なぜ世界中でイスラム教徒が増えているのか?
厳しい戒律なのに、なぜ入信者が増加しているのか?
そんな疑問にわかりやすくお答えします。
この記事を書いている私は、結婚でなく勉強して2009年イスラム教に入信。
イスラム入門書「イスラム流 幸せな生き方」など多数の本を出版しています。
2050年までに世界の3分の1がイスラム教徒になると予測されています。
(出典:Pew Research Center)
この記事では、イスラム教の入信者が増えている理由を、イスラム教の特性をもとにわかりやすくご紹介します。
イスラムは入信が容易
イスラム教徒になるのはとても簡単です。
2人のイスラム教徒の前で、信仰告白をするだけです。
その信仰告白とは、「アッラーは唯一であり、ムハンマドはアッラーの使徒である」と言うだけ。
時間は30分ほどです。
平等主義
イスラムでは神の前ですべての人が平等だと考えます。
「われらは一人の男と一人の女からあなた方を創り、さまざまな種族と部族に分けました。
それはあなた方が、互いに知り合いになるためです。」
(「コーラン」49章13節)
イスラムには他の宗教にあるような聖職者はいません。
「イマーム」と呼ばれる人がいますが、イスラムの知識に優れた人であったり、モスクでの集団礼拝の指揮をするだけの人です。
(参考:イスラムの基本思想② 信者間の「平等」・聖職者がいない)
弱い者にやさしい
弱者救済がイスラムの基本理念です。
貧しい人に施しをすること(喜捨)は、コーランに定められたイスラム教徒の義務です。
「アッラーの道に専心し、(商売の目的で)大地を巡ることができない貧しい人たちのため(に施しなさい)」
(2章73節)
社会的弱者には老人や妊婦、孤児などはもちろん、旅人も含まれます。
「喜捨(きしゃ)の用途は、まず貧者に困窮者、それを徴収して廻る人、心を協調させた人、(途中略)、旅人、これだけに限る」(
9章60節)
電車の中でお年寄りが立っていることは、イスラム圏ではまずありません。
男性は座っていても、自分の前に女性が来たら、さっと席をゆずります。
これは宗教の教え以前に、人々の間に根付いた社会習慣のようなものです。
(参考:イスラム教の特色③「人は弱い」という根本思想と社会的弱者の救済)
柔軟な戒律
イスラムでは「人間は弱い者」とされているため、信徒に厳しい戒律を課すことはありません。
豚を食べることは禁止されていますが、他に食べるものがなければ食べても良いとされています。
ラマダン月の断食は、病人や妊婦、老人は免除されています。
イスラム教徒は生前の行いによって、死後天国に行くか地獄に行くかが決まります。
たとえ悪行をしてしまっても、善行して挽回すれば良く、善行が悪行を上回れば天国へ行けるのです。
しかも善行の方が悪行よりも、ずっと大きくカウントされることになっています。
以上のように、イスラムは非常にゆるく、人に寛容な宗教であるということがわかります。
(参考:イスラムの基本思想① 人は弱く、イスラムの戒律はゆるい)
神に責任を転嫁できる
イスラムでは、この世に起こるすべての事は神のしわざと考えます。
失敗も神様の思し召しです。
リストラされたのも、神様の思し召しであって自分が至らないからではない。
悪いことがあっても、神の望んだことと受け入れ、自分を責めないのです。
何かに失敗して自分を責めるのと、神様に責任転嫁する、どちらが楽な生き方でしょうか?
イスラム圏はとても自殺が少ないと言います。その背景には、神にゆだねてしまうという心の救いが、大きく関係しているのです。
(参考:イスラム教徒はなぜ自殺しないのか?)
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