「心で男性を誘惑」イスラム女性がスカーフで髪を隠す本当の理由は?

イスラム女性はヒジャーブ(スカーフ)で髪を隠しています。
そのスカーフ。外の世界では抑圧の象徴のように言われたりしますが、果たしてそうでしょうか?

それについて知るのに格好の映画があります。

アッラーと私とスカーフと」。カナダに暮らす4人のイスラム女性が主人公をつとめるドキュメンタリー映画。

彼女達は「スカーフをするか否か」で悩みます。そして家族や周囲の人との関わりの中で、それぞれの道を見つけていくというストーリー。監督は日本人女性です。 

イスラム女性たちがスカーフについてどう思っているのか?
私たちが知ることのできない「胸の内」が描かれています。

アッラーと私とスカーフと

映画のポスターから借用

「スカーフについては多くの解釈がある」

まず、彼女達は「スカーフをするか否か」で迷います。

なぜなら、実はスカーフは、本来はイスラム教徒の「義務」ではないからです。
(参考:「女性は宝石」。イスラム女性がヒジャーブで髪や肌を隠す「本当の」理由

聖典コーランには「女性の美しい部分は隠せ」と書かれていますが、「髪」がその美しい部分に含まれるかどうかは、はっきり書かれていません。

「スカーフをする・しない」両方の解釈があるのです。

「する」という解釈に従う人はするし、「しない」解釈に従う人はしません。

主人公の1人は、イスラムを勉強する中でそういった事実を知り、「しない」決断をします。

だからといって、スカーフを付けている友人女性と関係が悪くなるようなことはありません。

する・しないかは、自分自身が決めること。そして誰もが相手の立場を尊重しているからです。

「美しさではなく心で男性を誘惑できる」

「する」と決心した女性は、スカーフのメリットについて、自信たっぷりにこう語ります。

「スカーフをすることで、美しさでなく「心や才能で」男性を魅了することができる」。

そして心で男性をひきつけた方が良いと語ります。

なぜなら容姿は年をとるにつれて衰えるけれど、心や才能はそうではないから。

スカーフは女性に力を与える

また別の女性はこう語ります。
スカーフをすることで、誰が私を見るかを決めることができる」。

スカーフをしていないと、女性は見られる存在です。

もちろん女性も男性をジロジロ見ることもありますが、どちらかといえば「男性が女性を見る」方が多い。

スカーフや肌を露出しない格好をすることで、見られる存在ではなくなります。
見せたい相手にだけ、美しさを見せることができます。

イスラム女性は、外ではスカーフやコートで肌や髪をかくし、家の中ではジーパンやタンプトック姿。家の中でだけ口紅をつける女性も多い。

夫や家族など自分を大切にしてくれる人にだけ、美しい部分を見せるものだからです。

スカーフをすることで、見せる相手と見せたくない相手を自分で選ぶことができる。
女性が優位に立ち、女性が力を得るということになるのです。

男性の視線をカットできる

映画では描かれていない事ですが、スカーフをすることで女性の社会進出がより容易になります。

というのも、イスラム社会では男女の不必要な接触を禁じ、男女隔離が原則となっています。

スカーフ(ヒジャーブ)を着用して「美の象徴」である髪を隠すことで、それが「見えないカーテン」の役割を果たして、女性が社会に出やすくなるのです。

男女隔離の社会にあって、スカーフをすることで、社会進出が容易になる。

「ベールは「携帯用のカーテン」であり、これを身に着けることで、女性の社会進出を促進される。」

(「イスラームとモダニテティ」中西久枝」203ページ)

結婚に有利

またスカーフには婚活を有利に進めるという側面もあるようです。

イスラムの男性は一般的に、ある女性が結婚相手にふさわしいかどうか見る場合「イスラムの教えをちゃんと守っているか」を考慮します。

スカーフをかぶることで、「イスラムの教えをきちんと守っている」ということをアピールできる。理想のパートナーを見つける上でも役立つのです。

このように、女性に様々な「力」を与えるスカーフ(ヒジャーブ)。

女性達は決していやいや被っているのではなく、自ら好んで、そして時にかなり戦略的に身につけているのです。

 

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★イスラムの女性、ヒジャーブについて、こちらの本で詳しく解説しています。

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