「ある」メリットより「ない」メリットに着目すれば、シンプルな暮らしを楽しめる

旅の文化研究所主宰の「第19回旅の文化研究フォーラム」で「漂泊という旅」シンポジウムが行われ、パネラーとして参加しました。

これは、移動しながら暮らす人と関わってきた3人(サンカ研究者の筒井功さん、元編集者で専修大学教授の川上隆志さん、私)が、そんな人々の暮らしについて語りあうものです。

■モノを持つことより身軽さを

私がお話させていただいたのは、エジプトの遊牧民についてです。

昨年出した、「女ノマド、一人砂漠に生きる」という本の主人公であり、女一人で砂漠を移動しながら生きている遊牧民サイーダさんのこと。

 

彼女は家はなく、ラクダと、砂漠(ナイル川の東)を点々と移動して暮らしています。
荷物は、ラクダ1~2頭に積みきれるだけ。

ご主人と子どもさんは他の遊牧民と同様、町や定住地に暮らしています。

でも彼女は、「一カ所にじっとしているのはいや」と、砂漠の暮らしに固執します。

モノを持つことより身軽さを、生活の安定より自由を選んだのです。

■「ない」ことを楽しむ発想の転換

身軽な暮らしでは、ふつうにありそうな物がありません。ただ、この「ないないづくし」の暮らしを、彼女はけっこう楽しんでいるようです。

こんな具合に、です。

・テントがない→「寝るとき、いつも星が見える」

・テレビがない→「テレビのニュースは誰かが死んり戦争の話ばかりだから、知らない方が嬉しい」

・冷蔵庫がない→「料理したらすぐ食べるから、食べる物はいつも新鮮」

・食材が少ない→「小食でいつも歩き回っているから、健康そのもの」

一見デメリットと思われる暮らしも、彼女にとってはメリットに。

きっと無意識に、発想の転換を行っているのでしょう。

「ない」ことのデメリットよりメリットに着目することこそ、人生を楽しくすごす知恵かもしれません。

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【「女ノマド、一人砂漠に生きる」】
女性一人で砂漠を移動しながら暮らす遊牧民サイーダと暮らしたノンフィクション。

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