イスラムでは、コーランに定められた神の命令を行って善行に励めば、死後に天国へ行けると信じられています。
「来世」があることだけは、礼拝しないイスラム教徒も断食しないイスラム教徒も信じています。
ではイスラムにおける「来世」、「天国と地獄」とは、いったいどんな場所なのでしょうか?
目次
来世は永遠
現世は限りがあり、来世は永遠だということです。
私たちが生きているこの世は、いつか終わりが来ると信じられている。その時を「終末」と呼んでいます。
死んだ人は、すぐに天国・地獄へ行くのではなく、現世が終末を迎えたときに審判を受け、天国か地獄へ行くのです。
ところで日本人はなんとなく「死んだら天国へ行きたい」と思っても、「天国ってどんな場所?」と聞かれて、明確に答えられる人はいないでしょう。
ムスリムはその点、明快なのです。
コーランには実にリアルに天国と地獄が描かれているからです。
天国はどんな場所?
天国は官能的な喜びに満ちあふれています。
現世で禁止されていた酒が飲み放題。
「泉から汲みたての盃が一座に廻り、白く清らに澄んで、飲めばえも言えぬここち良さ。これは(現世の酒とは違って)飲んで頭がふらつくでもなし、酔っ払ったりする心配もない。(37章39〜55節)
しかも現世の酒と違い、絶対に酔わないとありますね(酔わなくて楽しいのかどうか?はさておいて)
果物も豊富にあります。
「沢山の果物、うまい飲み物、なんでも望み放題」(38章51節)
しかも美しい女性たちが待っている。
「その上、側に侍るは眼差もいとしなやかな乙女たち。眼ぱっちりした美人ぞろい。身体はまるで砂に隠れた(駝鳥の)卵さながらに(ほんのり黄色味を帯びた白さが美しい)」(37章39〜55節)
「一段高い臥だいがあって(そこで天上の処女妻たちと歓をまじえる)。我ら(アッラー)が特に新しく創っておいたもの、この女たちは(地上の女のように両親から生まれたものでなく、この目的のために特別に新しく創った女である)。
特に作った処女ばかり。愛情こまやかに、年齢も頃合い』(56章34〜37節)
ちなみに天国は男女とともに用意されています。
「信心深い者は、男でも女でも、みな楽園に入れていただいて」(4章124節)
地獄はどんな所?
イスラムの地獄は「火獄」です。
グラグラと燃えたぎる火があり、そこに放り込まれます。
焼かれて皮膚がはがれ、再生したら、また焼かれてはがれ‥‥そのくり返し。
しかも来世は永遠です。地獄に入ったら死後、永遠に焼かれ続けるのです。
想像するだけでも恐ろしい。誰だって地獄へは行きたくありません。
だから良いことをする。
イスラム圏が治安が良いのは、そのため。
スリやコソ泥はいるけれど、凶悪犯罪の類はきわめて少ないのが現実です
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