イスラム男性にプロポーズされたら?(2)結婚は「契約」

パキスタンの結婚

パキスタンの新郎新婦

 イスラム圏に旅行して現地の男性と恋に落ち、結婚したいと思ったら? 

その前に知っておいたほうが良いことがあります。

結婚は契約

 イスラムにおける結婚は「契約」。これが日本と大きく違う点です。

 たしかに日本でも、結婚すれば役所で届け出たりします。その点、契約と言えなくもないのですが、でも結婚する当人同士に「契約」という意識は薄いのでは?

 その点、イスラム圏の結婚は純然たる「契約」です。契約であるからには、「権利」と「義務」がある。

 女性にとっての義務は、夫とのセックスに応じて子供を産むこと。男性は家族を養うこと。これらがセットになっているのが、イスラムの結婚(契約)です。

 契約に反した場合、当然「契約不履行」で、離婚にもなります。子供が産めない女性は離婚されることもあるし、夫が他の妻をめとったりする。もちろん子供がいなくても、仲良く暮らしているカップルはたくさんいますけれども。

 また、女は働いていても(たとえ夫より給料が多くても)、家にお金を入れる義務がありません。それは夫の義務だからです。

結婚前に条件を決める

 「契約」を締結する際には、いろいろと条件を決めますよね。イスラムの結婚もこの調子で、結婚前に取り決めをします。「離婚した際、男性がいくら払うか」、「養育費はどうするか」などなど。離婚後にこの慰謝料の支払い義務を怠った場合、預金口座から強制的に支払わせる制度もあるそうです。

 女性が実家から持ってくる持参品のリストを用意したりもします。それらは夫婦の「共有財産」ではなく、あくまで妻の物。離婚した時には、妻は持参品を持って実家に帰ります。

 こういう点、日本人から見たら非常にドライなように感じますが、彼らにとって「愛はいつか覚めるもの」。結婚は愛がなくてもできる。愛は結婚生活を送りながら育んでいくもの、なのです。

 日本は今や恋愛結婚が主流で、「愛があればお金はいらない、家具はいらない」なんて考える人もいますが、イスラム圏ではありえません。一時の恋愛感情など、信じていはいない。そこで、周囲(特に父親)が、結婚前に色々と条件を取り決める。あとあと娘が困らないように。

 男性にとっては、けっこうめんどくさい。こういうのが、外国人相手だと「なし」ですむ。だから男によっては、こういう重圧から逃れるために外国人女性との結婚を望む人も、悲しいかないるのが現実です。

 

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