イスラム女性は結婚まで処女であることに「全く不自由と感じていない」と書きました。
そして男性は「結婚するなら処女」という人がまだまだ大多数。
それはなぜなのか?
そしてこれはイスラム圏に限った話なのか?という問いです。
なぜなら「処女」であることにプレッシャーや劣等感を持つ女性は少なくないからです。
「〇歳で処女なんて恥ずかしい」
「彼氏に処女だって打ち明けると重いと思われそう」
「この歳まで処女なんて、恥ずかしくて言い出せない」
‥そんなふうに思う必要は果たしてあるのでしょうか。
中古だから
なぜイスラム男性は「結婚するなら処女」なのか?
「非処女は中古だから」とは、あるイラン人男性の意見。
これを聞いた時は絶句しましたが、考えてみたらうなずける部分もあります。
もし車を買うとして、値段が同じなら新車と中古車どちらを選びますか?
アクセルやブレーキをどんなふうに使ったかわからない中古車と新車があったら。
過去にどんな使い方をされたかかわからないPCと新品があったら、どちらを買うでしょう?
値段が同じなら、後者ではないですか?
「人はものとは違う!」と思われるかもしれません。
でも前の男性の記憶が染み付いているかもしれない、と思う方もきっといる。
男性は相手の女性を自分の色に染めたいもの、ではないでしょうか。(私が男性なら、きっとそう思います)
遊びと結婚は別
イスラム社会にも実際には自由恋愛を謳歌する男女もいます。
でも男性は決まって言います。「彼女はいるけど結婚はしない。処女じゃないから」。
結婚相手に求める重要な条件の1つは「処女」であること。たとえ45歳で処女でも、未婚なら誇るべきことです。
他の人ともやるかも
「結婚前に男と寝るような女は、結婚してからもきっと別の男と寝るだろうから」という意見もあります。
あちらの男性は嫉妬深い。それも関係しているでしょう。
せっかく結婚したのに、不倫されたり別の男の子供を産まれてしまったら困ります。
平穏で幸せな家庭を築きたいというのは誰もが持つ願いです。
意外にいい処女と童貞の結婚
こういうわけでイスラム社会では処女と童貞で結婚するカップルは少なくありません。
それでも幸福度はとても高いです。イスラム教徒が語る幸せな初夜と幸せな結婚観
女性たちはこう言います。
「処女で結婚するのって、いいと思う。初めて異性と寝て緊張したりドキドキしたりするその価値が、2人目、3人目といくと薄れてきてしまうという、という感じかな」。
処女より非処女の方が離婚率が高いことは統計で実証されています。
日本では?
日本のあるアンケートでは、結婚を希望している男性のうち約8割は処女を希望しているそうです。
実は日本の男性も本音では処女が好きなのです。
「処女なんて重い」という意見もたしかに聞かれます。
遊びの相手をさがしている男性にとっては、重いです。責任を持たなければならない。
すでに何人とも経験がある女性なら、後腐れなく別れられるだろうと想像するでしょう。
でも真剣に将来をともに歩んでいきたい女性を選ぶとしたら?
コンプレックスを感じる必要はある?
日本には結婚しなくても男女が性交する自由があります。
では「しない自由」はどうでしょうか?
「処女」であることにプレッシャーや劣等感を感じ、そのために否応なく、という人も少なくないのでは?
しかし上記に見たとおり、本音では男性も処女の方が嬉しい。
「処女」は恥ずべきことではないのです。
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私は決して「結婚まで処女でいるべき」と言いたいわけではありません。
「恥ずかしい」と思うのが間違っていると言いたいだけです。
好きなら体の関係を持つのは、悪いことではない。
でも「しないと嫌われるから」「29歳で処女は恥ずかしいから」は、明らかにおかしい。
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付き合っている間も大事にされ、結婚した時は幸せな家庭を築期待と思ったら、処女であることはプラスになっても、マイナスにはなりません。
男性は誰でも「あなたにとっての初めての男」でありたいものだからです。
【参考図書】
20年間の取材によるイスラム女性たちのリアルな日常を紹介。モロッコ、チュニジア、エジプト、イラン、パキスタン、モルディブ‥‥。歌あり踊りありデートあり。「抑圧」などメディアによって作られたイメージと違う、生き生きした女性たちの実像を紹介します。
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