを吸うこともできますが、あちらではありえません。

アラブイスラム圏のカフェは、外国人用やスタバなど現代風のカフェは別として男性の場です。女性がふらりと一人で入ることは、社会の目が許しません。はしたないと思われます。これはイスラムというよりアラブの習慣です。

とにかく日本は独身女性が気楽に生きていける良い国なのです。

健康的な生活ができる

日本人ほど健康に関心のある国民はいないでしょう。本屋に行けば、『病気にならない~』とか、『100歳まで生きる~』などの本が溢れています。

イスラム圏の人はそこまで健康に関心がありません。第一の関心事はなんといってもイスラムです。いかに神の意思にそった良い行いをするか、それが最も大事なことです。健康も大事ですが、それほど重きを置かれていません。

ふだん3杯、4杯飲む紅茶には、コップ1杯にスプーン大さじ3杯くらい砂糖を入れるのはあたりまえ。まるで砂糖水を飲んでいるようです。

料理には、油が浮かぶほど油やバターを入れます。油はたくさん使えば使うほど料理が美味しくなると信じているかのよう(たしかに、そうですが)。

そんな感じですから、しばらくイスラム圏に滞在すると、間違いなく太ります。

「健康のために運動する」という考えもあまりありません。歩いて5分くらいの距離でも、必ず車・バスに乗ります。

アパートの目の前にマーケットがあっても、階段を降りるのがめんどくさいので、降りないで買い物します。ひものついたカゴをベランダからするすると下ろし、下にいる野菜売りのおじさんに「トマト1キロちょうだい!」と言うのです。

バスケットには「トマト1キロ分」のお金が入っています。トマトを入れてもらったら、またするするとひもをひっぱって、バスケットを引き上げます。そこまでして動きたくないの?と思います。

本に囲まれて暮らせる

本好きの私にとっては、ありとあらゆる日本語の本がふんだんに手に入る日本は、まさに天国です。

日本の1日の出版点数は200点だそうです。本屋に行けば旅行書、エッセイ、ビジネス書、自己啓発書など、ありとあらゆる本が並んでいる。

イスラム圏では、本といえばコーランです。それ以外の書物ももちろん売られていますが、イスラム関連の本が多い。それにもちろん日本語の本は売られていません。

オマーンの山奥の村に行った時、そこの村長さんにライブラリーに案内されました。「おお、こんなところにもライブラリーが!」と喜びました。が、並んでいる本はほとんどすべて宗教書だったのです。

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