『世界のくらし エジプト』が発売となりました。
『世界のくらし エジプト』が刊行となりました。表紙は本で紹介されている小学校の女子児童たちです。(これぞエジプト)という感じで、私の大好きな一枚です。
『世界のくらし エジプト』概要
国土の9割が砂漠、国民の9割がイスラム教徒のエジプト。ピラミッドに象徴される古代文明のイメージが強い国ですが、現地のくらしに目を向けると、活気あるスーク(野外市場)や豊かな食文化、ラマダン月の夜のにぎわいなど、生き生きとした日常があります。また、学校では日本式の教育が取り入れられるなど、日本とのかかわりも深い国です。
目次
【自然と気候】
エジプトはナイルの贈り物
【国のあらまし】
アラブ・イスラム世界の大国
【住居と習慣】
カイロ郊外にくらす家族
シンプルで心地よい住まい
ラマダン月のすごしかた
【食と習慣】
エジプトは家庭料理の国
人気の軽食やテイクアウト
パンが主食
食べるために育てる
【まちとくらし】
エジプトの首都カイロ
庶民のための看板や交通
活気あふれる食の市場
男女の服装や身だしなみ
【学校生活】
イスラム教徒のための学校
学びあいを重視する公立校
【子どもの遊び】
コーランの勉強や外遊び
【スポーツ・娯楽】
おしゃべりを楽しむ日常
【行事と冠婚葬祭】
人びとが一体となるラマダン月
聖者の生誕祭マウリド
歌って踊る結婚式
【くらしの多様性】
コプト教の日曜日のミサ
砂漠のオアシスのくらし
【SDGsとくらし】
学校から始まる環境改善
【日本との関係】
日本式教育の広がり
あとがき
「エジプト人は人生を楽しむ達人」とエジプトを訪れるたびに思います。
たとえば「食」。エジプト料理は油をたっぷり入れます。理由は、その方がおいしいからです。ご飯も油でいためてから塩を入れて炊きます。エジプトの友人に「日本ではご飯はどうやって炊くの?」と聞かれ、「水だけで炊く」というと、「え?それでおいしいの?」とおどろかれてしまいます。
だからエジプト人はふっくらしている人が多いようです。友人の奥様にはいつも「日本にはやせる下着ってあるんでしょ。こんど来るとき買ってきて」と言われます。「やせたければ食べなければいいのに」と思いますが、おいしいものをがまんしてまでダイエットにはげむという発想はエジプト人にはないのです。
食の内容も豊かです。たとえば肉なら、とり肉、牛、アヒル、七面鳥、ハト、ウサギなどレパートリーがとても豊富です。友人に「日本ではアヒルは食べないの?七面鳥は?」と聞かれ、「動物園にはいるけど」とき気まづく答える私。「じゃ、ハトは?」。「日本ではつかまえてはいけないことになっている」と言うと、目を丸くしておどろかれます。
ラマダン月もエジプト人にとって、大いなる楽しみのとき。大人も子どもも夜おそくまで友人や親戚とおしゃべりを楽しみます。だから結果的に、朝は起きられない。そのため多くの学校がラマダン中は休みになります。
学業よりも宗教行事を優先する。いかにもエジプトらしいです。「仕事の効率」が落ちると日本人ビジネスマンには評判がかんばしくないラマダン。でもいつも仕事優先のくらしと、ときにはふだんよりたくさん神様に感謝し、夜を徹して友人知人と楽しむくらし、どちらが幸せなのでしょう?どちらが人間らしい生き方なのでしょう?いちど考えてみてもいいかもしれません。
『世界のくらし エジプト』、ぜひお手にとってご覧ください!