「潮」北アフリカーイスラームの聖地ケルアン

チュニジア・ケロアン(潮グラビア)(1) チュニジア・ケロアン(潮グラビア)(2) チュニジア・ケロアン(潮グラビア)(3)

(本文)

北アフリカにおける最初のイスラム都市・カイラワーン。国全体にヨーロッパの影響が感じられ、モダンな雰囲気が漂うチュニジアにあって、ここは素朴さと落ち着きが感じられる町だ。


六一〇年頃、預言者ムハンマドによって創唱されたイスラームは、彼の死後、その教えに共鳴するアラブ軍の制服活動によって各地に広がった。
7世紀にはチュニジアに入り、カイラワーンに軍事キャンプが設けられた。9世紀には北アフリカにおけるイスラムの学問センターとなり、名高い宗教指導者が集まったという。現在はメッカ、メディナ、エルサレムに続くイスラムの聖地である。私がはじめてカイラワーンを訪れたのは、ラマダン中だった。旧市街でソワードいう女性と知り合い、家に招かれた。カイラワーン出身の彼女は、結婚して地中海沿いの町スースに住んでいる。しかしラマダンには必ず里帰りするという。ラマダン中のカイラワーンに滞在することは、多くのチュニジア人にとって憧れだそうだ。


彼女に誘われ、夜の大モスクへ行ってみた。昼間は熱い日差しにつつまれ、観光客がまばらに訪れるだけの静かなモスクは、夜のとばりが降りると、夜通し祈りを捧げる人が集まって広い中庭を埋め尽くし、厳かな熱気につつまれていた。
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