イスラム教徒女性に婚活疲れがない理由

イスラムの結婚式

インドネシアの結婚式で中央の新郎新婦を囲んで記念撮影する友人たち。

「イスラム教徒の女性って、男性と自由にお付き合いできないんでしょ? かわいそう」

「黒づくめの服を着て、どうやって結婚相手を探すの?」

よくそう聞きます。

私も以前はそう思っていました。

男性と付き合ったことがなくて、良い相手が選べるのか?

黒づくめの格好で、どうやって異性を惹きつけるのか?


実は「異性と付き合えない」「黒づくめの服装」だからこそスムーズに結婚できるのです。

詳しくご紹介しましょう。

婚活疲れは出会いの多さから

数年前、私はある結婚相談所の所長と話をしました。その時彼がポロリと漏らした言葉が忘れられません。

「恋愛しちゃうと結婚できないんだよね」

思わず「なぜですか?」と私。

「恋愛でいろんな男を見ちゃうでしょ。特に若い頃は若いなりに男が寄ってくるから、いろいろな男と付き合うチャンスがある。」

「そしていざ結婚しようとなると、前付き合った男と比べちゃうんだよ

「そして〝ああ、もっと良い人がいるかもとか〝前の彼氏の方がよかったとか思う」

「だから目の前のチャンスに気づかない。その結果、なかなか結婚できないんだよ」

(がーん、それは自分のことかも!)

「恋愛と結婚って別のものだよね」と所長。

「でもモテる女性はいつでも結婚できると思っちゃう。それも間違いなんだけど、楽しく恋愛してるうちに、どんどん年とっちゃう」

「若い時の結婚は比較対象が少ないから上手くいくけど、年をとってくると、それなりにいろんな男を見るから、逆に選びづらくなる。そういう女性多いよね」


まずはプロポーズ

イスラム社会の男女は出会いが限られていますから、「この人を逃したら後がない」という思いが働きます。そして結婚へとスムーズに進みます。

向こうでは男女の付き合いは全て結婚前提です(基本)。婚外の男女関係が禁止されているからです。

気に入った女性がいたら、まず男性がプロポーズし、女性の父親の了解を得なければなりません。(婚約破棄はよくあります)。

だから男性は女性を見る時「この人は結婚相手に良いかどうか」で女性を見ています。

「この娘と付き合ったらどうかな?」ではありません。

だから結婚までの話が早い。

男性が女性を気に入れば、とんとん拍子に結婚まで行ってしまいます。

じっくり付き合ってから結婚した方がいいんじゃないの?

そういう意見もあるでしょう。

もちろん会ってみて嫌なら婚約破棄すればよく、それはしばしば起こります。

私が見ているかぎりでは、女性から断るケースが多い。

もちろん最近は高学歴などの影響で晩婚化が進み、結婚したくてもできない女性が増えてはいます。

それでも「結婚できない」悩みは、日本ほど深刻ではないのは、まず婚約しないと交際できないからです。


自由恋愛で得するのは誰?

