2018-06-16

パキスタン人男性との国際結婚/予備知識

パキスタン男性との結婚

カラチの布を売る店。パキスタンの女性は既成服ではなく自分で布を買って仕立て屋で仕立ててもらう人が多い。

パキスタン人男性とお付き合いして、結婚して欲しいと言われています。ビザ目的に騙そうとしているとの情報がネットにたくさんあり、不安です。

そんな悩みにお答えします。

イスラム教に改宗する必要が

パキスタン人のほとんどはイスラム教徒です。イスラム教徒男性と結婚する場合、女性がイスラム教に改宗する必要があります。

(参考:イスラム教徒との国際結婚には改宗が必要?) 

パキスタン男性は信心深い人が多く、日本でもイスラム教の信仰を守りたいと思うからです。

宗派によっては改宗が必要ないことも

ただし女性が改宗しなくて良い場合があります。相手がイスマーイーリー派の場合です。シーア派イスマーイーリー派は主にパキスタンのフンザ地方に暮らし、戒律がゆるく、ラマダン月の断食や礼拝を行いません。

そして他宗教・宗派からのイスマーイーリー派への改宗は認めていません。つまり結婚相手は改宗できないのです。

フンザの方と結婚して現地に暮らす日本女性にお会いしましたが、上記の理由から改宗していませんでした。

しかしイスマーイーリー派はパキスタンの中ではごく少数派です。パキスタン人と結婚する場合、ほぼ改宗が必要と考えておいた方が良いでしょう。

良い人かどうかを見分けるには?

外国人男性の中にはビザ目的で日本人女性と結婚しようとする人もいます。それによって配偶者ビザが取れ、合法的に長期で滞在することができるからです。

では、ビザ目的かどうか見分ける方法はあるのでしょうか?もちろん本人の人柄は会ってみないとわからないので、ご自身自身で確かめるしかありません。

ただ1つの目安をあげるとしたら「イスラムに改宗してほしい」と言うかどうか、です。まじめな男性なら「改宗してほしい」と思うのが普通です。

パキスタン人と宗教(イスラム)

日本では信仰を持つ人は「心が弱い人」、「心が病んだ人」とイメージされがちですが、パキスタンはじめイスラム諸国ではそうではありません。信仰心がしっかりした人ほど、真面目で信頼がおける人なのです。

もし彼の信仰心が確かなら、真面目で信頼できる人だという1つの目安になります(あくまで1つです)

そしてそういう人は、「人生をともに歩む相手がムスリムであってほしい」と思うのが普通です。

信仰は人生の中心にあるもの。また妻が異教徒であっては、生活上色々な問題が生じます。

もちろん改宗するには大きな決意が必要なことも理解しています。その上で将来の伴侶がムスリムであってほしいと望むのです。

しかしビザ目的の人は「とにかく結婚できさえすればいい」と思っているので、「改宗しなくていいから」と言ったりもします。「イスラム教に改宗しても教えを守らなくてもいいから」とも。

一見思いやりのようにも聞こえますが、そうではないことも多いです。

イスラムは一夫多妻を認めている

イスラム教では一夫多妻が認められています。男性は4人まで妻が持てます。

そこで、本国に妻がいるのに内緒で結婚しようとする男性もいます。

結婚の際に男性が独身証明書を用意することになっていますが、お金さえ払えば既婚者でも書いてくれるそうです。(現在は厳しくなっていると聞きます)

本当に確かめたければ、パキスタンに行って相手の両親や友人に会ってみるしかありません。しかし仮に会ったとしても、彼らが本当のことを言うかどうかは、わかりません。現地の言葉ができない日本女性には、かなりの困難が伴います。

最終的には自分の直感が頼りです。「この人なら信頼できる」と思えるかどうか。

また最低限、相手の経済状況、仕事やその状況、借金の有無などを確認しておくことです。

戒律の守り方は人それぞれ

仮に改宗するとして、どのくらい戒律を守るかは、ご主人次第です。

礼拝もスカーフも、パキスタンに住むようにってから初めてやったという女性もいます。

一方でとても熱心にイスラムを勉強し、ご主人以上に詳しい方もたくさんいます。

パキスタンに暮らす可能性も

パキスタン人と結婚した場合、パキスタンに暮らす可能性もあることは念頭に置いておく必要があります。当初は日本に暮らしていても、子どもが生まれたらパキスタンに移住するケースも多々あります。

パキスタン人男性は妻には厳格でなくても、子どもにはしっかりしたイスラム教徒に育ってほしいと望む人が多いのです。それにはパキスタンで子育てするのが好都合です。

一番大きいのは食べ物の問題です。イスラムでは豚や豚由来のものは食べられません。学校給食がある場合、自分の子にだけお弁当を持たせる必要が生じたりします。

また女の子の場合、日本の「性の乱れ」にさらされる心配から、パキスタンで育てることを強く望む父親が多いのです。

夫は日本で働く方が高収入なので、日本に残って働き続けます。そして妻子だけがパキスタンに暮らす。その場合、夫の家族と同居することもあります。パキスタンは家族関係が密なので、結婚しても親と同居が普通です。姑や兄弟の嫁と仲良く暮らしていかなければなりません。

だから結婚前にパキスタンに行き、土地や風土、人の暮らしを自分の目で見て、相手の家族にも会ってから、結婚を決めましょう

日本人と結婚する場合も、相手の実家に行き、両親に会い、その上で結婚を決めます。それと同じことです。

結婚後もパキスタンに仕送りすることも

妻子が日本にいても、本国の家族に仕送りするケースもあります。親の面倒を見るのは、パキスタン男性にとって神聖な義務です。長男であれば、親や兄弟に生活費を送ったりします。

定期的に仕送りしなくても、親がメッカ巡礼に行ったり、弟や妹の結婚で結婚費用を送ったり、帰国時に親戚の子供たちに「在日者」として、多めに小遣いを渡したりもします。

日本人女性はパキスタン人男性の「家族思い」「家族を大切にする」部分にひかれることが多いのですが、これが結婚後の悩みの種になることもあります。

 

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