ハラール食品とイスラム教の食事ルール 

ハラール食品とイスラム教の食事ルール

インドネシア・ジョグジャカルタの町の屋台。インドネシアでは屋台料理が人気。メニューはサラダや焼き鳥、つくね、甘く煮た卵など。

イスラム教徒は豚がダメって聞いたけど、あと何が食べられない?

最近よく聞く「ハラール食品」って何?

イスラム教徒の人をおもてなしするのに、どんな食事を出したらいい?  

そんな疑問にわかりやすくお答えします。

この記事を書いている著者🧕は、結婚でなく勉強して2009年イスラム教に入信。

イスラム入門書『イスラム流幸せな生き方など多数の本を出版しています。

この記事では、ハラール食品の意味、イスラム教徒が食べられないもの・食べられるもの、イスラム教徒をおもてなしする際に適した料理などをご紹介します。

ハラールフードとは?

ハラールミートとは

結婚式のお祝いのために羊を屠殺するチュニジア男性。屠殺の際は、必ず神の名を唱えてから頸動脈を切って血を流して処理する。そうでない肉は食べられないことになっている。

ハラール/ハラル(Halal)」とは、イスラム教で「許された」物事のことです。

イスラムでは人間の行為を5つに分けていて、その中に「ハラール」(許された行為)と「ハラーム」(Haram)」(禁止された行為)があります。

何がハラールで、何がハラームかは、主に聖典コーランに書いてあります。

食べることを許されている食品が「ハラール食品」です。

豚肉以外の肉・ハラールミートについて

イスラム教では豚以外の肉なら基本食べられます。ただし条件があります。

その条件とは、「正しい方法で処理されていること」。

具体的には「神の御名によって、神は偉大なり」という言葉を唱えて頸動脈を切って屠殺し、体内の血液を流して処理したものです。

現地の肉は全てこういう処理がされています。しかし日本で売られている肉は違うため、基本食べることができません。

日本在住のイスラム教徒は「ハラールミート」を「ハラールショップ」などで購入します。

ただし「豚肉でなければOK」という人もいますし、何が食べられないかは実際、本人次第です。

イスラム教徒が食べられないもの 

ハラールフード:エジプトの家庭料理

エジプトの家庭料理。チキンのグリル、肉を煮込んだスープ、野菜サラダ、ポテトチップ、漬物、ごはん。イスラムの食事というと制限が厳しそうなイメージがあるが、食のバラエティは豊かである。

食べてはいけないとされるのは、基本的に次のものです。

・豚

・豚に由来するもの
  ハム、サラミ、ソーセージ、ベーコン
  ラードやポークエキスが入ったもの(例:インスタントラーメン)

豚「肉」だけでなく、豚由来のものは食べられません。

(参考:イスラム教徒はなぜ豚を食べないのか?

・ハラールでない肉

・ハラールでない動物に由来するもの(例:ブイヨンやカレールー、ゼラチン入りのゼリーやマシュマロなどのお菓子)

 

・酒

・酒が入ったもの(例:料理酒、しょうゆやみりんなどアルコール入り調味料、洋酒入りのお菓子など)

ただ繰り返しになりますが、どこまでNGとするかは個人の考え方次第。

そこまで気にしないという方もいらっしゃいます。

イスラム法によれば、「ハラール食品が見つからない場所では、豚肉や明らかにアルコールが入った食品以外は、健康を維持するためなら食べても良い」とされています。

ですから、絶対避けるべきは豚肉や「明らかにアルコールが入っている」もの。

たとえばトンカツ、豚骨ラーメン、ウイスキーボンボンやブランデーケーキなどですね。

あとは、お相手や状況次第と言えます。

イスラム教徒が食べられるもの

エジプトの魚料理

魚をあげているエジプトの男性。中東では魚は生で食べることはなく、必ずフライやグリルにして食べる。

上記の「食べられないもの」以外は、ほとんど食べてOKです。

・野菜、果物、穀物、卵、乳製品、魚、豆などはOK。

魚は、一部の宗派ではウロコのない魚を食べませんが、基本的にOKです。

生魚は食べる習慣がありません。ただインドネシアでは寿司が人気あります。ですから一概に「イスラム教徒は寿司はダメ」とも言えません。意外に喜んでもらえるかもしれません。

バターなどはよく料理に使われますし、卵、ヨーグルト、チーズもよく食べられています。

・ハラール肉

・お菓子(アルコールやゼラチンやラード、アルコールなどが入っていないもの)

市販のお菓子で「食べられない成分が入っていないかどうか」を気にする場合、最近ならメーカーのお客様相談室に聞くと教えてくれたりもします。

肉やお菓子などは「ハラールショップ」で買うのが間違いないでしょう。

外食では、最近はハラール認証を受けているレストランなどもあります。

なお、病気治療のためにアルコールが含まれた薬剤の処方は許可されています。

エジプトのケーキ

エジプトの家庭のバースデーパーティ。エジプトをはじめ中東でも日本で売られているような洋風のケーキは人気。

イスラム教徒をおもてなしする時の食事は?

