メッセージ

イランの家族

こんにちは。常見藤代です。
私はイスラム圏の人々の暮らしを取材するイスラム・エスノグラファーです。
このサイトでは主に私が見てきた中東イスラム圏の人々の暮らしを発信しています。

ところで、みなさんはイスラム圏、中東と聞くと、どんな事を思い浮かべますか?
「怖い」、「テロ」、「戦争」ーそんなイメージを持たれる方が多いのではないでしょうか。

私も行く前はそう思っていました。
しかし行ってみると、全く違っていました。
人々は温かく、紛争地以外の場所は治安は良く、食べ物もおいしい。

そういったことを多くの人に知ってもらいたいと思いました。

では、なぜわざわざブログで発信するのか? なぜイスラムなのか?

それは私がイスラム圏に行って「救われた」からです。

私は大学まで極度の人見知りでした。根暗で友人は全くおらず、休み時間はきまって教室の隅で本を読んでいました。

そして「自分は生きている価値がないのではないか?」といつも思っていました。

そこで思い切って大学を休学し、半年間インドネシアを旅することにしたのです。
知り合いもいない未知の国を長期で一人旅することで、自分を変えられるかもしれなと思ったからです。
行き先にインドネシアを選んだのは、大学で感銘を受けた先生がインドネシア専門だったからでした。

行ってみてどうだったか?
驚きの連続でした。バスや電車の中で地元の人と二言三言話すと、たいていこう言われます。
「一人? よかったらうちにおいで」

そして行く先々で人の家に呼ばれ、現地の家を泊まり歩くことになります。

どこの馬の骨とも知れない外国人を自宅に招く。私にとって衝撃的な出来事でした。
何より「こんな私でも受け入れてくれる人がいる!」と思い、嬉しくて涙が出そうでした。

他人の家に平気で泊まってしまう自分にも驚きました。
自分はもしかしたら根暗ではないのかもしれない。

こうして様々な家庭を泊まり歩き、半年後に日本に帰る頃には、もう「自分は生きている価値がない」とは思わなくなっていました。
自分自身に対する見方が100パーセント変わっていたのです。

その後様々なことがあり、イスラム圏を取材のテーマに選び、アラビア語を学ぶために2回エジプトに暮らしました。
そして数えきれないほどイスラムの国々を訪れました。

彼らの中に身を置いて強く感じるのは「人と人との間に温かいものが流れている」ということです。
イスラムの人々は家族や隣人との繋がりを非常に大切にし、仕事よりも何よりも家族と過ごす時間を愛している。
人と交わることが好きで、異国の旅人にも手を差し伸べてくれる。

インドネシアで多くの人が私を受け入れてくれたのも、女性一人で旅している私を心配し、異国から来た旅人に興味を持ち、一緒の時間を過ごしたいと思ってくれたからでしょう。

そういう他人への思いやりは、イスラム圏のどこにでも共通しています。その人々のやさしい心根が、経済効率優先の日本から来た私を、どこかほっとする気持ちにさせるのです。

日本で頭で知っていた「イスラム」も、実は全く違っていたということがわかります。

日本ではイスラムは豚や酒が禁じられた「禁欲的」で「厳しい」宗教であり、一夫多妻やヴェールに代表されるように「女性を貶める宗教」だと思われています。

実際には貧しい人、お年寄り、女性など弱者を思いやる宗教であり、性欲や食欲など人間の欲望に寛大な面がある。

「イスラムの女性は抑圧されている」というイメージは誤解に近く、社会で責任ある地位について働く女性は、むしろ日本より多いほどです。

「人間は弱いもの」という思想から発するイスラムは、人に過度の無理を強いず、そして人々の心の救い、生きる心の支えになっている。
だから多くの人に受け入れられ、今世界中でイスラムの人口が増えつつあるのです。

そういった私が見て知った事柄を、多くの方に分かりやすく伝えたいと思っています。

その際心がけていることがあります。
なるべくネガティブなことは書かないということです。

いくら「イスラム圏が安全だ」「人がやさしい」といっても、もちろん良い面ばかりではありません。
独裁色は総じて日本よりも強く、インフラも整っているとは言えません。紛争が続いている国や地域もあります。

しかしそういったマイナス情報は、マスコミの報道をはじめ世の中に溢れています。
それらを発信することは、私の役割ではありません。

もっと言えば、「正しい現実」というものはどこにもありません。
100人の人がいたら、100通りの現実があります。

その人がどういう目で世界を見るかで、「現実」は変わってきます。

私は明るいプリズムを通して、中東・アラブ・イスラム圏を見て、その見た事実を多くの人に伝えたいと思っています。

私の記事を読んで、まだまだ遠い中東やイスラム世界に多くの人が興味を持ち、実際に足を運んでくださるきっかけになればと願っています。
  
詳しいプロフィールはこちら。