2015-05-07

『20代で隠居』月収10万円以下で豊かな暮らし

週2日だけ働き、あとは好きなことをして暮らす20代男子の本「20代で隠居」

月収10万円以下でも「毎日フツーに楽しくくらせています」とのこと。

ユーモアとエスプリ

住むのは東京の多摩地区にある2万8千円のアパート、テレビは持たない、携帯も持たない、冷暖房は基本的に使わない、暖房はゆたんぽ、買い物も本当に必要なものだけ・・

と、一見よくある節約本あるいは貧乏暮らしっぽい内容ですが、悲壮感ただよう感じではもちろんなく、それどころか、そこはかとなくユーモアやエスプリがきいていて、また人生を達観視した記述も多く、20代とは思えない老成ぶり、まさに「隠居本」という感じで魅力的です。

読後感は「ああ、こんなふうでも暮らしていけるんだな~」という安堵、でしょうか。
その暮らしの一端をご紹介します。

散歩して野草をつむ

隠居生活は自由時間がたっぷりあります。そんな自由時間に何をしているかというと、近所の公園で日光浴をしたり、野草を摘みに行ったりしているそうです。その際「もっぱら情報の氾濫している駅前などの場所は避け、川とか公園とか、自然の多いところに行くのがポイント」だそう。

「自分を見失いそうになったときも、散歩がいいようです。(途中略)私は空や木や水など、自然のものをひたすら眺めることにしています。そのうちに、宇宙的視点というか、20万年ぐらいのスパンで出来事をうまくながめられるようになると、だいたいのことは宇宙の塵みたいなもんでどうでもいい、と思えることが多いです。」

本ではヨモギやノビルといった野草の調理法が紹介してあります。
たとえば、ヨモギ。

調理法
1.まず、採ってきたヨモギを半日ほど天日に干します。
2.塩茹でします。
3.水にさらします。
4.醤油を少し混ぜた水に浸けおきします。(醤油の割合は、アクの強さによって変わります。やわらかい若葉の頃なら少しでOK)
5.水で絞って水切りします。
6.フライパンで、弱火出かりかりになるまで乾煎りします。水気が完全になくなったら粗熱をとり、保存容器に入れておきます。(本当は、天日に干すのがいいのですが、私のアパートにはベランダがないので、これは窮余の一策。)

私も多摩地区暮らしですが、さっそく今日から野草でもつんで料理しようかな、という気にさせられます。

テレビよりラジオ

情報源はもっぱらNHKラジオです。

「このNHKラジオが、あったことをただ淡々と伝えるだけで、私にはとても優良な放送をしているように思えます。
情報が、ザ・客観的!
言うことだけ言ったら、「答えはあなたが勝手に考えてください」とばかりに終わります。これですよ。人の頭の中にまで土足出ずかずか入ってこない、この感じ。
入っても、玄関まで、という昔気質の人みたいで、とても好感が持てます。」

034砂漠での唯一の電化製品はラジオ。「テレビは人殺しのシーンを見させられるから」(「女ノマド、一人砂漠に生きる」より)

生活は引き算

ところで、なぜ隠居生活?
きっかけは、年下のアルバイト仲間の突然の死でした。「人間って順番通りに逝くわけじゃないんだ・・」とショックを受けた。
自分も突然、死ぬかもしれない。。。。
だとしたら、今日「何ができるか」考えるより、「何はしなくていいか」と消去法で考えるべきではないか? と思うようになったのでした。

今すぐやらなくてもいいことを、バシバシ引いていって、あとに残ったものから、どうしても死ぬ前にやっておきたいことだけをするのです。そしたら、今夜いきなり死神が遊びに来ても、まいっか、とりあえず入れよ、と迎えられそうです。
これは今でも私の行動基準みたいになっていて、やりたくないことはやらないし、付き合いたくない人とは付き合わない。」

結局、人生は何を取るか、だと思います。安定しているからとイヤな職場でがまんして働き続けるか、あるいは生活をミニマムにして週2日だけ働くか。。。

それにしても、20代のうら若き男子が野草をつんでいる姿って想像するだけで楽しい。
ためになる上におもしろい! この本オススメです。

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