近くにハラールレストランなどがあればいいのですが、そうでない場合も家で用意することになります。

さてどんな物を用意したらいい?

実は食べ物については、人によって考え方は様々です。

同じ食卓に豚肉の料理があっても気にならない人もいれば、豚肉だけ避ける人もいます。

一方でハラール・マークのない食品には手を出さない人もいます。

事前に食べられるもの・食べられないものについて、聞いておいたら良いでしょう。

参考までに、現地の人がどんな物を食べているかをご紹介。

食事のヒントになるのではと思います。

肉料理

バーベキューするイラン女性

イラン人はバーベキューが大好き。肉はチキンと決まっている。炭火で焼いたチキンは本当に香ばしい。

イスラム圏で最もポピュラーな肉はチキンです。

その次は牛、羊などです。牛はどちらかというと、野菜とトマトベースで煮込むことが多いです。

レバーもよく食べられています。

インドネシアではサテという焼き鳥が人気です。これは甘辛いピーナツソースをつけて食べます。

イスラム教徒に肉料理を出すなら、バーベキューなど喜ばれるでしょうし、焼き鳥ならタレでなく塩で味つけしたものが良いでしょう。 

魚料理

エジプトの魚料理

エジプト人は魚料理もよく食べる。グリルの際は、中にサラダやスパイスを詰めて焼くことが多い。

魚もよく食べられています。たいていはフライやグリルにして食べます。

日本のように何もつけずに料理することは少なく、臭みをとるためにスパイス(ターメリックやコショウなど)やハーブ野菜などと一緒に調理することが多いです。

野菜料理

エジプトの家庭料理

エジプトの典型的な家庭料理。チキンのグリルと、モロヘイヤスープ、野菜のトマト煮込み、塩味で炊き込んだごはん。

野菜は生でサラダとして食べるか、煮込んで食べることが多いです。

日本のように「おひたし」にして食べるのは少ないです。

最もポピュラーな野菜はトマトで、これも煮込み料理に使ったりサラダに使います。

米料理

イランの家庭料理

イランの食卓。生野菜のサラダ、チキンの煮込み料理、ごはん。ごはんはターメリックで黄色く色付けしたごはんの上に赤い木の実で飾り付けするのが定番となっている。

イスラム圏の方々も米をよく食べます。

ただ主食とするのは東南アジアやバングラデシュなどだけで、パキスタンから西の国々ではパンが主食。米はどちらかというと、「おかず」の扱いです。

また日本のように何も味付けせずに米を炊くのはインドネシアやバングラデシュくらい。中東では塩を入れたり、ターメリックで色付けしたりします。

パン  

トルコのパン

トルコのパン。中東の中でもトルコのパンは最も美味しい国の1つ。地元の人はパンやからいつも焼きたてのパンを食べる。

アジアの人はご飯が主食ですが、中東の人はパンです。

主食だけあって、中東のパンは非常においしい。現地のパンは日本のものに比べてかなり歯応えがあります。日本の食パンはふわふわすぎて、少し物足りないかもしれません。

豆料理

エジプトの朝食

エジプト定番の朝食。左手の茶色いものが、フールというそら豆を煮込んだもの。これに好みでオリーブオイルやチリパウダー、塩、コショウなどをふりかける。チーズや卵焼きなども朝食によく出てくる。

豆もポピュラーな食材です。ひよこまめ、レンズ豆などです。

インドネシアにはテンペという大豆を発酵させた食品があります。

納豆のように臭みがなく、素朴でクセのない味。フライにしたり甘く煮込んだりして食べます。

 

イスラム教徒のハラール食品について知りたい方の参考になったら嬉しいです。

 

★テンペ

大豆を発酵させたテンペは栄養価抜群。しかも納豆のように匂いやクセがなく、料理に使いやすい。フライにしたり、甘辛く煮たりと様々な食べ方ができます。

★ハラール醤油

ハラールであることにこだわるなら、日本でもハラール認証を受けた醤油があります。

 

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