2014-11-01

オマーン女性一人旅の服装と観光の注意点

オマーン ニズワ動物市

オマーンの町ニズワの動物市場に来た女性たち。オマーンの女性はふだんはブルカをつけないが、不特定多数の男性がいる場所では身につけるのが習慣となっている。

中東の真珠を言われるオマーン。オマーンで女性一人旅はできるのか?旅をするのに理想的な服装は?アバヤなどは必要?そんな疑問にお答えします。

オマーン女性一人旅の理想的な服装

女性一人旅はできます。私は複数回のオマーンの旅は全て1人です。その際、最も注意すべきは「服装」です。「肌を露出しない、ボディラインを強調しない」服装が理想です。

ふわっとしてお尻が隠れる丈のトップス&足のラインを強調しないパンツか、くるぶしまでのスカートなどが良いでしょう。アバヤがあればなお良いと思います。

イスラム社会では女性は「肌を見せない」「体の線を見せない」のが基本的ルールです。女性だけでなく、男性もです。オマーン女性は、ほぼすべて「アバヤ」(くるぶしまで隠れる黒のロングコート)です。そしてスカーフで髪を隠し、保守的な人は顔も隠します。そんな中で、露出過多の服装をしていたら非常に目立ちます

オマーンは服装で態度が変わる国

オマーンほど、服装によって相手の態度ががらりと変わる国はありません。ある小さな村に行った時のこと。そこの村民に聞いた話ですが、以前村に欧米人のカップルがやってきたものの、女性がタンクトップに短パンという格好だったため、村に入るのを断ったそうです。

また別のオマーン人に会った時、彼は私の服装を見て、「君は肌をちゃんと隠しているし、おまけに髪も隠しているとは、すばらしい。私たちの文化を尊重しているね」と喜んでいました。服装によって相手への態度が変わるのです。

アバヤを着た方がいい?

外国人女性はアバヤを着る必要はありませんが、あればベターです。ドバイやアブダビ旅行の場合、外国人が多いので、外国人旅行者がアバヤ姿でなくとも目立ちません。現地で働くインド人やパキスタン人の妻もけっこういますし、彼女達はサルワーズカミースなどの民族衣装を着ています。

しかしオマーンは外国人や観光客は多くありません。現地に溶け込むという意味でもアバヤはあった方がいいかもしれません。上記のとおり「私たちの文化を尊重してくれている」と好印象を持たれるでしょう。

また現地では売春目的で働いているアジア系女性がわりといるらしく、私もその手の女性と間違われたこともあります。アバヤならその点「ちゃんとした女性」と見てもらえます。また異教徒でもアバヤを着ることは問題ありません。

女性が観光で注意すべきこと

服装以外で女性がオマーン観光で注意すべきことは何でしょうか?

現地男性への配慮

オマーンの男性はジェントルマンが多く、基本的に一人旅の女性にやさしいです。ただし油断は禁物です。

それは下心あってのやさしさというより、純粋に女性を思いやってのやさしさです。オマーンでは「女性は守るべきもの」というイスラムの基本的意識がしっかり生きているのです(他のイスラム圏以上に)。

そのため一人旅女性の要求は、かなり通りやすいです。「ホテル代をもう少し安くしてほしい」、「タクシー代を値下げしてほしい」など。意外にすんなり受け入れてもらえます。(もちろん限度がありますが) 

一人で道を歩いていると、車に乗った男性によく声をかけられます。もちろん営業目的でのタクシーがほとんどですが、そうではなく「女性がこんな所で一人で歩いていて、どうしたのだろう?」「車がなくて困っているのではないか?」と純粋に心配してくださっているのです。

なぜならオマーンで女性が1人で町中を歩くことは非常に少ないから。女性は家族の男性に付き添われて(あるいは女性2人で)外出するという社会通念があります。そのため外国人女性が1人で歩いていると「何か困っているのではないか?」と思うようです。そもそも車社会なので、歩いている人はあまり見かけません。

ある時、本当に車が見つからなくて困ったことがあります。少し町外れの場所へタクシーで行き、観光してからホテルに帰ろうとしたのですが、なかなかタクシーが通りません。行きに乗ったタクシーに待っていてもらえばよかったのですが、「どうせ見つかるだろう」と甘く見ていたのです。

ところがなかなかタクシーが通らず、しかたなくホテルまで歩こうと思った矢先(実際は歩ける距離ではなかったのですが)、私の横に一台の車が止まりました。「どこに行くんだ?」と車の主。ホテルの名刺を見せると、「乗りなさい」と。

これ以外にホテルに帰る手段がほぼなかったので、その車に乗りました。「お金は払いますか?」と聞くと、「どうぞご自由に」と。どうやら本当に親切で乗せてくれたらしいです。お金は払いましたが。

こういう方にたくさん会いますので、オマーン男性の親切に慣れきっていると、ごくまれにセクハラ目的の人に当たったりもします。好意で乗せてくれるといった車に乗ったところ、「ホテルの部屋に行ってもいいか?」などと言われたり。毅然としてノーと言えば、それ以上しつこく誘ってくることはありません。

タクシー利用時の注意点

オマーンのタクシーはメーターがありません(一部をのぞいて)。料金は事前の交渉になります。あらかじめ現地の人などに相場を聞いておくのがよいでしょう。

タクシー運転手は全てオマーン人です。運転手はオマーン人であるべしとの決まりがあるのです。(他の湾岸諸国はパキスタン人やインド人などが多い)

町から町への移動など長距離で利用する場合、ドライバーをホテルに紹介してもらうなど、素性が知れたタクシーに乗ることをおすすめします。

人の写真を撮る場合

イスラム社会といえども、女性の写真が撮れないわけではありません。(→イスラム圏で女性の写真を撮る時のマナーとエチケット

しかしオマーンの場合は、女性の写真は断ってから撮るようにしましょう。男性にも必ず一声かけて。オマーンの男女は写真を好まない人が多いのです。もちろん相手によります。状況と相手によってはニコッと微笑みかけて、すんなり無言のOKをいただける(相手も微笑み返してくれる)こともあります。

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