「変わるエジプト、変わらないエジプト」焼き立てのパンをほおばる幸せな時間

「焼きたてパン」というと、日本ではちょっとばかり特別なイメージがありますが、アラブ・イスラム圏では「焼きたて」が普通です。

パン屋で買ったパンを冷ましている。温かいまま袋に入れると、むれてしまうため。

エジプトで最もよく食べられているパンは、写真の茶色い平たいパン。
名前は「エーシュ」。

「エーシュ」には「人生」という意味もあります。

つまり、このパンはエジプト人の食と人生の中心的な存在なのです。

このエーシュ、生地に「小麦粉のぬか」がまざっていて、田舎っぽく素朴で味わいがある食感。

焼きたては、そのまま食べても十分おいしい。

エジプト人の父と日本人の母を持つ師岡カリーマ・エルサムニーさんの「変わるエジプト、変わらないエジプト」には、エーシュについて、こんな一文がありました。

「何年か前、仕事の関係でマリオット・ホテルに泊まったとき、ホテルの裏にあるうらびれたパン屋のパンにどれだけ助けられただろう。

外国人の住民が多い高級住宅街ザマーリクにはおよそふさわしくない昔ながらの薄暗いパン屋で、これまでザマーリクのマリオット・ホテルのすぐとなりとは信じがたいほどの安い値段で売っている素朴なパンは、私が大喜びで食べているのをはじめは半信半疑で見ていた母も、一口食べて表情がかわったほどの味わいであった」

アラブイスラム圏で一番のごちそうは、「庶民が毎日たべる焼きたてパン」。

そう確信しています。

エーシュを出す「穴場」ホテル

私のカイロの定宿は「スカラベホテル」。

ガイドブックには載っていない穴場ホテルです。

一泊2000円ほどなのに掃除が行き届き、部屋も広く、ホテルのレセプショニストも親切。場所はカイロの中心地。

でも私がこのホテルに泊まっていた本当の理由は、その朝食でした。エーシュが出てくるのです!

ホテルの朝食といえば、たいてい、ぱさぱさのコッペパンとジャム、チーズといったのが定番。

でもそこの朝食には、必ずエーシュに、フール(そら豆、エジプト人の定番の朝食)が出てくる。紅茶には、生のミントがどっさり!

朝エーシュとフール、生ミントたっぷりの紅茶が目当てで、私はこのホテルに泊まっていました。

 

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