イラン北西部にあるキャンドバーン村。トルコのカッパドキアのように奇岩をくりぬいた家に今も人が住んでいます。
暮らすのは遊牧民を祖先に持つカシュガイ族。
約700年前にここに落ち着いたそうです。
キャンドヴァーンKandovan(کندوان)の場所
イラン北西部の都市タブリーズから南に50キロ、サハンド山(標高3,707m)の山麓にあります。
キャンドバーン村のようす
辺り一面、岩が山の斜面に沿ってにょきにょきと生えているかのよう。
家は2~4階建てです。岩をくりぬいた家は断熱効果が高く、冬は温かく夏は涼しくて快適なのだそう。
奇岩に暮らす人の多くは自分の住居を利用して土産物店を営んでいるため、岩の住居に入ることができます。売られているのはハチミツ、キリム(絨毯)、デーツ、薬草、トルコ製の毛糸の靴下、下着などです。

イラン人カップル。手をつないで、とても嬉しそうでした。
ここはイラン人にも人気の観光地で、平日にもかかわらず、かなりのイラン人ツーリストがいました。(外国人ツーリストはほとんどいません)
イラン人観光客はとてもフレンドリー。私を見て必ず、「一緒に写真撮っていい?」、「インスタグラムやってる?」など、しきりに声をかけてきます。
一方で、地元の人は、自分たちだけで静かに暮らしたい、というふうに思っている様子でした。
「一緒にランチ食べませんか?という女子学生に誘われて、ピクニックに合流させていただきました。村の前に川が流れていて、川をはさんだ向かいがキャンプ場になっているのです。
私が一人旅していると知って、みんなすごく驚いていました。「私たちはゼッタイ一人じゃムリ!」
キャンドバーンのホテル
奇岩の家を改修した宿があります。
キャンドバーンへの行き方
タブリーズで車をチャーターするのが最も簡単な方法です。
あるいは、タブリーズから「オスク」の町まで乗り合いタクシーで向かい、オスクからタクシーをチャーターすることもできます。
(余談ですが、このオスクという町はとても雰囲気の良い静かな町でした)。
私はオスクからタクシーをチャーターしました。
この時、うっかり助手席に乗ってしまったのがマチガイのもとだったのです。
出発してすぐ、彼は何かもごもご言ってきたかと思うと、手を私の膝の上に伸ばしてきた!
「ノー!」と力強く言うと、それ以上はやりませんでしたが。
最近は年のせいかこの手の誘惑からは遠のいていたのですが、完全に油断してました。
本来なら怒って車を降りてしまえばよかったのですが(また車を探すのが面倒でもあり)。
でも村に着くまで気が気ではありませんでした。
途中10分ほど全く民家がない草原地帯を走るのです。
女性の方は要注意です。
キャンドバーンへ行かれる方の参考になったら嬉しいです。
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