付き合はすべて結婚前提。これは女性にとってメリットが大きいと思います。つまり「やり逃げ」がないからです。

自由恋愛できるがために、逆に悩んでいる女性は日本でも少なくありません。

「もう1年も付き合ってるのに、いっこう結婚の話が出てこない。こっちから言い出すと、めんどくさい女って思われそうだし」

「付き合ってる彼にどうやってプロポーズされるか?」

今どき本屋に行けば、恋愛本がいっぱい並んでいます。内容はほとんどがモテるコツ、結婚できるコツ、付き合ってる彼にどうやってプロポーズされるか?‥‥

5年間付き合って、てっきり結婚すると思ってたのに、他に好きな女性ができてサヨナラですって。私のあの5年間は何だったの?」

その5年間に当然肉体関係があるわけで、イスラム圏なら極端な話、女性の父親に殺されても文句は言えません。

さんざん女性とセックスし、あきたら他に乗り換えても文句は言われない。

 自由恋愛は「自由」なようでいて、それは「男性にとっての」自由だったりします。

男が責任を負うことなく性的欲求を満たせる制度です。

イスラムでは自由恋愛を認めておらず、結婚を約束しなければ女性の手すら握れない。だから男性は結婚を急ぐのです。

日本は結婚しなくてもセックスできる→結婚の価値が下がる。

結婚しなくても自由にセックスできたら、結婚なんかしなくていいと考える男も当然いるわけです。

おせっかいおばさん健在

さらにイスラム社会で女性がスムーズに結婚できる理由として「おせっかいおばさん」がまだまだ健在だという点があります。

結婚は宗教で決められた義務です。(参考:【永久保存版】「イスラムの結婚ルール」

そこで女性が年頃になれば、周囲の人がどんどん話をもってきます。家族や親せきのつながりが強いからです。

「イスラーム復興とジェンダー」によれば、エジプトの女性が結婚したい場合、こんなふうにスムーズに相手が見つかるそう。

「結婚したい、こういう条件の人がいいと、友だちや知人に言っておくと、彼らがネットワークから探してくれる」

「イスラーム復興とジェンダー」

本気で結婚したければ、一番良いのは信頼できる人の紹介や見合いなのです。

でも日本女性は根拠のない恋愛至上主義にとらわれている。それが残念です。

恋愛から結婚に持って行くには本人の駆け引き力などが必要です。周囲は何もお膳立てしてくれません。

それは恋愛下手の女性にはけっこう辛いことです。

そして通常お付き合いから結婚までは、4年くらいかかります。(参考:「居場所」のない男、「時間」がない女」

32歳の女性が付き合い始めたら、36歳です。「長い」と思いませんか? 

見合いなら4年なんて気が遠くなるような時間がかかることはないのに。

お見合いで幸せになれる?

「でもお見合いって愛情がない結婚ですよね。幸せになれるのでしょうか?」そう思う人もいるでしょう。

一昔前は日本も見合い結婚が主流でした。

そしてほとんどの夫婦は仲良く暮らしていたはずです。

 長く付き合ったから、結婚がうまくいくとは限りません。

10年間同棲して結婚後にあっけなく1年で離婚したカップルを私は知っています。

一方で出会って1ヶ月で結婚し、今でもラブラブに暮らしている夫婦もいる。

「じっくり付き合った→結婚がうまくいく」とは、必ずしもならないのです。

お見合いなら、身元がはっきりしているので、「付き合ってから男に妻がいることがわかった、二股をかけていた」などのリスクもありません。

イスラム圏では見合いを支持する女性が圧倒的です。

「相手や家族のバックグラウンドがよくわかっているし、見合いの方が安心。恋愛よりベターな相手が見つかるもの」

出会いが見合いであっても、お互いを理解し、愛を育てていこうという気持ちがあれば、うまくいくものです。

さいごに

「恋愛で女を磨く!」などと、恋愛を奨励する今の日本。

しかし自由恋愛だから、かえって結婚しにくくなっているという側面もあるのは、先に書いたとおりです。

もちろん自由恋愛できないイスラム女性には、別の不自由もあります。

女性は独身でいると、社会の批判的な目を浴びてしまう。

独身で気楽に一人暮らしをエンジョイしている女性は日本よりずっと少ないでしょう。

その意味では一昔前の日本と似ています。

日本も以前は「まだ結婚なんて」と思っても、周囲のおせっかいで無理やり見合いさせられたもの。

 

今はフェイスブックなどで異性と知り合うチャンスも大いに増えました。

すると今目の前に魅力的な男性がいるのに、もっといい人がいるかもしれないとなってしまいがちです。

自由を謳歌しているようでいて、実は見えない不自由な深い闇の中に投げ込まれていると言えないでしょうか。

「婚活」という言葉がブームになるほど、結婚したくてもできない女性が多い現実。

もちろん「私は一生恋愛して生きていく!」「結婚に興味がない」という女性が無理に結婚する必要はありません。

「結婚イコール幸福」では決してないですから。

でもたいていの女性は「いつかは幸せな結婚をしたい」と思っているもの。

その幸せな結婚は「いつかはできる」でも「待っていれば王子様が現れる」では決してありません。自らつかみとるものなのです

自ら掴み取るには、恋愛結婚にとらわれず、また「自分を高く売る」ことに、もっと賢くなった方がよいと思います。

‥‥とっくに年ごろの域を過ぎた私は思います。

 

結婚したい女性の参考になれば嬉しいです。

 

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イスラムの結婚については、この本に詳しいです。興味のある方はぜひご一読ください。

 

 

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