「女ひとり、イスラム旅」というイスラム圏の旅の本を書き、よくイスラム圏へ行くというと、「危なくないの?」と必ず聞かれます。
もちろん紛争地などは危ない。しかしそれ以外は全く安全ですし、これまで東南アジア、アメリカ、ヨーロッパ、ニュージーランドなど旅してきた中では、旅行しやすさ、旅の楽しさはイスラム圏がダントツです。
人が温かい
なんといっても、これに尽きます。バスの中で知り合った人が、「一人なの?私の家に来なさいよ」と言ってくれることは、数知れず。カフェに入れば、「お金はいらないよ」と言われることもしばしばです。「旅人を助けよ」、「弱者を助けよ」という教えがイスラムにはあるからです。
しかしそれだけでは説明できないものがある。イスラム圏の人々はとにかく心が温かく、やさしいのです。
中でも最も旅人に親切なのは、パキスタンとイランの人々です。総じて外国人旅行者が少ない、そのあたりにも理由があるでしょう。
治安が良い
一部の紛争地をのぞけば、日本以上に安全です。凶悪犯罪は極端に少ない。
ニュースではどうしても、テロや紛争などセンセーショナルな「事件」が報道されますから、「危険」なイメージがひとり歩きしてしまいがちですが、普通の庶民の暮らしはいたって平穏です。
イスラムが安全な理由。その一つは、宗教の教えが生活に根付いているからでしょう。イスラムの教えは簡単に言って「人を殺してはいけない」「親にやさしくしろ」などという生活を律するもの。
信者は「悪いことをすれば地獄へ落ちる」と本気で信じています。死んだら天国へ行きたいから、悪いことはしない。これについては、こちらもご覧ください
女性に親切
イスラムの国というと、「女性が旅するのが大変」というイメージがありますが、全くの誤解。女性だからこそ、旅がしやすい。実際、一人旅している女性はたくさんいます。
イスラムでは、「女性は守るべき存在」と考えられている。そのため、女性が一人で旅していると地元の方は心配してくれます。「ちょっとわたしの家に寄っていきなさい」などという展開は少なくないのです。道を聞けば、親切に目的地にまで案内してくれたりします。
もともとレディーファーストというのは中東が起源だと言われています。満員のバスで立っていると、するとすかさず男性が席をゆずってくれる。それも、自分よりもずいぶん年上の、父親くらいの年齢の男性が・・・。
列車のチケット窓口や映画館で列を作っていても、女性は割り込みOK。ズンズン列の先頭に割り込んでいって、優先的にチケットを買えます。男性は文句を言いません。
交通機関が発達している
中東や北アフリカの国々には、乗り合いタクシー(バス)が非常に発達しています。乗客が集まり次第、出発するもの。小回りの良さが魅力です。たいてい公共のバスなどよりも早く目的地に到着します。
一部の地域ではボロい車体もあるものの、チュニジアなどでは、かなり綺麗。逆にモロッコなどでは、鉄道やバスの便がヨーロッパ並に発達しています。
物価が安い
国にもよりますが、東南アジアのラオスやミャンマーなどに比べれば高いものの、欧米の国々や日本などに比べれば、ずっと物価が安い。
具体的な物価については、こちらを参考に。
では、よい旅を!