コーランとは? イスラムの聖典「コーラン」をわかりやすく解説します!<イスラム基礎知識>

コーラン」がイスラム教の聖典であることは、たいていの人がご存知でしょう。

しかし具体的にどういうもの?
実は知らないという人が多いのではないでしょうか?

「日本にも日本語で書かれたコーランがあるじゃない?」と思われる人もいるかもしれません。

しかしあれは本当はコーランではないのです。

エジプトやモロッコなどイスラム圏の国を旅すると、そこには必ずモスクがあり、熱心にコーランを読む人の姿を目にします。
電車やバスに乗れば、必ず一人はコーランを読んでいる人がいる。

なぜそんなに熱心にコーランを読むのか?

その中には一体何が書かれているの?

イスラム圏に旅行に行く際には、コーランについて知っていれば「旅の厚み」も違ってきます。

それでは「5分でわかるコーラン」解説のはじまりです。

コーランは「神の言葉」 

コーランについて一番大切なこと。

それは「コーランは神の言葉」だということです。
つまり著者は神なのです。

コーランには人間が作った文章はいっさい入っていません。

これが他の宗教の聖典や経典と最も異なる点です。

他の聖典は、すべて預言者の死後何年もたってから人間によって書かれたもの。

対してコーランは、神の言葉がそのまま記されているからです。

コーラン

コーランはアラビア語で書かれている。

その神の言葉を伝えたのが、預言者ムハンマドです。
彼は7世紀にアラビア半島に生まれました。40歳くらいの時、突然神の啓示を受けます。

以後、啓示を受け続けること22年。
それを断続的に弟子たちに伝え、それらが後にコーランとして編纂されました。

神の言葉を伝えたため、ムハンマドは「預言者」と呼ばれます。
(「預言」とは「言葉を預かる」という意味です。)

コーランの内容は?

さて。その神の言葉を集めたコーラン。
何が書かれているのでしょう?

おおまかには「神の事」、「神への怖れや感謝」、「最後の審判」、「イスラム教徒が日々行うべきこと」などです。
(イスラム教徒はこの世の終わりに神の審判を受け、天国か地獄へ行くことになっています)

コーランは全部で114章
1章はいくつかの節に分かれています。

ただし1つの章が、必ずしも同じテーマでまとまっているわけではありません。

1章の中に神様の事が書いてあったり、日常生活の指針に関することが書かれていたりします。

その構成や順序は、かなりアットランダム。
(きっと神様が、情熱がほとばしるあまり順番を考える余裕がなかったのでしょう)

全体的な文量はどのくらい?

日本語訳が岩波文庫で3冊出版されています。
(「コーラン(上)」・「コーラン(中)」・「コーラン(下)」)

それぞれ文庫としてはちょっと厚めで、360〜400ページほどです。

コーランはアラビア語で書かれている

ところで、コーランはアラビア語で書かれています。

ここで非常に重要な点は、「翻訳はしてはいけない」ということです。

先ほど岩波文庫から「コーラン」が出ていると書きました。
これは厳密に言えば「コーラン翻訳書」であって、正真正銘の「コーラン」(「日本語版コーラン」)ではありません。

よって世界中のイスラム教徒がアラビア語のまま読みます
東はインドネシアから、西はモロッコまで。

もちろんアラビア語ができないイスラム教徒もたくさんいます。

しかし学校やモスクなどで、コーランの授業や講座があり、ほとんどの人が最低限有名な箇所は知っています。

「神の言葉」だから変更不可

そして神の言葉であるコーランは、人が変更できません
7世紀に伝えられえた神の言葉が、今日までいっさいの変更も加えられることなく伝わっているのです。

これがたとえば日本の憲法などなら、人が作ったものだから変更は可能です。

しかしコーランは、この先もずっと変わることはありません。

Koran 2
信者は、コーランに書かれた「神の言葉」に、いっさいの疑いをはさみません。

たとえば「一夫多妻」の規定がコーランにあります。
男性は4人まで妻をめとることが認められています。

女性なら「それって、おかしい!」となりそうですね。
でも、そうはなりません。

神が認めたことだからす。

声に出して読むことが大事

コーランは、正確には「クルアーン」と呼ばれます。
この意味は「声に出して読むべきもの」。

だから黙読するだけでなく、本当は声に出して読むのが正しいのです。

実際モスクに行くと、ブツブツ念仏を唱えるようにコーランを読んでいる人がいます。

コーラン

シリアのウマイヤド・モスクの中でコーランを読む男性

そして声に出して読まれたコーランの響きは、とても美しいのです。

コーラン全文を暗記している人も

日本の文庫で3冊分のコーラン。
それを全部まるまる暗記してしまう人もいます。

この人は「ハーフィズ(記憶する人)」と呼ばれます。
ハーフェズは、世界に100万人くらいいるそうです。

だから「仮に世界中のコーランが全て燃やされてしまったとしても、全て暗記している人が大勢いるから、また1からコーランを作ることができる」

そうイスラム教徒たちは信じているのです。

トイレに持って入ってはいけない

コーランはとても神聖なもの。
だから、トイレに持って入ることは禁じられています。

私の友人などは、コーランを風呂敷に大事に包んで保管しています。

そして毎日コーランを読むたびに、風呂敷から出してくるのです。

まとめ:イスラム教徒にとってコーランとは?

コーランは神から与えられた大切な書物です。

その中にはこの世の全ての真理(決して変わらず、永遠に正しい事柄)が書かれています。

イスラム教徒は日々コーランを読み、暗唱し、神の存在を身近に感じながら暮らしている。

そういう書物が日本にあるでしょうか?

日本では日々大量の本が出版されます。けれどもコーランのように長年に渡り、多くの人に読まれ、大切にされている書物というのは皆無です。

そういう意味で、「生涯をともにする愛すべき書」(という表現が正確かどうかわかりませんが)を持つイスラム教徒たちが、ちょっぴり羨ましかったりもします。

 

【関連記事】

コーランには何が書かれているのか?<イスラム基礎知識>

【イスラムの基礎知識

 

★コーランについては、こちらで詳しく解説しています。ぜひお読みください。

 

コメントを残す