人は死を目の前にして、何を後悔するのか?
これまで医師として数多くの人の死に立ち会ってきた著者が、死を目前にして後悔することをリストアップし、よりよく生きるためにどうしたらいいかを書いた本です。
著者の川嶋朗さんは東京女子医大の自然医療研究所クリニック所長。
漢方、鍼灸などさまざまな伝統医療を取り入れ、西洋近代医学と統合した治療を行っています。
川嶋さんのもとには、末期ガンを患った方など他の病院で見放された方がたくさん来院されます。
その方々と接する中で、死を目の前にした患者さんたちが、たくさんのことを後悔していることを知ったといいます。
「やりたいことをできなかった」、
「ストレスの多い人生を送ってしまった」、
「夜型の生活を続けてしまった」・・・
それらは34項目にものぼります。
私たちは、やりたいことがあっても、つい「後でもいいや」と思いがちです。
後でもできると思っている。でも、その後が来ないかもしれないのです。
あと5分後には、車にひかれたり、突然心臓発作で死んでしまうかもしれません。
でも、だれもが死ぬことは頭でわかっていても、それがずっと先だと思ってしまう。
私は取材で中東の国へ多く行くようになり、現地のイスラム教徒と接する中で、とても驚いたことがあります。
それは、誰もが、死後の世界を信じていることでした。
良いことをしたら天国へ行く、悪いことをしたら地獄へ行く。
ほぼ100%こう信じているのです。
これは私には衝撃でした。
彼らにとって、死はいつも身近にあるのです。
日々、死を意識して生きること。
それが何よりよりよく、悔いのない人生を生きる一番の近道です。