2025-09-27

『世界のくらし サウジアラビア』が発刊されました!

世界のくらしサウジアラビア

サウジアラビアを紹介する写真絵本『世界のくらし サウジアラビア』が発刊されました!サウジアラビアの家庭生活、学校生活、食や料理法、SDGs、日本との関係まで、サウジアラビアをトータルに紹介する本です。

『世界のくらし サウジアラビア』の概要

イスラム教の聖地メッカとメディナがある中東の大国サウジアラビア。日本にとって主要な原油輸入先であり、長い歴史のある友好国でもあります。しかし友人・知人との語らいや客人へのおもてなしを大切にするサウジアラビアの人々のあたたかな国民性はあまり知られていません。本書は、学校生活・家庭生活を中心に、活気あるスーク(市場)のようすや人々の食生活など、さまざまな角度からサウジアラビアの人々の日常を紹介します。

目次

【自然と気候】
砂漠の気候と住まい
【国のあらまし】
イスラム教が生まれた地
国際色あふれる豊かな国
【住居と習慣】
都市のアパートにくらす家族
日常を豊かにする住まい
親子のつながり
地方の古民家にくらす家族
大人の女性へのあこがれ
砂漠のおじさんのテントへ
【食と習慣】
サウジアラビアの家庭料理
おもてなしの心を大切に
【まちとくらし】
イスラム教によりそうくらし
伝統的なスークで買い物
【学校生活】
まちの私立小学校を訪ねて
創造性を育む授業
男子のクラスや休み時間
【子どもの遊び】
人気の遊びや習いごと
【スポーツ・娯楽】
週末は家族とお出かけ
【行事と冠婚葬祭】
家族ですごすラマダン月
【くらしの多様性】
山のコーヒー農家と花の民
【SDGsとくらし】
支えあいで成り立つ社会
すこやかで幸せな未来へ
【日本との関係】
日本と長い歴史のある友好国

あとがき:取材を終えて

サウジアラビアで驚いたできごとが2つあります。ひとつは南部のアブハーというまちで、あるサンドイッチ屋に入ったときのことです。その店は自分の好みの具(ツナやタマゴなど)を店員に伝え、パンにはさんでもらいます。

私が店に入ると、若い男性の先客がいました。その彼が会計をするときに、「これ、彼女のぶん」と私の分も払っているのです。お店に入ってから、1分もたたないあいだのできごとでした。もちろん私と彼とはひと言も口をきいていません。

イスラム教には「旅人に親切にせよ」という教えがあります。そのため同じ店でお茶を飲んでいた知らない人が、私のお茶代も払ってくれるといった経験は、これまでイスラム社会で何度かありました。しかし今回は、それがあまりにも一瞬のできごとだったのです。

2つ目の体験はジェッダです。目的地までの道に迷ってしまい、通りかかった若者に案内をたのみました。そのとき、向こうから初老の男性が近づいてきて、若者に話しかけました。すると若者は自分のポケットから紙幣を取り出し、その男性に渡したのです。

初老の男性はお金に困っていて、それを若者に訴えたのでしょう。しかし本当に困っているかどうかは、確かめるすべがありません。その男性は、一般のサウジ人と同じような、こぎれいな格好をしていたのです。

「貧しい人に施しをせよ」もイスラム教の教えです。エジプトでは、食堂に物乞いがやってきて、店主が料理を渡している場面をしばしば目撃します。パキスタンでは多くの食堂で無料の食事配布サービスをおこなっており、食事どきには長い列ができます。しかし道で会った見ず知らずの人に、即座にお金を渡すシーンには初めて出会いました。

イスラム教の教えが今も根強く生きている国サウジアラビア。これらはサウジアラビア人の人間力の大きさを体験したできごとでした。

世界のくらし サウジアラビア』、どうぞお手に取ってご覧ください!

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