イランのお家では絨毯の上に座って食事します。この日いただいたお食事のレシピをご紹介します。
妻の料理を食べに来い!
その前に、このご家族と知り合ったきっかけを簡単に。
ガイドブックにもない地方都市に行った時のこと。特に見所もない町ですが、ホテルのフロントに聞くと公園があるというので、向かいました。
が、途中で道に迷ってしましました。たまたまお兄さん(写真中央)が通りかかったので「公園はどこですか?」と聞くと、親切に公園まで案内してくれることに。
そしてしょっぱなから「オレの妻の料理は最高なんだ。食べに来い!」と始まるではありませんか。それが何度も何度も続く。
これは新種のナンパか!?と一瞬身構えましたが、こんなおばさんをナンパするわけないわよね、と思い直し。
それに、知り合ったばかりの外国人を家に呼ぶのは、イラン人はよくあること。
イラン人同士でもそうなのかは、よくわかりませんが。おそらく外国人がめずらしいから?
それはともかく、そこまで誘われたら、断れません。お言葉に甘えて、おじゃますることにしました。
上の写真の手前左手に写っているのが奥さんです。
こちらが、そのキッチン。右上はご主人のお兄さんの写真。若くしてイラン・イラク戦争で亡くなられました。
冷蔵庫の上にペタペタ磁石がはられているところなど、日本そっくり!
ホットクッカーで蒸し焼きチキン
日本でも売られているホットクッカー。イランでも大活躍しています。
軽く油をしいた上に、玉ねぎとチキンを入れ、ふたをするだけ。時々ふたを開けて、チキンの焼き具合いを確かめます。
初対面の外国人にも物怖じしないイケイケGOGOなご主人とは対照的に、奥さまははにかみやさん。始終めずらしそうに料理を眺める私に、いつも恥ずかしそうな笑みを返してくださいました。
仕上げにトマトソースを上にかけ、薄焼き卵を細かく刻んだものをトッピング。
シーラーズ・サラダ
サラダ・シーラージイ(シーラーズ・サラダ)。キュウリ、玉ねぎ、赤ピーマンをきれいにみじん切りにしました。こうなると、一種のアートですね。ドレッシングをお好みでかけます。
お味の方ですが、ご主人が自慢するだけあって、それはそれはおいしかった!
他人に自分の妻の手料理を自慢する男性なんて、日本ではそうそういないもの。照れ臭いのか、本当に美味しくないと思っているのか、、、、
ともかく、イランのご夫婦の仲の良さはうらやましいものです。
そして見ず知らずの外国人に「妻の手料理最高だぜ、食べにこい!」って誘う男性も、日本ではそうそういないかも。
イラン人のメンタリティ、なかなか興味深いものがあります。
イラン式トイレだから?
さらにその後、興味深いことが。
食事が終わる頃、ご主人がしきりに「家に泊まれ」と私に言うのです。
私はその日、すでにホテルにチェックインしてしまっていましたから、「せっかくだけど、ホテルに泊まります」と答えると、ご主人は「なんでだ!?」と納得しない。
「ホテルなんか、いいじゃないか。うちに寝ろ」。
いっしょにいた彼のお姉さんも「そうよ、そうよ、家に泊まりなさい」と。
私が遠慮してるとでも、思ったのでしょうか・・・・。ともかく2人とも、なかなか納得してくれません。
私の言語能力の不足により、なかなか意思が通じず、あたふたしていたところ、ご主人とお姉さんがヒソヒソ話を始めました。
正確な内容はわかりませんが、言葉の端々から「イラン式トイレ」と聞こえてくる。
どうやら2人は、私が西洋式トイレじゃないから、この家に泊まるのを嫌がっていると勘違いされているよう。
そこで私はあわてて、「私のホテルもイラン式です!イラン式トイレの方が好きなんですよ〜!」と大声で言うと、2人とも大笑い。
どうにか「泊まりなさい」攻勢から逃れることができました。