シリアのとんがり帽子の家の村に泊まりました。中部の町ハマから車で20分ほどの場所にあるタイベットトルキ村です。
村長さんの家に招かれて
村の人たちは、元ベドウィン(アラブ系遊牧民)。250年ほど前に村に定住したそうです。
現在暮らしているのは40家族ほど。同じ家族を祖先とする人たちです。
村長ラドワンさんの家に招かれました。
リビングに、まるで博物館から抜け出してきたかのような立派なコーヒーセットが。
シリアの村でのコーヒーの飲み方は、少し変わっています。一杯飲みほして「もういらない」と合図しないかぎり、おかわりが注がれ続けるのです。
私はこれを知らず、注がれるままに何杯も飲み続け、お腹がガボガボになってしまいました。
村ではもめ事などが起こると、警察ではなく村長が解決します。そのためラドワンさんの家には、いつも誰かが出入りしています。
その際には必ずコーヒーでもてなすため、 彼は一日のほとんどをコーヒーを飲んで過ごす。
一日に飲むコーヒーは、20杯以上だとか。
男だと思ったよ
実は私はこの村に15年以上前にも来たことがありました。その時も彼のに家に招かれたらしいのです。
ところが、私はすっかり忘れてしまっていました(なんという恩知らず。。。)。
以前招かれたのは、とんがり帽子の家だったようです。その頃は、今家族が暮らしているコンクリートの家はありませんでした。
現在、村のとんがり帽子の家は、家畜小屋や倉庫として使われていることが多いとのこと。全く使われなくなってしまったものもあり、そういうものは急速に朽ちてしまいます。
「あんた前回会った時は、男だと思ったけど」とラドワンさん。
「あの時は髪が短かったから男じゃと思っとったよ。今はスカーフをかぶってるから、女だとわかったんだ」
(ええ!)
ここの女性たちは、みな髪が長く、また女が1人旅する習慣も、ここにはありません。
そして私の服装は今も当時も、色気のないダボダボズボン。だからって、男にまちがえられるなとは……。
ラドワンさんの家で、夕食をいただいてしまいました。ほうれん草の煮込みとキャベツの煮込み、ヨーグルトなどでした。すべて自家製。料理を載せた丸い大きなお盆を囲みます。
料理はホブスという平たいパンで料理をはさんで食べます。
★この後の話は、「女ひとり、イスラム旅」にて。シリアの他の地域の話も載っています。