コーランの日本語訳を読もうとしましたが、とても難しくて読み進められません。
どんなふうに勉強したらよいでしょう?
お勧めの勉強方法があれば、教えてください。
そんな疑問に答えます。
(コーランの基礎知識は、「聖典コーランとは?日本人が知らない真実」をお読みください)
コーランは日本語訳であっても、理解するのが難しい書物です。私も読むのに苦労しました。
その難しさとは、まず順序だったストーリーがなく、色々な内容がごちゃ混ぜになっていることです。
全部で114章ありますが、1つの章が同じ内容で統一されてはいません。
そしてコーラン特有の表現があります。
いきなり読んでも意味不明なのです。ではどうしたら良いでしょう?
まずコーラン入門書を読む
いきなり読んでも意味不明なコーラン。それを読もうとするなら、まずは「コーラン入門書」を読むことです。
それらにはコーランの特質、独特の表現方法などが書かれています。それを読めば「コーランにはこんな内容が書かれているんだな」というのがわかり、その後でコーランを読めば、理解度がぐんと上がります。
コーランは順番通り読まなくていい
そしてコーランの読み方ですが、順番通り読む必要はありません。なぜなら順序だったストーリーがないためです。
逆に言えば、どこから読んでもOKということです。
(実際コーランには「やさしい章句から読め」という教えもあります)
おすすめのコーラン入門書は?
とはいっても、その「やさしく書かれた本」を見つけるのが実は大変なのです。
入門書と銘打っていながら、難しいものも多いからです。
そんな中で、いくつかおすすめを紹介します。
★『イスラームとコーラン』
文庫なので入手しやすいです。「コーランに何が書かれているか?」を知るには、この本が最適です。
「コーランの独特の表現方法」を知るなら、この本です。
ただ専門書の部類に入るので、少し難解です。
★『コーランを知っていますか』
作家の阿刀田高さんが書いた本で、楽しみながら読めます。
ただ私には最初、難しかったです。何度かトライして、挫折したの後、やっと読み終えたら、とても良い本でした。(阿刀田さん、ごめんなさい)。
本を読み慣れた人なら、スラスラ読めると思います。
仰々しいタイトルの本ですが、やさしく書かれていて、コーランからの引用も多い本。
巻末に本で引用したコーランの章句と該当ページが書いてあるのも良いです。
著者の水谷周さんは日本ムスリム協会の理事で、日本にイスラム教をなじみやすい形で紹介するのをモットーにしている方です。
あとはご自身で書店に行き、本を色々と手に取ってみて、気に入ったものを読めば良いと思います。
コーラン日本語訳のおすすめは?
私は岩波文庫の『コーラン(上)(中)(下)』をメインで読んできましたが、3冊に分かれているのが少々難点です。
日本イスラム協会の『聖クルアーン―日亜対訳・注解』は1冊にまとまっており、節が分かれているのが良いです。
ただ「注」の文字が小さいのが残念です。
『日亜対訳 クルアーン』も優れていますが、厚さ6cmほどあり、ハードカバーのため重いです。
『クルアーン やさしい和訳』の訳は、いちばんわかりやすいです。
どれがお勧めなのか?
私は複数持っています。というのも、同じ章句でも微妙に訳が違い、1つの本で理解できなかったものが、他を読んでわかることもあるからです。
これも実際に手にとって、使いやすいものを持つと良いでしょう。
そしてコーラン入門書を読みつつ、日本語訳をひもといてみる、というやり方が良いかと思います。
コーランを読んでみようという方の参考になれば嬉しいです。
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