クルド自治区を女一人で旅する「クルド人のまち」が凛々しく美しい

「女一人でイスラム圏を旅して怖くないのか?」とよく聞かれます。

答えは「ノー」です。

一部の紛争地帯はのぞけば日本より安全なくらいです。

女だからこそ中東では安心

松浦範子さん(写真家)は、イラクやトルコ、イラン、シリアなどのクルド人居住地域をたびたび訪れ、「クルディスタンをたずねて」 「クルド人のまち」などの本を書いています。
IMG_0281(「クルド人のまち」(新泉社))

クルド人は、トルコやイラン、イラクにまたがって暮らす人たち。

これらの国ができる前から、この地に暮らしてきた先住民族です。

国に分断された結果、どの国でも少数派となってしまい、各国政府から差別的な待遇を受けてきました。

不満を抱くクルド人は政府への反乱を起こすこともしばしば。

そんな情勢不安定な場所を、松浦さんは女性一人で旅をし、本を書いています。

松浦さんご本人は、色白のとても華奢な方。

とてもクルド人地域の山岳地帯を歩き、家々を泊まり歩うようなタイプには見えません。

でも私はこう考えます。これがもし男性なら、クルド人居住区なんかをウロウロなんかしていたら、逆にあやしまれます。

女性だからこそ、警戒心をいだかれることがないといえます。

女一人ということで心配してもらえます。「女は守るべきもの」というイスラムの教えがあるからです。

 

イランで最も人が温かい場所

「クルド人のまち」の舞台はイランです。

クルド人が多く暮らす山岳地帯を旅しながら、彼らの文化、音楽、暮らし、政治的に置かれた状況などが語られています。

あらためてこの本を手にとったのは、先日の自宅に泊まったイラン人の若者が、「イランの中でいちばん人が良いのがクルド人の土地だ」と言っていたからです。

イランのクルド人は推定で500万人ほど。

イラン人はとてもホスピタリティあふれる人たちですが、クルドの人たちは、また別格だとか。

「クルド人のまち」には、彼女がしばしば訪れるクルド人の町パーヴェーの友人について、こういうふうに書かれている。

「私がホテルのないパーヴェーを訪れるたびに泊まらせてもらっているのが、そのガリブの家である。

いつもサナンタジあたりから電話をかけ、「明日行きます」とだけ言って、のこのこでかけて行く。

だが一度だけ、知らせる間もなく、朝の六時にパーウェーのバスターミナルについてしまったことがあった。さ

すがいい時間を置いてから訪ねようと思っていると、バス出一緒だった人たちが私を気づかい、さっさとタクシーを捕まえ、運賃まで払ってくれてしまった。」

早朝にたずねてきた彼女の姿を見て、家の奥さんは彼女を抱き上げ、グルグルと回したそう。

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こんなふうに、旅人とか見ず知らずの人を家に招き、食事をふるまい、「泊まっていけ」という・・・、これは、ここだけの話ではなく、イスラム圏一般によくあること。

この本はとにかく写真が美しい。ぜひ手にとって見てください。

 

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