エジプト、モロッコなどイスラム圏の男性と結婚(恋愛)している日本女性は実は少なくありません。
幸せに暮らしているカップルもいれば、別れてしまったりといったケースもあります。
長年色々なカップルを見てきて、幸せになれるパターンというのがある程度はわかります。
どうやったら幸せな結婚ができるのか?その疑問にお答えます。
アラブ男性に人気がある女性のタイプ
おしとやかで静かでシャイな女性です。
モロッコの友人Sさんが見合いしたの時の話をご紹介します。彼女が住むのは南部の町エルラシディア近郊の村です。
彼女の家に、未来の夫となる隣町の男性(35歳)が結婚相手を探してやってきました。「誰か気だての良い若い女性はいるか」そう言って村民に聞いて回ったそう。
そこで、白羽の矢が当たったのがSさん。
父と息子は、さっそく彼女の家にやってきて、両家の話し合いが行われました。
Sさんもそこに同席したのですが、ずっと下を向いたままで、フィアンセの顔を全く見れなかったそうです。
彼はその姿を見て、「なんて初々しい女性だ!」と大感激。Sのお父さんにすぐさま結婚を申し出たとのこと。
実はこれには作戦がありました。彼女のお母さんは彼女に事前に、こっそりとこう告げたのです。
「彼の前ではずっと下を向いていなさい。男は初々しい女性が好きなんだから」
ちなみに、アラブの女性は結婚して、特に子供を産んだあとは、ぐんと家庭内で力をつけます。
あの初々しさはどこへやら‥‥。
家の中での大事なことはほとんどが女性が決まています。「男はただ金を入れるだけ」と嘆く男性も多い。
彼の本気度を見極めるには?
イスラムでは基本自由恋愛が認められていないため、男性は気に入った女性がいたら、まずは相手の親に結婚の申し込みをします。
そして了解を得た上で交際がスタート。これが「基本」です。
イスラム圏に旅行に行った女性が、「現地男性と知り合ってすぐにプロポーズされた」という話をよく聞きますが、それはこういう事情です。
だからイスラム男性は相手の女性に本気な場合、まずは両親に紹介したり「結婚しよう」と言います。
それらがなかったら「お手軽な遊び相手」と思っている可能性が大。
もちろんお互いに外国に住んでいて両親に会えなかったりというケースもあります。
その場合でも「結婚」など、先の見通しを口にしてくれるなら良いのですが。
海外暮らしの長いイスラム男性なら、「会っていきなりプロポーズ」はないかもしれません。
しかしやはり「結婚」に近い言葉が出てこないのは、真剣に考えていない可能性も考えられるかもしれません。
日本女性は「モテる」のか?
よく海外(特にイスラム圏)で日本女性はモテると聞きます。どうなのでしょうか?
少々厳しいことを言えば、お手軽な女性と思われているのをカンチガイしているケースも少なからずあるようです。
イスラム圏では男性は気軽に女性を手が出せません。婚約の了承を得た上で交際がスタートします。
中には「そんなめんどくさいこと抜きに、責任をとらずに遊びたい!」と思う男性もいるわけで。
その点、外人相手ならそんな縛りもなく、いずれ帰国してしまうから後腐れもない。
そういうわけで、フリーセックスの国から来た外国人などに「あわよくば」と近づいてきたりもします。
「日本や欧米では結婚してなくてもセックスできる」のは、ちゃんと知っていますから。
イスラム男性にとって、現地女性は結婚しないと触れられない、寝ることなどもってのほか。非常に高価なもの。
かたや簡単に遊べる相手。
本当はちゃんとした「いいなずけ」がいて、単なる欲求のはけ口として遊んでいるケースもあると聞きます。
「まず婚約」が理想的な理由
イスラム男性の「会っていきなりプロポーズ」。最初は「ええ!知り合ったばかりなのに‥」と驚愕したものですが、今となっては女性側にもけっこうメリットがあるなあとも思います。
下品な表現ですが「やり逃げ」は免れます。
いずれは結婚をと思う女性にとって、「結婚」のあてが全くない恋愛に時間を費やしている時間は、正直それほど多くはありません。
男性は少々歳をとっても結婚できますが、女性はその点シビアです(経験者は語る)。
男女差別と言われようと、これは厳然たる事実。
もちろん恋愛だけ楽しんで一生を終えたい、という女性はそれでも良いのです。
でも女性は多かれ少なかれ、恋愛の先にいずれは結婚したいと思っているならば、まずは「結婚」の言葉を相手に引き出す。
婚約中に相手をじっくり吟味し、嫌ならやめればいいのです。
実際イスラム圏では婚約破棄は多いです。
男性は一度寝てしまうと、「目標達成した!」と思うものです。
一方、女性はといえば、反対にどんどん相手に心理的にのめり込んでいく。そして「今どうしてるの?」と何度もメール送ったり、「私たちこれからどうするの?」と聞いたりして重たく思われてしまう。
立場が逆転してしまう。こういうケースは非常に多い。
結婚しても大事にされる秘訣
「男性は一度寝ると目標達成した!と思う」これはイスラム男性は顕著です。
イスラム男性にとって女性とは結婚しないと触れられない、寝ることなどもってのほか、「非常に高価なもの」だからです。
だから「結婚」の言葉もなく寝てしまったら、女性の価値は一気に下落します。「非常にお手軽な女」に思われ、一気に覚めてしまいます。
仮に結婚したとしても、大事にしてくれないかもしれません。
具体的には、イスラム教徒なら一夫多妻が可能なので、他の女性とも結婚したりということです。
一夫多妻は、女性が子供を産めないから他の妻と結婚するケースが多いのですが、子供がいなくても幸せに暮らしている夫婦はたくさんいます。
それは夫が奥さんのことがとても好きで、大事に思っているからです。
他の女性が入り込む余地がない。
妻の家庭内での地位が高いのです。自分に有利な結婚を彼女が勝ち取った。それは自分を「高く売る」ことに成功したから。
結婚まで「安売りしなかった」のです。
手に入らないものほど魅力的
こういう話はイスラム圏に限ったことでしょうか?
私は万国共通だと思います。人は「簡単に手に入らないものほど魅力的」に思うものだからです。
女性が簡単になんでもOKしてしまたったら、簡単にベッドをともにできてしまったら、すぐに男は覚めてしまうもの。
女性が容易に手をつなげないから、恋焦がれるのです。
ただし何でもダメと言っていたら相手の気が萎えてしまうでしょうから、ちょっとだけ寂しい思いをさせる。
最初からいきなり手を繋いだりしない、結婚の言葉が出るまでは恋人らしいことはしない。
相手がイスラム男性なら「私は結婚相手としか付き合わない」と宣言する。
日本男性なら「いきなり結婚かよ」とドン引きされそうですが、イスラム男性なら「ちゃんとした女性だ」と思ってくれます。
男性は女性を追いかけたい性分。いつも「もう少しで手が届くのに」「届きそうで届かない」という「ちょっと寂しい気持ち」にさせておく。
これが幸せな恋愛・結婚をするために大切だと思います。
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20年間にわたり取材したイスラム女性たちのリアルな日常を紹介。モロッコ、チュニジア、エジプト、イラン、パキスタン、モルディブ‥‥。恋愛、結婚、歌と踊り、デート。「抑圧」などメディアによって作られたイメージと違う、生き生きした女性たちの実像を紹介します。
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