オマーンで最も美しい城であるジャブリン城 (Jabreen Castle)。
オマーンの数多くの城や城砦の中で、これほど優雅さと装飾の美しさを持つものは、他にありません。
なので、建築物にものすごく興味がある、時間がたっぷりあるという人以外は、ジャブリン城だけ見れば、オマーンの歴史的建造物の観光は十分ではないかな?
と個人的には思ったりもします。(合わせて近くの世界遺産・バハラ フォートを見れば)
オマーンのフォートや城は、どれも造りが似ているからです。
そのジャブリン城の美しさと魅力を詳しくご紹介します。
ジャブリン城のユニークさ
1671年に、当時のイマーム(統治者)Imam Bel’arab bin Sultan Al Yarubiの宮殿として建てられました。
オマーンの城や城砦の多くは、戦乱時代に防衛目的で建てられています。
対してジャブリン城は、オマーンが平和な時代に、イマーム自らの住まいとして建てられた。それが他との大きな違いです。
文芸を愛したイマームは、この城で多くの詩人を歓迎したそうです。
建物は3階建です。イマームの家族たちの住居と客を迎える応接間が全体の中の大きなウェートを占めていますが、それ以外にも図書室やコーラン学校、モスクなどもあります。
城はイスラム法学や歴史、医学、天文学など様々な学問を学ぶ場所としても使われていました。
そしてここから、多くの有名な学者や思想家が巣立っていったそうです。

図書室。
千夜一夜物語の世界
イマームが芸術や科学をこよなく愛したため、宮殿内のインテリア、調度品なども気品のある美しさにあふれています。
各部屋には古い家具、手工芸品などが展示されています。アラビアンナイトの物語の中に身を置いているような気分。

壁に施されたアラビア文字の装飾
「太陽と月の間」の天井の美しさ

ジャブリン城の中でも最も美しいとされる「太陽と月の間」。
ジャブリン城で最も有名なのが「太陽と月の間(Sun & Moon Room)」です。
この部屋には上の7つの窓があり、これは月の光を写すように設けられているそう。
壁上部には厚い空気を外に逃す格子窓、壁下部には涼しい空気を取り入れるための窓です。これが優れた通気効果を発揮しています。
7はイスラムでは特別な数です。天国は7つ、地球は7層からなるとされているからです。
木製の天井には複雑な柄が描かれ、これはオマーンで最も優れた芸術の天井とされています。
外国人旅行者よりオマーン人ツーリストの方が多かったです。
自国民に愛される城なのですね。
ジャブリン城の場所
バフラ郊外にあり、バフラの町から車で約10〜15分くらいの距離。
首都マスカットから約170km離れた場所にあります。
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