Magazine ALC 2005年「エジプトのフォトエッセー」

「Single Shot~異境のシルエット~」
Egypt フルーツと男たち
              
 ラマダン月中の金曜日、エジプトの首都カイロの中心部にあるスーク(市場)では、近所の人たちによる集団礼拝が行われる。近くのモスクに入りきれない人びとが、市場まであふれ、通りを埋め尽くすのだ。
 最初にしばらくモスクの宗教指導者の説教が続き、その後に礼拝。その1時間あまりの間、スークは休業状態になるが、文句を言う人などいない。
 エジプト人にいると、よく「あなたの宗教は何か?」「一日何回祈るのか?」「誰に向かって祈るのか?」と聞かれる。ふだん宗教とは縁遠い生活をしている私は、しばしば返答に窮してしまう。それだけ、宗教が生活の大きな部分を占めているのだろう。
 仕事そっちのけで、大勢の人がそろって一心に祈る姿は、仕事の効率が宗教心を上回る国から来た私にとって、ちょっぴりうらやましい光景である。
Magazine ALC 2005年11月号