アラブ・イスラム女性の地位|未婚・既婚・子持ちなど
アラブの女性の「地位」を分けるのは「既婚か未婚か」です。それによってステイタス、外見までもが違ってきます。
一昔前は日本の会社でも「結婚して男性は一人前」などと言われたもの。「結婚」が人生のターニングポイントなのは、アラブ・イスラム社会も同じです。
しかしことアラブ女性にかぎっていえば、結婚を機に「地位・化粧・服装」などががらりと変わります。
未婚・既婚で違うこと
服装
未婚か既婚かで、女性の服装が変わります。これはもちろん国によって容態は様々ですが。
私が住んでいたエジプトでは、既婚女性は黒や茶など地味な色のアバヤを着ます。対して未婚女性は華やか。だからとてもわかりやすい。この人は結婚しているのか否かが。
化粧
眉を整えるのは基本、既婚女性だけです。未婚の女性がやるのは、よしとされない。なぜなら結婚してからやるものという認識があるからです。
だから女性の服装や顔を見れば、「結婚しているかどうか」がわかるのです。
性の話題ができる・できない
未婚女性に性の話題はタブーです。セックスの話はもちろん、お産や赤ん坊に関することなども。未婚は「(性のことを)何も知らない」のがよしとされるからです。
どんなに年をとっていても、未婚なら「ビント(処女の意味がある)」の扱いです。
結婚したら下ネタ、子づくりの話題もOK(女性同士にかぎる)です。子供ができない女性がいれば、みんなで心配し、秘薬の情報まで交換しあったりもします。
行動範囲
アラブの未婚女性は行動制限が多い。女性の貞節を厳しく監視する社会だからです。家族の男性から「どこに行く?」「何時に帰る?」とうるさく聞かれ、とてもうっとうしい。
私がエジプトで借りようとしていたアパートの下見に行く時、未婚の友人に同伴を頼もうとしたところ、父親が許してくれませんでした。代わりに彼女の姉(既婚)が付き合うことに。
結婚することで女性は行動範囲が広がります。果ては人生の楽しみも広がるように思います。
女性同士のランク付
既婚女性の中でも「格づけ」があります。
「子持ち」→「既婚者」→「バツイチ」→「未婚」
子を産むことで、妻・母親としての地位がゆるぎないものになる。
離婚した女性も半人前扱い。周囲から早めの再婚を迫られ、周囲が勝手に再婚話を持ってきます。
早く結婚したい!
これまで読んでお分かりのとおり、未婚女性はなにかと不自由が多い。そこでアラブ・女性はなるべく早く結婚したがります。
「結婚か仕事か」の二者択一はありません。結婚はごく当たり前のもの。結婚を仕事と引き換える人生なんて思いもよらない。
これは仕事を軽んじているわけではなく、「仕事と結婚は別もの」なのです。
外国人女性も格付けに従って
まず聞かれるのは「結婚してるの?」
アラブ人が初対面の相手を知る場合、一番興味があるのは「既婚か未婚か」です。
つまりこれまで書いたように、それによって未婚か既婚かで「ステイタス」が変わるから。
日本人の場合、初対面の相手にはまず「仕事は何してるんですか?」などから入ると思うのですが、アラブ人はいきなり「結婚してるのか?」です。
「結婚している」と言った方が良いことも
「結婚しているのか?」と聞かれたら、とりあえず「「イエス」と答えておいた方が良い場合もあります。
男性も既婚女性には敬意のこもったマナーを示します。未婚だと、どうしても結婚や遊びの相手と思われがち。
「結婚している」と答えると、すかさず「子供は何人?」と聞いてきます。
しかし「いない」と答えてしまうと、また大変。果ては「やることやってるのか?」「医者に行ったのか?」と言われたりも。
こういう時のために、「結婚してまだ日が浅い」とか、「子供は2人いて、母親が面倒見ている」などと答えを用意しておいた方が良いでしょう。嘘も方便、です。