2019-09-04

イスラム圏で女性の写真を撮る*マナーやエチケット

イスラム教の女性の写真 エジプトの女子学生のしゃs

「イスラム圏で女性の写真は撮れません」「写真を撮るときは、必ず許可を得てから撮りましょう」。イスラム圏の国々の旅行ガイドブックには、必ずそう書いてあります。間違いではありません。

でも一律にそう決めつけてしまっては、楽しい旅の出会いや思い出を逃してしまうことにもなります。

もしあなたがイスラム圏に旅行に行き、とても素敵な笑顔の女性に会った。「ああ、写真撮りたいな」と思います。可愛らしい少女を見かけた。思わずカメラを構えてしまった‥。

その時に写真を撮るのはダメ?必ず許可を取らなければならない?

イスラム圏で女性の写真を撮る時の注意やマナーを解説します。

「イスラム圏」でも色々

まず「イスラム圏」といっても広く、ひとくくりにはできません。そして女性の写真を撮る状況(タブーか否かなど)も、国によって大きく違います。

イランの場合、男女とも写真が大好きです。今はみんなスマホを持っています。外国人を見ると、すかさず「一緒にセルフィー撮っていいですか?」と声をかけてきます。断るのが大変なくらいです。

インドネシア人も写真好きです。エジプト、パキスタン、シリア、ヨルダンなども、相手の了解を得て撮るのであれば、ほとんど問題ないでしょう。日本よりも写真に寛容なくらいです。

サウジアラビアに行った私の友人によれば、「すごくスムーズに写真が撮れて驚いた!」そうです。

意外にも撮りにくいのはモロッコです。男性も女性も写真が嫌いな人が多い。おそらく観光客が多く、不用心にカメラを向ける人がたくさんいるからではないでしょうか。

写真のタブーは「宗教」とは別

同じ国でも、地方や民族によって写真に対する態度は違います。パキスタンの場合、都市部の女性は寛容ですが、パシュトゥーン族など部族社会では写真に対して神経質だそう。

「もし不具合があったら女性の名誉のために(かつ男性と家の名誉を損ねられたとして)標的になる可能性がある」からだそうです。

中国にもイスラム教徒の方はたくさんいて、彼らは笑顔で写真に応じてくれるそう。一方で漢民族は写真を撮られるのをいやがるとのこと。

写真がNGかどうかは、宗教とは関係なく、その地域の風習・習慣・民族の考え方だといえるでしょう。(もっと言えば、各家庭の考え方だったりもします)

まずは笑顔

では、写真が撮れるシチュエーションになったら、大切なことは?

笑顔。これしかありません。

相手もニコッと応じてくれたら、だいたいうまくいきます。

そんな時に、わざわざ話しかけて「写真良いですか?」などと質問したりしません。

写真は一瞬の出会い。許可を取らずに撮ったからマナー違反、とはなりません。

その人を見て「ステキだな」と思うから撮る。それが相手に自然に伝わる。だから相手もすんなり撮らせてくれるのです。

撮っていいかどうかは、目があった瞬間の相手の表情とか雰囲気でわかるもの。

「撮っていいわよ」というオーラを感じたら撮る。これが大事です。

「写真を撮る前には了解をとってからにしましょう」とマニュアル通りでは思考停止です。

人と人

そしてこういった話はなにもイスラム圏に限った話ではありません。

日本だって許可を得なければ撮れないこともあれば、ニコッと笑ってすんなり撮れる場合もある。

人の写真を撮るとは、微妙なコミュニケーションの結果の産物です。そしてそれはとても素敵なコミュニケーションだと思います。

写真は言葉が通じない相手とでも、カメラがあることで無言でのコミュニケーションが可能だからです。

異国の、普通なら何の関わりもなく通り過ぎてしまう言葉が通じない誰かと、写真を撮ることで一瞬でも関係が生まれる。

コミュニケーションは言葉を介すことだけではないはず。

その意味で、写真は現地に一歩踏み込むツール

旅行を楽しむために、ぜひカメラを活用してくださることを願っています。

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