パキスタン人男性とお付き合いして、結婚して欲しいと言われています。
ビザ目的に騙そうとしているとの情報がネットにたくさんあり、不安です。
そんな悩みにお答えします。
私自身はパキスタン人の妻ではありませんが、パキスタン人と結婚した友人知人が多くいます。
・結婚前に知っておくべきこと。
・相手が信頼できるかどうか見分けるヒント。
・結婚した場合の生活とは?
これらをわかりやすく解説します。
目次
イスラム教への改宗
パキスタン人のほとんどはイスラム教徒です。
イスラム教徒男性と結婚する場合、女性がイスラム教に改宗する必要があります。
(参考:イスラム教徒との国際結婚には改宗が必要?)
パキスタン男性は宗教心が強い人が多いため、日本でもイスラム教の信仰を守りたいと思うからです。
宗派によっては改宗が必要ないことも
たとえばパキスタンのフンザ地方に多く暮らすシーア派のイスマーイーリー派は、戒律がゆるく、ラマダン月の断食や礼拝もしません。
そして他宗教・宗派からのイスマーイーリー派への改宗は認めていません。結婚しても相手は改宗する必要がない(できない)のです。
フンザの方と結婚して現地に暮らす日本女性にお会いしましたが、上記の理由からイスマーイーリ派には改宗していませんでした。
しかしイスマーイーリー派はパキスタンの中でも少数派ですし、パキスタン人と結婚する場合には、ほぼ改宗が必要と考えて良いでしょう。
信頼できる人かどうやって見分けたらいい?
外国人男性の中には、そのためビザ目的で結婚しようとする人もいます。
日本人女性と結婚することで配偶者ビザが取れ、合法的に長期で滞在することができるからです。
どうやってビザ目的かどうかを見分けたらいいか?
これはあくまで目安ですが、1つは「イスラム教に改宗してほしい」と言うかどうかです。
真面目な男性なら、イスラム教に改宗してほしいと思うのが普通です。
イスラム教は生活のすべてにかかわる宗教で、暮らしの中心に宗教があります。
(参考:イスラム教とはどんな宗教?を簡単にわかりやすく解説【初心者向け】)
妻が異教徒なら、生活面で色々な問題が生じます。
人生を一緒に歩んでいく相手がイスラム教徒であってほしいと思うのは当然です。
しかし日本女性がイスラム教に改宗するのも簡単ではありません。
大きな決意が必要である。そういうことも、ちゃんと理解しています。
それでも、ともに生きていく相手がイスラム教徒であってほしいと望むのです。
しかしビザ目的の人は、とにかく結婚できればいいと「改宗しなくていいから」と言う場合もあったりします。
または「イスラム教に改宗してほしいけど、教えを守らなくてもいいから」と言うこともあります。
イスラム教にはマフルの支払いなど女性を守る教えがあるので、ビザ目当ての人は、女性にそういうことをあまり知って欲しくないのです。(→【永久保存版】イスラム教の結婚ルールとは?)
自国の女性と結婚するにはマフルを払わなければならなりません。その点日本人と結婚すればお金を節約できて好都合なのです。
イスラム教は一夫多妻
そしてあらかじめ知っておくべきことは、イスラム教では一夫多妻が認められているということです。
男性は4人まで妻が持てます。
そこで本国に妻がいるのに、内緒で結婚しようとする男性もいます。
結婚の際に男性が独身証明書を用意することになっていますが、お金さえ払えば既婚者でも書いてくれるそうです。(現在は厳しくなっていると聞きますが)
本当に確かめたければ、パキスタンに行って相手の両親や友人に会ってみるしかありません。
しかし仮に会ったとしても、彼らが本当のことを言ってくれるかわかりません。現地の言葉ができない日本女性にはかなりの困難が伴います。
最終的には自分の直感が頼りです。「この人なら信頼できる」と思えるかどうか。
また最低限、相手の経済状況、仕事やその状況、借金の有無などを確認しておきましょう。
戒律の守り方は人それぞれ
イスラム教に入信して、どのくらい戒律を守るかは、ご主人次第です。
礼拝もスカーフを、パキスタンに住むようにってから初めてやったという女性もけっこういます。
一方で日本人妻の中には、とても熱心にイスラム教を勉強し、ご主人より詳しくなってしまう方もいます。
パキスタンに住む可能性も
それと知っておかなければならないのは、パキスタンに暮らす可能性もあるということです。
結婚当初は日本に暮らしていても、子どもが生まれたらパキスタンに移住するケースも多々あります。
パキスタン人男性は妻には厳格でなくても、子どもにはしっかりしたイスラム教徒に育ってほしいと望む人が多いのです。
それにはパキスタンで子育てする方が好都合です。
一番大きいのは食べ物の問題です。イスラム教では豚や豚由来のものは食べられません。学校給食がある場合、自分の子にだけお弁当を持たせる必要が生じたりします。
また女の子の場合、日本の「性の乱れ」にさらされることを心配し、パキスタンで育てることを強く望む父親が多いのです。
そして夫は日本で働く方が高収入なので、日本に残って働き続けます。
妻子だけがパキスタンに暮らす。その場合、夫の家族と同居だったりもします。
パキスタンは家族関係が密なので、結婚しても親と同居が普通です。姑や兄弟の嫁と仲良く暮らしていかなければなりません。
だから結婚前にパキスタンに行き、土地や風土、人の暮らしを自分の目で見て、相手の家族にも会ってから、結婚を決めましょう。
日本人と結婚する場合も、相手の実家に行き、両親に会い、その上で結婚を決めますよね?それと同じことです。
結婚後もパキスタンに仕送り
妻子が日本にいても、本国の家族に仕送りするケースもあります。
親の面倒を見るのは、パキスタン男性にとって神聖な義務です。
長男であれば、親や兄弟に生活費を送ったりします。
定期的に仕送りしなくても、親がメッカ巡礼に行ったり、弟や妹の結婚で結婚費用を送ったり、帰国時に親戚の子供たちに「在日者」として、多めに小遣いを渡したりもします。
日本人女性はパキスタン人男性の「家族思い」「家族を大切にする」部分にひかれることが多いのですが、これが悩みの種になることもあります。
パキスタン人男性との結婚を考える方の参考になりましたら幸いです。
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