エジプトの砂漠で一人で遊牧生活を送るサイーダ。
生まれた時からずっと砂漠に暮らし、学校に行ったことはない。
字も読めず、全く本をよんだことがない。
でも、その彼女の言葉に、しばしば、「はっ」とさせられます。
「小さく食べれば健康になる」
「私は妊娠中もよく働いたら、赤ん坊も太りすぎずにスムーズに生まれたんだ」
すべては自分の体験から得た知識。
本やネットの情報がないからこそ、砂漠の遊牧民たちは、自ら体験して試してみるしかなかった。
妊娠中に重い荷物を持って歩き続けたらどうなるのか?
たくさん食べたら、病気になるのか、健康になるのか?
そうやって自分の身体を使って得た知識は、頭と体に刻み込まれます。
もちろん本やネットには有益な情報がたくさんある。
けれども「二次的」に得た知識は、その場では「なるほど」と思っても、たいてい時がたつと忘れてしまう。
自分の身体を使って体験したことではないから。
毎日200冊以上の新刊が出され、ネット上の情報があふれる今。
だからこそ、他から得た情報より、自分の行動から導き出された知識や知恵の方が価値がある時代です。
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女性一人で砂漠を移動しながら暮らす遊牧民サイーダと暮らしたノンフィクション。
「社会に出てから本当に意味を持つのは、インターネットにも本にも書いていない、自らが動いて夢中になりながら手に入れた知識だけだ。
自分の力でやったことだけが、本物の自分の武器になるのである。」(「僕は君たちに武器を配りたい」)