<イスラム女性は幸せ?(4)> 結婚は女性に有利。生活費は夫の負担・離婚時の慰謝料も決める

一般的にイスラムは男性優位・女性蔑視の宗教だと思われています。
果たしてそうでしょうか?

結婚を例にとれば、とても女性に有利な制度になっています。
男性の責任が非常に重い。
イスラムは女性保護を柱に掲げているからです。

家を用意する義務が

多くのイスラム圏では、男性が結婚前に「家」を用意することになっています。
それも賃貸ではなく、たいていは持ち家。

日本だったらローンを組んで何年もかけて買うものを、結婚時に用意する必要があるのです。

家具は女性が用意することも多いですが、ベッドやテーブルなど大型家具は、たいてい男性の負担。

またヨルダンなどでは、家具もすべて男性が負担するのが決まりです。

さらに男性は女性に「マフル」(結納金のようなもの)を払います。
その額は月収の数十倍といわれます。

つまり結婚のためにかかる男性への金銭的負担はかなりのもの。

お金がないために、なかなか結婚できない男性は多く、結婚資金を貯めるためにサウジアラビアや湾岸諸国に出稼ぎに行く人が多いのです。

離婚の慰謝料を決める

女性保護の視点で言えば、離婚時の慰謝料を決めることもあげられます。

先ほど書いた「マハル」(結納金)です。まフルには「前払い」と「後払い」があり、後払いがこれにあたります。

つまり離婚した場合に夫が妻に払うお金のこと。
慰謝料や補償金の意味合いがあります。

これは「前払い」より高額なのが普通です。

女性が離婚後に生活に困らないためのもの

お金がない男性は、離婚も簡単にできないシステムになっているのです。

イスラムの法では離婚する場合、男性の側は女性に生活の補償を与えることを義務づけているし、また女性の側からも離婚の申し立てをすることができる。これも当時の世界では他に類を見ない女性尊重である。

イスラム教団が短期間にして、あれだけの急成長を遂げた背景には、こうした平等思想があったと見る学者は少なくない。

アッラーの前には富貴の差も、男女の差もないととく教えが、当時の人々意にとってどれだけ衝撃的で、威力的であったかは想像にかたくない。

(「日本人のためのイスラム言論」)

「結婚する前から離婚のことを決めておくなんて縁起でもない」
日本人なら、こう思いがち。

しかし男女の愛ほどアテにならないのも、また事実。

現に離婚して慰謝料や子供の養育費を受け取れない女性は多いと聞きます。

「あからさまにお金のことを話題にするなんて‥‥」
と思いますが、これが日本のイスラム圏の感覚や文化の違いです。

向こうでは、大事なことだからこそ、うやむやにしないのです。

この「前払い」「後払い」のマフルの額は、結婚契約の際に、新郎新婦の親同士が決めます。

本人同士はたいてい「結婚だ!」などと心が浮かれているため、冷静な話し合いができないからです。

生活費は夫の負担

イスラムでは結婚したら夫が家計を担う義務があります。

聖典コーランにはこう書かれています。

 『アッラーはもともと男と(女)の間には優劣をおおつけになったのだし、また(生活に必要な)金は男がだすのだから、この点で男のほうが女の上に立つべきもの』(4章34節)

「男が上」とありますが、これは肉体的な優劣のこと。

男性の方が体力がある。
だから「男が稼げ」となったわけです。

イスラムでは男女平等が基本理念です。男女は平等だが違うもの。その違いに応じた役割があると考えるのです。

「生活費は、すべて男性の義務とされているから、仕事を持っている女性はもちろんのこと、一般に「女性の方が金持ち」だといわれる。

家族の経済生活は男がうけもつこととされ、これもイスラームにおいて法律上の義務としてとりきめられた。

家族の生活を保証できなければ、多額の費用がかかるメッカへの巡礼も、してはいならないと禁止されている。」

(「イスラームの日常世界」)

だから専業主婦が変な引け目を感じることもありません

もちろんイスラム圏でも最近は物価が高騰し、妻も働いて家計を助けるケースももちろんあります。

しかしそういう事情がなければ、女性は働かなくてもいいし、働いても家にお金を入れる義務はない。

パキスタンの女性

パキスタンの銀行員。中央の背の高い女性が支店長。

イラン人男性と結婚した日本女性から「夫が家にお金を入れてくれない。離婚したい」と相談を受けたことがあります。

日本の場合、男が家族を養うのはあくまで慣習。
しかしイスラムでは神の命令。

そのイラン人男性は「神の命令」に反していることになるのです。

男性が家計を負担。これでは女性ばかり得をする?

女性には代わりに出産・子育てという仕事があります。

イスラムでは上に書いたように、男女の違いと、それに応じた役割分担を重視しています。

男は外で働き、女性は家で家事と育児をする。
(この点、一昔前の日本と似ています)

だから子供が産めない女性は、肩身のせまい思いをします。
場合によっては離婚というケースも。
イスラムでは子作りを重視しているからです。

女性の方が収入が上でも夫が生活費を負担

女の役割分担を決めているからといって、もちろん女性が働くことを禁止していません。

たとえ妻の方が収入が多くても、夫が家計を負担するというルールは変わりません。

知人のパキスタン女性は、ある金融関連会社の取締役。
月収は約100万円です。

彼女の夫は銀行員で月収70万円。
それでも生活費を負担するのは夫です。

彼女はそのお金で趣味のアート作品を買ったり、子どもや自分の両親へのプレゼントを買ったりするそう。

他にもパキスタンの働く女性に何人かインタビューしましたが、「家計を支出するのは夫」という答えは同じでした。

「1962年にエジプトには、すでに女性大臣が誕生しているが、彼女は「夫の収入より、自分の方が多いけれども、家計はすべて夫がまかないます。それは、イスラームにおける男の義務だからです」と話していた。(「イスラームの日常世界」)

もちろん彼女たちのように恵まれた環境にいる女性がすべてというわけではありません。

妻が家計を助けるために働きに出ざるを得ないケースも少なくない。

しかしそれは多くの場合、女性の自主的な意思で働きに出ているのであって、
夫が無理やり「お前も働いて家に金を入れろ」と要求しているケースは極めて少ないです。

妻が外で働くことに引け目を感じる男性も大勢います。
自分に家族を養う力がないと世間に公表することになるからです。

男に厳しい結婚制度。なぜ男性は結婚するの?

以上のように、イスラムの結婚制度は男性にとって厳しいシステム。

にもかかわらず、男達は結婚していく。

1つには、結婚はイスラムでは半ば義務であるから。

そして男性は結婚しないとセックスできない。

日本はフリーセックス→結婚しなくてもセックスできる→結婚の価値が下がる。

よって結婚できないのは当たり前。

結婚しなくても自由にセックスできたら、結婚しなくていいやって考える男も当然いるわけですから。

 

 

★イスラムの結婚・女性などについて、こちらの本で詳しく解説しています。ぜひお読みください。

イスラム流幸せな生き方』
なぜ世界でイスラム教徒が増え続けているのか?その魅力を中学生でもわかるように易しく書いた本。この一冊でイスラムのイメージが変わります。

 

 

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