消えつつある大地に暮らした暮らし

エジプトの砂漠に暮らす遊牧民女性サイーダさんのところへは、もう10回以上通っています。
彼女以外のほとんどの遊牧民は砂漠を去り、観光業で働くようになりました。10年以上続く干ばつで遊牧が困難になってしまったからです。
おそらく彼女を最後に、砂漠で暮らす遊牧民は姿を消すでしょう。
遊牧民たちには、砂漠という厳しい環境で暮らす中で培ってきた、豊かな知恵や文化というものがあります。
それを記録したい、という気持ちがあります。
それ以上に、私は砂漠で暮らすのが楽しいのです。

彼女とは、一緒に暮らしながら、撮影しています。たいてい数日から一週間くらいです。
たき火で火をおこし、その火でお茶を入れたり、パンをつくったり。。。
何時間か歩いてたどり着いた泉の水の、なんとおいしいこと!
満月の夜は、字が書けるほど明るい。感激することばかりです。
この、ともに暮らして撮影するというスタイルは、とてもエキサイティング。
どこでも寝られ、何でも食べられる、唯一の私の特技ゆえ・・でしょうか。
これからも、大地に根ざした暮らしを、生活の中に入り込んで取材していきたいと思います。